何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

ギリシャを救うということ

 

新国立競技場止めて、ギリシャとユーロを救おう! - 発声練習

意味不明な記事。そもそもギリシャの債務そのものはそんな小さくない。短期的に資金供給を行う事はこれまで数年間行われてきたが結果的になんの救いにもならなかった。ギリシャ自身には自力再建の力がないのだが?

2015/06/30 12:02

 よんだ。

 

そして意味のわからない記事だった。

 

まず、オリンピックの意義を箱物の単体の価値で議論するなら、ギリシャの価値も単体の価値で比較しないと意味がないかと。

例えば、日本人観光客への優遇措置であるなら、実際ギリシャへ観光する日本人観光客の実数とそれによる恩恵を天秤にかけて、税金を投入すべきかどうか、という判断ですね。

ちなみに、ネットで調べると年間推計で約2万人ぐらいなので、公共施設の入場料を仮に1万円(パリの週間パスポートぐらいの価格)で考えると年間約2億円ですから、初回融資分の回収だけで約25年間の無償提供が必要ですね。

 

 

とうか、支援するという話であれば根本的なギリシャの収支の問題も織り込むべきです。

 

そもそもギリシャの問題は、最近のニュースのタイトルしかよんでいない人には理解できていないと思いますが、根本的な国内経済の崩壊です。

基本的な部分で収支を折り合わせることができず、債務の返済の術がないという点にあります。

この点は某経済学者も「緊縮財政したってどうにもならんのはみんなわかってるでしょ?」と指摘している通りで、緊縮したところでもはやどうこうできるレベルではありませんし、単純に緊縮財政を続けるだけでは状況は悪化するのみです。

 

ただ、ユーロ圏全体で見たときの構造的欠陥は、ユーロ離脱を人質にすればレバレッジを効かせた駆け引きが可能であるという悪しき事例ができるか否かの代表例となっているという点です。

 

だいたいのところギリシャの経済規模なんてものは大したことはないので、実質的に破綻しても世界経済にはそれほどの影響はありません。

 

ただ、連鎖的に起きる問題についてどう向き合うかだけが実質のリスクなのです。

 

一方で、そのリスクに怯え、離脱を人質とした交渉を飲み込むというのはある意味テロリストとの交渉と同じです。

人質の解放の目処が立たないまま、無尽蔵に資金供給を求められ、それに応じる都度、債務は膨らみ、そして人質の価値は膨らむわけです。

 

そして、1国がその既成事実を作れば、2国目、3国目と他の債務国も同じやり方を踏襲しますし、そのとき同様の態度を示さなければ「なぜギリシャだけ?」となります。

 

これは非常に大きな問題です。

 

そもそもユーロを財政的に支えているのは、ドイツをはじめとした数カ国にすぎません。

強者が弱者を支えるというのは一見するとよい構図に見えますが、ドイツ以外でも「なぜギリシャ国民の為の我が国の税金を投じるべきなのか?」という議論は常に起きています。

 

日本がたかが数千億を支える案にどの程度の意味があるかは文章からはわかりませんが、おおよそその程度の支援ではなんの役にも立たないので、その程度の支援であれば、まだ箱物を作る方がましでしょう。

 

ギリシャに必要なことは、この数年間政府だけでなく国民も無責任に時間を過ごしたツケをどう支払うかという問題と、今後数十年にわたる問題とどう向き合うかという決意であって、それがEUに残るのか、それとも離脱するのかということで結論を出すことになります。

 

ちなみに、色々と意見はありますが、ギリシャ側からするとどちらもいばらの道で、実質的には国際的支援が受けられない離脱を選ぶ場合は、その後の戦略は1本道ですから、その決断までおりこまないとウクライナよりもひどいことになります。

 

 もっとも、そこまでの判断ができているならここまで陥る前にもっと良い形で身を切る選択ができたと思いますが…