何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

夢としてのアニメ産業と現実のアニメ産業

アニメ制作社員の自殺 クールジャパン支える「月600時間労働」の衝撃 (産経新聞) - Yahoo!ニュース

うちの奥様も元アニメーター。正直我々がブラックと呼ぶレベルを超越した世界だよ。交通費もなく1枚いくらのような世界。1枚も数円とか数十円とかそんなレベル。エンドロールに名前が載る為に本当に死ぬ思いをしてる

 

読んだ。

 

 

実は私の妻も元アニメーター。

恐らく多くのアニメ好きの人が見たであろう作品のエンドロールにも名前が出ている。

私もであってからその事を知り、その作品を見直して、実際に名前がある事に気づき驚いた。

 

 

私の妻の事例でいえば、交通費は自腹で、残業代という概念はなく、そもそも1枚あたりいくらという歩合制だった。

 

妻は専門卒で、卒業前からインターンという形で働いていた。

 

ただ、まるまる1日、それこそ残業(契約上概念はないですが)をしても往復分の交通費で赤字になる状況だった。

それでも夢であったアニメ産業に関わる事ができたという事で、本人は本当に必死に頑張ったが、結局1年もたなかった。

 

精神的に、金銭的にも。

 

今でも妻と映画や新作のアニメを見ると、同期が制作進行をやっているとか、作画監督をやっているとかいろいろ話はする。

 

ちなみに、制作進行と素人が聞くと、なんとなくエラそうに聞こえるかもしれないが、実際は便利屋のような仕事。

 

素材の手配や運搬、各種運送を受け負ったりする。

 

この制作進行も曲者で、かなりの人が苦労している。

何を苦労しているかというと、例えば素材の運搬を担当したりするのだが、不眠不休の仕事が続く中で車やバイクを運転するんだが、当然事故を起こす。

でも、事故は会社として責任はとれないので、自分で処理しなければならない。

 

当然修理代もないし、補償もない。

 

こういった事が普通に横行している。

 

これが新卒で、且つ、学校の紹介で入った先の会社でふつうに行われているのだ。

 

本人が思いつめても学校も助けないし、職場には改善する意思はない。

新卒の社会人、というか、おそらくインターンで入る人も多いと思うが、そんな状況で追い込み、精神的にも金銭的にも逃げられない状態にしているのだ。

 

普通であれば、学校が支援すべきだが、学校もグルなので支援なんてない。

 

本当に残酷な話。

 

ブラックというかそういうものを既に超えていて、本当に何とかしないといけないレベル。

 

妻は結局、アニメーターという仕事はやめた。

その後、私と結婚する前に偶然にアニメ産業の別な仕事に就くことができた。

 

どんなものにも夢と現実のギャップはあるだろうし、試練もあるだろうとは思う。

 

ただ、今アニメ産業の現場でおきているのは、もはやギャップというレベルではないし、おそらく我々が知るようなレベルの事態ではないというのは知ってほしいかな。

 

本当に何とかしてほしいと思う。