通信の秘密についてよく主張されているのは検閲はあってはならないということだけども、インターネットでクラウドサービスを利用するということは、自動的にサービス事業者に自分の行動が検閲されることを意味する。そんな時代に低レイヤーでのデータのやりとりの通信の秘密だけ大事にして意味ないよね
— kadongo38 (@kadongo38) 2015, 7月 15
いいえ。全くもって問題があります。
通信サービスの契約とは、あくまでも通信インフラの利用というものであり、その上の個別サービスとは全くことなります。
通信の秘密は、検閲されて良いものと、検閲されてよくないものがあり、仮に検閲されてよいものも、だれに対してその検閲の許可を与えるか?という選択が可能である状況が必要です。
例えば、銀行手続きや非常にセンシティブな情報を取り扱う場合は、そのユーザーとクライアント以外にデータの閲覧を許可する事はないでしょう。
当然、SSL暗号化が施されていなければだれでもすきかってに見てよいという話でもありません。
悪意を持った攻撃者が存在するので対策を講じましょうという話と、事業者自らが悪意を持った攻撃者と同等の行為を行う可能性まで想定しろというのはもはや消費者が想定すべき次元は異なってきます。
例えば、アナログ電話の通信は比較的簡単(それを言ってしまうとデジタル通信も簡単ですが…)に傍受できます。ただ当然それを行えば捕まります。
日本の法律上で言えば、警察が犯罪操作に関わる傍受という条件下で承認を得ている場合のみ許可されているわけで。
つまり、ユーザーである我々は、gmailを利用しているときGoogle社がメールの内容を機械的にとはいえ検閲されている事は理解しているが、それと同じ事を携帯事業者にも、そのほかの通信事業者にも許可はしていないわけです。
当然、前述の内容は今回の圧縮問題とは直接関係がありません(サイトそのものがSSL通信している以上、その通信データが仮に圧縮されても通信の秘匿に影響はないので)が、通信事業者がなんでもありというスタンスで土管の部分でやりたい放題にできるということであれば、次の一手は当然販売する端末上での操作も想定されますから、もはや土管どころか、その手前から全て検閲される恐れが生じ、それを許容するという事です。
この問題、先日のレノボのSSL通信の改ざんと同じ話だと僕は感じていますし、そのレベルの問題として理解できないというのは、ちょっと想像力が足りなすぎると思いますよ。
よって、大いに意味がありますから。