何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

特定秘密保護法案について

衆院で可決されたようです。

 

色々と危険性について議論されているようですが、個人的には現状でも十分国家は国民に情報開示なんてちゃんとしていないと思うんですよね。

 

基本的に情報公開制度というものを使うと議事録であったり関連資料であったりについて開示請求できるわけですが、開示されている資料のうち、機密にかかわるものは黒塗りされて内容を確認する事はできない。

 

例えば、今回の特定秘密保護法案についても、その検討過程の開示請求への情報開示は真っ黒塗りだった。

 

 秘密保護法案:検討過程「真っ黒塗り」 情報公開請求に

http://mainichi.jp/select/news/20131003k0000m040141000c.html

 

そもそもこれまでも国家機密又は開示が適切でないと国が判断したものは開示したという事実のみを残し、実際にはなんら開示なんてされていない。

当然、だからといって秘密主義を肯定するわけではないが、反対・賛成するうえでは仮にこの法案がなかった場合にどのような状況になるのか、存在する場合はどのような状況になるのかを冷静に考えるべき。

 

個人的には、国家が一定の秘密を持つことそのものは止むを得ないと思う。防衛上、外交上等日本単体で判断できるレベルでないものも多く、そういったものは結果的に機密扱いとする必要が出てくる。

 

逆に、機密が存在しない国家を想像してみてほしい。

 

防衛上の秘密が常に公になり、日本の弱点が国際社会に晒される。一体なんの得があるのだろうか。特にこんな周辺国とセンシティブな状況に於かれている中防衛上の機密をバンバン公開できるわけもない。

 

当然、逆にリスクも存在するわけだが、そのリスクは既に存在しているリスクではないのだろうか?

公開すべきものが公開されなかったという事が分かるといいの?いやだめだろ。

公開されるべきものが公開されないような状況では、そもそも特定秘密保護法案があろうがなかろうが国は自由に情報開示のレベルを操作しているわけであって、それが、行われなかったことに気付いたときに初めて批判できるかどうかのレベルだろう。

 

だいたいメディアが非常に強く懸念を示すというが、そのメディアが陳腐化したから日本の情報公開制度は腐ったんだと思うんだが。

 

今考えるべきは、国家機密とするものの判断基準を明確化する事と、国家機密にあたらないものについてはちゃんと情報公開する仕組みの整備だと思う。

中途半端に機密とそうでないものの区別ができない状況だから、省庁の勝手な判断で機密という名のもとに都合の悪いものは全て黒塗りされているわけで。

 

日本はこの手の矛盾が非常に多い。

そもそも成り立っていない権利や制度を前提に将来の整備もすべきでないという議論なんてナンセンスそのものだと思う。

危険があるのはその通りだが、既に存在している危険で既に発生している事案である以上、むしろ、この機会に現状を改善し、正しい方向に進むように導くことの方が、数倍国家国民の為じゃないかと思うんだが。

 

特定秘密保護法案に危険性を示す人中に何人ぐらい情報開示制度を利用した又はこれから利用する予定の人がいるのだろうか。

そしてその人たちは、現状の情報開示制度の現実についてどう考えているのだろうか。

 

されていないからどうでもいいという、いい加減な考えではない。

そもそも何でも完璧な制度や国家は実現できないし、国民の望む形になるわけでもない。

国民が考えるべきは、国家と国民がWin-Winの関係になるようなバランスだと思う。

 

巷には「●●で国が亡ぶ」なんてワードがあるが、個人的にはそこに「国民の権利を主張して国が亡ぶ」というものもならばないようにしてほしい。

 

「危険だからやるな」と一辺倒に批判するのは個人的には思考停止だと思う。