何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

いや、根性論でも精神論でもなく正論でしょ・・・

 

志らく、児相の人不足指摘コメントに「数じゃない、心の問題」(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

なんで叩かれているのかわからん。人手不足は彼も問題だと言っているわけで。ただ、人手不足だからという理由で今回のような事件が起きてはならないよね、と言っているのだが、それは少なくとも間違ってないと思うが

 

どこをどう読んだら精神論や根性論になるのかと。

 

少なくとも人手不足であることは彼も問題だと認識しているし、それを根性や精神でどうにかしろとは言ってない。

 

ただ、人手が不足しているので毒親に不適切な情報を渡すというのはどう考えても間違っていると指摘しているのが、そのどこが精神論や根性論なんだろうか?

 

いや、現実的には、人手が不足したためにおきたのだろ?という認識は正しい。

ただ、大前提として、児童相談所がその対峙した児童それぞれに対して適切な対応をするというのは当然で、そのラインをずらしてはだめだろ。

 

人手不足という議論と、対応するクオリティというのは実際は2軸の議論。

 

極論言えば、人手が充足してもクオリティが低い事はある。

一般的に逆はないし、その逆を求めるのがいわゆる精神論や根性論だろう。

 

で、人手が不足している時にどのように対応すべきだったか、というのが今回の論点で、仮に人手が不足していたのでそれぞれの対応を雑にしました、となったのが今回の件。

 

で、この話しの論点は、児童相談所の性質からいって、その一つ一つの事案の対応クオリティを下げるという選択肢はそもそもないだろ?と言う意見で、別に精神や根性でなんとかすべきだったなどとはなってない。

 

当然、可能性としては人員が充足していればそれは起きなかった可能性もあるが、前述のとおり、それは可能性に過ぎない。

 

事件が起きた背景は「児童相談所として選択すべき選択肢を正しく選べなかった」というクオリティの問題がまずはあって、その選択が誤った背景には「人員の正しい配置やキャリア形成」と「慢性的な人員不足」の二つがある。

 

前者は結局のところ「異動」というものがある事と、そもそも児童相談所員を率先して選択してくれる人員が非常に限られているという問題があある。

後者については言うまでも無く労働者が不足するのはもうどの業界も大抵そうであって、その上で大変な仕事に対しては特にその影響が出やすい。

 

そういった点についていえば、児童相談所だけの問題ではなく、その他大多数の仕事でも同じだと思う。

 

その時に「足りない現実とどう向き合うか」というのは、業種や仕事内容により異なるのが当然で、ある業種ではクオリティを下げる事で処理数を上げるという選択肢もあるだろうし、ある現場ではクオリティを下げる事が許されないので処理数を下げるという選択肢もあるだろうと思う。

 

当然、これはセットにはなる問題だが、個々の局面ではそれは独立した問題として捉えなければならない。

 

実際問題としては不足している状況を生んでいる事自体が問題ではあるが、その行き着く先として、毒親に相談者の情報を提供するという選択肢が肯定されるべき理由があるのだろうか?

 

いや、1人で見るべき人が増えたから判断を誤ったという事はわかる。

わかる、が、だとしても相談所がその相談者の情報をその被疑者に提供するという選択肢は明らかに不味いし、それを「人手不足なので止むを得ない」などとできるなら、例えば警察がDVの被害者の情報を被疑者に提供したことも許容されるべきだが?

 

そんな事はないだろうし、それも許されない話しでしかない。

 

私も児童相談所に限らずそういった環境が非常に厳しい労働環境にある事は理解しているし、もっと人員やキャリア形成を正しい形で進めて欲しいと強く思っている。

 

だからこそ、そのような場所で、相談者、つまり弱者からの声を誤った判断をしたならば、それは単純にその事象として「それはダメ」と言うべきで、そこに他の理由を介在させてはダメだと思う。

 

精神論や根性論ではなく、それはダメだから正しい選択をするように働きかける事が大事であって、それぞれその事象として冷静に対峙することが必要。

 

その点を勘違いして「人手不足が原因だから止むを得ない」ような論調にしてしまえば、恐らくは仮に人員が充足してもクオリティは正しくならないし、それこそ弱者の声がいつまで経っても正しくくみ上げられない状況になりかねない。

 

我々がすべきことは、児童相談所という場所は、それだけプロフェッショナルで精神的に負担が大きく、対応する仕事の意義が有り、支えていかなければならないものであると認識し、その上で、そういった環境が適切に運営されるよう支持することだと思うが。