今巧く回ってんだからそれでいいだろ? - afurikamaimaiのブログ
現状が回ってるという認識は既に危ない。そもそも労働人口は今後も減り続けるわけで、現時点で支える側の負担が著しく大きい状況をそのまま放置すれば何れ崩壊する。前の世代が今だけを選択した結果がコレなわけで。
自分のコメントに自分で突込みを入れると、ひと世代前はまだまだ拡大・成長の時代ではあった、少なくとも昭和が終わる頃までは。
なので、成長を取るのか、それとも安定を取るのかという選択で言えば、ひと世代前というのは常に成長を取り続けた。
が、既に日本はそうではないわけで。
何れは少子高齢化という構造というか呼び方がなくなる事は容易に想像できるわけですが、そこに到達するまでの間、負担とコストのバランスが取れないとより状況は悪化する。
悪化すると言っても、時間軸に対して何も進歩も改善もないだけなので単純に今後も労働者がひたすら手数で頑張るという日本のお家芸を続けることになるわけです。
それ自体は「良いのでは」と思うかもしれないが、テクノロジーの進歩によりこの負担とコストのバランスはある段階で致命的に乖離する。
多くの場合、ある時点までは技術投資をしない方が(コスト効率は)よいわけだが、結果としてその分岐点までに準備ができない場合、そこからは著しくバランスが崩壊する。
今回日本が経験した「なぜ海外の事例のように日本では必要な人だけにそれぞれマスクの配布ができないのか」であったり、「運転免許の更新延期手続き自体を郵送または窓口でしかできないのは一体なんなんだよ」であったり「一連の手続きであるのにそれぞれの窓口でそれぞれ手続きをする必要がどこにあるのか」等、そのほかにもちゃんと世の中の事例を挙げれば定額給付金以前から手続きの改善が行われていない事は多数あるわけで。
今はまだ「郵送でもいいよね」「窓口でやればいいよ」といえる状況だが、それはある意味安価な労働力により負担とコストのバランスをとっているからに過ぎない。
回ってるわけではなく、回しているわけで。
その事実は自治体や裏方の仕事に従事する人達の非正規雇用者の割合を見ればわかりやすい。
この問題は定期的に議論されているので興味があればネットでも情報はでてくるので探してみるとよいと思う。
探してみると「あぁ結構な犠牲の上に今の事務は成立しているわけね」となるはずで。
トレードオフというのは、単純なサービス対コストで見てはいけない。
そういったサービスを構成する構造そのものを考え、それぞれの関係も整理した上で、いざトレードオフという概念を用いなければならない。
今の「とりあえずこのままで」という選択は、そういった安価な労働力、もっと言えば、搾取される労働力が窓口であったり、配送事務であったり、そういった裏方の仕事を肩代わりしているからこそ成り立っているという点は忘れないでほしい。