何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

返済が滞るのは返済額の問題ではなく定職率の問題だろう

学資ローン地獄を見かねたオバマが大統領令発令WWW - Market Hack

えっと、今の奨学金の返済は月1万とか1万5千なんだが。年収200万でも余裕でこの大統領令よりも低い。高校、大学と多重化した場合は別だがその場合でも返済月数が伸びる事が主で月の負担は極端に増加しない

 

よんだ。

 

なんか妄想全開で社会の何か黒いものと必死に戦おうとしている勇者がいるようだ。

 

その一方で、そもそも旧・育英会などの奨学金(ここでいうのは、いわゆる利息付のもの)は、返済年数は長いが、月の負担はそれほど重くない。

 

私が利用したものは、月額の支援額が10万円で、2年間支援を受けた。

その後、返済を開始したわけだが、月の返済額は毎月約1万5千円。

年間にすると、約18万円で、元記事の年間所得の10%を超えない額という制限であれば、おそらくアルバイトでぎりぎり引っかかるかどうか。

 

もっとも、高校から利用を開始し、大学や専門学校と併用した場合等はそれ以上があるわけだが、多くは返済年数が伸びるケースが多い。

月の返済額は極端な負担がないように配慮はされているので、実際のところ、仮に、銀行から低金利でお金を借りるよりも全然楽なわけで。

 

ちなみに、返済開始後にいろいろと状況が難しい場合は、ちゃんと相談する窓口もある。

 

つまり、今この大統領令と同じ条件を日本国内で実施しても、特段かわらんと。

 

この事実は、実際に奨学金を借りて返済した(している)人にはわかるんだけどね。

妄想だけで何か社会の悪と戦っている人にはわからないのですよ。

 

多くの場合、返済が厳しい(厳しくなっている)人というのは、何らかの事情で定職に着けていない場合や、私的な事情により職を離れた結果、一時的に経済的に苦しい状況に陥った人かと思われる。

 

そもそも、返済額の設定はかなり良心的に設定されているわけで、卒業後、仮に地方であっても定職に就き、年間200万前後を稼ぐと、返済ができないわけではない。

(まぁ、これも事情によるけど。親を扶養しているとかだと苦しいね。)

 

年間200万ということは、月収16.5万前後でボーナスなし。結構リアルな数値だが、この条件ですら、元記事の条件には適合しない。

 

なぜなら、年間の返済額の合計が年収の10%以下に収まるから。

 

 

よく、学ぶために借金を背負うのはおかしいという議論とごちゃまぜにする人がいるが、別な話なので切り分けて論じるべき。

 

 

学ぶために借金を背負わせるべきではないというのは、これからの話で、奨学金の存廃は前者の完全無償化(大学まで含めすべてが無償化)が実現されていない現状での選択肢の話。

 

前者が実現されているならまだしも、実現できていない現状で、いきなり奨学金は返済不要とすべきと声高にいっても、原資が準備できないし支援も広がらない。

そして、何も実現しないまま、選択肢だけが失われるリスクを背負わされる現代の若者のかわいそうさ。

 

そこの構造を理解しないまま、いつも、ごちゃごちゃに意見をぶん投げている人がいるんだが、現状の学びたい若者の手段をとりあえず奪うなと。

 

改善すべきは、学んでも定職に着けない実状であったり、労働量とその対価がアンバランスな業種であったりと、そういう構造的な問題であって、返済額云々の話ではない。

 

なんであの手の人たちは理解できないんだろうか。