何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

そもそもブロックチェーンの技術と仮想通貨は関係ない

 

三菱東京UFJ、独自の仮想通貨発行へ 一般向けに来秋:朝日新聞デジタル

技術的にも仕様的にも電子マネーとの違いがわからないし、どう考えても特定銀行に依存する時点で流行らないだろ。どこで使われる想定で企画したのか?そもそもBitcoinですら日本ではこの有様なんだが。法律見直しが先

2016/06/10 09:13

 

よんだ。

 

正直のこのあたりの話は私の周りでもいろいろ飛び交っていてうんざりするんですけど、一番いらつくのがブロックチェーンが採用されているという事で既存通貨や電子マネーを駆逐するとか意味不明な事を言い出す人が想像以上に多いこと。

 

ブロックチェーンとは技術でしかなく、それを採用して何を実現するか?という事が重要です。

 

で、何を実現するか、の部分で、いえば、電子マネーと仮想通貨にはそもそもは差異はなく、日本で電子マネーと明確な名称がついているのは単純に他国よりも資金決済に関係する法律が厳しく、その結果、いわゆる電子マネーと呼ばれるものや、仮想通貨と呼ばれるものの実現しているものが、そういった制約から他国と比較して部分的なものとなり、管理上区別されることが合理的なのでそうなっているに過ぎません。

 

実際、電子マネーと呼ばれるモノ、いわゆる発行主体として事業を営むのであれば、残高に応じた預託などの対応も必要ですし、当然、流通を行う為の市場との関係構築も必要なわけで、そういった部分の制約を現実的に解消し、現金の代わりとなるものを「電子マネー」と呼んでいるに過ぎません。

 

また個人間送金が可能となる、という話がありますが、そもそも現状でも個人間での送金が行えないわけではありません。ただ、日本の場合、法律の関係で現金または現金と見なされるものを特定の事業社以外が仲介する事を認めないという現実がありますから、結果、手数料の有無にかかわらず原則それらが実現していないに過ぎません。

 

一番わかりやすいところではPayPalあたりの機能制限であったり、クラウドファンディングの直接送金が実装されていないあたりがそれにあたります。

 

もっとも、法律もだいぶ改正されていて、少額であれば登録を行う事で銀行以外でも実現することができ、例えば「LINE Pay」のようなサービスも登場しました。

 

結局、何を実現するか?の部分の多くは、手段による規制があるわけではなく、単純に法律の規制がまだまだ多く実現されていないだけの話で、ブロックチェーンとはなんら関係はありません。

 

ブロックチェーンの登場によりかわる!みたいな発言を見ると、正直まずは採用する技術の理解からやり直して来るべきじゃないんですか?って伝えるんですが、本気で理解しないんですよね・・・。

 

目的と手段を逆転させるな、と何度も伝えても、最後には「そんなこと言ってるのは時代に着いてきていない事を自分で証明しているようなものですよ?」みたいな、いや、おまえに言われたくはないわ・・・と、もうなんとも言えない気持ちになります。

 

ブロックチェーン技術というのは、せいぜい新たな技術により、より効率的に、より厳格で、より客観的な管理が実現されるという事であり、それ以上でも、それ以下でもありません。

(効率的という部分は若干語弊がありますが、実現されたモノで比較した場合の意味)

 

別にそれが採用されなかったとしても仮想通貨を実現させることは可能ですが、仮想通貨の定義としては「特定の国家による価値の保証を持たない通貨」という定義に象徴されるように、「保証がない」事に対する明確な「保証する手段」を講じる事が課題となっていたわけで、それを合理的に実現する画期的な方法が「ブロックチェーン技術」だったわけです。

 

「ブロックチェーン技術=仮想通貨」みたいな発想は正直思考の停止でしかありませんし、ブロックチェーン技術を用いる事自体は別に市場の需要に応える事でもなんでもありません。

 

何を解消するのか?

どのように解消するのか?

その為に何が必要なのか?

 

これに全て回答ができる事が最低条件であり、この問いの後に・・・

 

それは誰が求めている事なのか?

 

と続くわけです。

 

※評価の順番は異なりますが、わかりやすく言えばそういう事です。

 

自分が求めている事が世の中が求めている事ではなく、仮想通貨が流行っているから、仮想通貨を乱立させればいいわけでもありません。

乱立させる時点で、そもそも市場と対話できていない事は明確で、もっと言えば、日本の特定銀行が発行するような仮想通貨がどこで使われるのか、海外でも使えるというならば、その保証や仕組みの整備はどの程度実現するのか?など、そもそもリリースではおおざっぱ過ぎて批評する余地すらありません。

そもそも海外で邦銀を利用したことがある方にはすぐに思いつく話だと思いますが、海外で銀行口座を作る際、よほどの事がない限り、海外事業になれている場合は、現実法人の管理口座としては邦銀なんて使いません。

手数料は高いし、対応は遅いし、UIは糞だし(まぁこの点は海外も一緒ですが・・・)、場合によっては日本側の支店に勝手に話が回るし、とろくな事がありません。

通常の銀行業務ですらこのような状況の邦銀が、海外も含め真っ当な流通を可能とする通貨など構築はできるはずもなく、そんな暇があるならまずは基本的な業務をもっと真っ当なクオリティでやりなさいよと私は思いますね。

 

まぁ、そんな感じですので、この手の話を「新技術による画期的な話題」なんてとらえるのはよくよく注意した方がいいと言うことです。