何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

ソフトバンクにも見られる後継者問題の難しさ

 

ソフトバンクの借金玉(有利子負債)、13兆8247億円まで膨らむ : 市況かぶ全力2階建

まぁ、ソフトバンクの課題は借金ではなく指導者稼ぎ頭ともに後継者がいないという問題よね。ヤフーは今期のEC展開が事実上最後の大規模なリビルドなので将来性は微妙で、且つ、最大利益のモバイルもそろそろ限界だし

 

まぁ、最終利益を見る限り貸し手としても貸さざるを得ない状況ではあるので、借金が膨らむのはそんなものかと。

 

一方で、目下の最大の問題は後継者問題であるのは投資家に限らず皆ここ数年心配している。

 

後継者問題には2つあって、一つは当然孫さんの後継者が育っていない事。

正直、ソフトバンクの業績の大半は孫さんの投資センスによるところが大きく、その源泉がなければ国内の糞大手と同じレベルでしかなかった。

ヤフー然り、モバイル然り。

だが、孫さんの後を継ぐべき人材はどうも育っているようには見えないし、先日の一件もあり、外部からの招聘もなかなか難しいと言わざるを得ない。

まだ数年はそれほど心配する必要もないが、元気な間に後継者にリレーしないと後継者の方も負担が大きすぎて辛みしかない。

 

もう一つは稼ぎ頭の問題。

これまでは明確にヤフーとモバイルの2本柱で引っ張っていて、どちらも時代の流れや打つべき手があり成長というものが実現できていた。

ただ、特にヤフーにおいては成長の要因は自社での内部投資(技術投資や開発により新たな収益を生みだす行為)による成長ではなく、ほぼ外部投資(既に存在するサービスやプロダクトを取得し自社の一部とする行為)によりもたらしたものか、リビルド(既に存在するサービスやプロダクトの再編により収益を増やす行為)によりもたらされたものであるため、会社自体が成長しているわけではない。

もっとも、リビルド自体は必要な事なので当然の行為なわけですが、これは本来同時に内部投資と両輪で行うべき事で、内部投資が上手くいっていない状況では限界がある。

正直ヤフーに関してはもうだいぶ前からちょっとした大企業病なのかな・・・と思われる節があり、早めに手を打たないとだめだろうなぁと感じていたのですが、数年見ている感じでは具体的な手は打てていないようです。

恐らくは生みだしている利益が大きすぎて簡単にはいかないというのはわかるのですが、にしてもちょっと楽観視しすぎかなと。

ヤフー単体で考えれば正直ぜんぜんどうでもいい話なんですが、ソフトバンクとして見ると陰りが見えると結構厳しい事になるのでそこも考えて動かないと死ねます。

 

モバイルについてはそもそも打てる戦略に限りがあるのであれなのですが、今後のスマホ需要の成り行きに任せるしかないという事は言えます。

現状は偶然にも景気が安定しており、総務省の活動による事業への影響などを見てもそれほど業績への影響はありませんが、景気が傾けば一気に崩れかねません。

そもそも通信事業の売上が右肩上がりを続ける事はないので、国内通信事業のみで考えれば成長は止まり一定の利益を上げる優良子会社でいてくれる以外にはありません。

が、ここも問題で、有利子負債が右肩上がりに増える会社なので、グループ全体では成長している事を常にアピールする必要があります。

そういった意味でも優良子会社というだけではだめで、高成長を続ける優良子会社でなければならないのですが、流石にそれも限界があります。

 

結局、孫さんの後継者がでてくれば現状の様な投資活動により稼ぎ頭を生みだし続けるという手法で問題はないのですが、それ自体が現状黄色信号なわけで、そうなると稼ぎ頭を内部的に増やすかまたは高成長を続けさせる必要があります。

もっとも、有利子負債を圧倒的に圧縮してしまう方法もあるのですが、返済額よりも借入額の方が多いのと、そもそもそういった方向に動くと市場が余計に警戒するのでそんな方向に舵をとる事も容易ではありません。

 

国内の起業家を見ても孫さん程のセンスの人はいないので、そもそも後継者なんて現れるのか?という問題があり、とりあえずもう後継者は現れないので、次の世代の稼ぎ方に今からシフトする方が傷口は浅くなるのではないかと思うのですが、孫さんの性格からいって自分が動ける間に院政のような動き方はしたくないと思うので、八方塞がりなんですよね・・・。

 

ソフトバンクに限らず、優秀な経営者からどうやってバトンを受け渡すのかという問題は結構国内では深刻な問題だと思います。

 

特にIT関連は時代と共に投資すべき領域の構成がめまぐるしく変わるのでそういった部分を面として捉えて動けるような人物でなければならず、これはもう個性というか天性の才能でしかないのでそういった人物を見つけ出す以外には方法がありません。

 

製造業でも後継者問題があるものの、個人的にはあれは環境の改善でなんとかなると思っており、それよりもIT系企業の経営者問題の方が問題なんだよなぁと思いつつ、まぁ、僕が生きている間にはまだまだそれほど深刻化はしないかな(次の世代はもしかするとバブル崩壊なみの不景気に見舞われるかも?)と無責任な感覚ではいるんですけどね。

 

そんな事を考えながら決算を眺めていましたよ、というお話でした。