何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

赤字分を出資に変えるのは双方に相当の理解が必要

作家・柳美里さんとのことについて説明します。- 月刊「創」ブログ

回答になっていないのですが出版・執筆業にかかわる人の回答がこのレベルで良いのかと思わなくはない。自身の非と相手の主張が正当であると認めても、結局なぜそういう行為を“意図的に”行ったのか説明していないし

 

よんだ。

 

正直、きれいにまとめた文だけど、肝心な部分は何も説明していないので、一体何の為にこの文章を掲載したのか全然わからない。

雰囲気的に、訴訟対策ですかね?と思うぐらい。

 

まぁ、それはご本人たちの今後の展開に寄る所として。

 

文中で未払の原稿料を出資に振り替えてもらったような話がでてきています。

これね、なんか、字面だけみるとフェアな感じするじゃないですか。

 

でも、これやり方によっては、何れか又は両方が税金を負担する事になるし、実質、出資しても回収の見込みがなく、且つ、この会社の場合、出資比率に応じた発言力を得るわけでもない(実質編集長個人の会社に近い状態に見えるため)ので、出資する事の意味はありません。

 

通常、出資で対応するのは、法人を倒産させるよりも出資に切り換える事でその会社がその後も事業を継続する事ができ、且つ、債務の減少による効果を期待でき、一方で対応する側としても監視や管理に関与できるという利点であったり、そもそもベンチャーであったりすると、自身の経営への関与割合を高め、改善に寄与する事が目的であったりします。

 

ただ、文章から伝わるのは「理解していただいた」という事を前提に、事実上の債権放棄をお願いしているに過ぎないので、本質的には、所謂DESのそれとはちょっと毛色が僕は違うと思います。

 

あと、そう解釈した場合ですが、一部の執筆者には通常通り原稿料が支払われ、一部の執筆者のみに債権の放棄を依頼するというのは、公平性の観点でもちょっと…と思います。

 

仮に、事務的な手続きではなく、本当に経営に関与するぐらいの事を希望していたため、特定の支援者とのみ交渉したという事であれば、今問題となっている方には本来原稿料が支払われるのが筋ですし、それが行われていないというのは「理解していただいた」というより、結果的にそれを選択するしか無い状況に陥ったのではないかという感じが凄く強く伝わってきます。

 

本当に経営が厳しいのであれば、実務的には、まずは一律原稿料の値下げを交渉し、その事実を残し、それでも事業継続が難しい場合は、当然事業の整理による効果が期待できるのか検討、それでも難しい場合に、債権の放棄をお願いするわけで、少なくとも最初の手続きが全力ですっ飛ばされているし、債権の放棄の段階も公平性がないので、既に企業としての体をなしていないなぁと思います。

 

一見すると、凄く紳士的な文章を掲載しているように思えますが、私的には、前述の通り、相当悪質な気がします。

 

というか、これをいっては元も子もないのですが、通常、債務を出資に変えるというお願いは、余程の信頼関係があっても難しいお願いですし、金融屋以外からするとDESなんて知らないし、意味もわからないので、一般の方においそれとお願いすることはありません。

その点でも、この文章に記載されている内容が事実であった場合、結構いろいろと首を傾げたくなるのは否めません。

 

もっとも、これまでのやり取りがどうであったかという事を僕は全て知らないですし、当然、ここに記載したような内容を想定した対応であったのかもわかりませんが、文章だけを読むと、余りよい印象を僕は受けませんでした。