何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

ゼロベースで作る必要はない

 

「AWSって最近すごいらしいね?あれいくらで作れる?1000万くらい?」と聞かれたことがあるけど実際の価格はどれくらい? - Togetter

1000万でも作れるどうかで言えば作れるだろ。そもそも初期の受け入れユーザー数と提供サービスマップによるわけで。なぜ最初から最大規模を目指す。内部的にはOSSのカスタマイズでAPI制限すればそれなりにはなるわけで

 

これは企画職につく人間であれば持つべきスキルなんだけど、最初から何かを作るときに全てを完璧に作る必要はまず無い。

で、利益をどの段階でどのように出すのかという点も大事で、極論アウトプットがどのレベルのものであるのかさえ調整できれば中身はなんでもいいわけで。

 

例えば、ファーストユーザーに提供すべきサービスが4つしかないとすれば、その4つのサービスにだけ特化して初期投資すればいい。

当然だが構築基盤だって物理サーバー上であっても良いし、安価なクラウド基盤のAPIをラップしたライブラリを準備し再販してもよい。

 

ここで重要になるのは「AWSを作る」という言葉が何を目的としているのかという定義を共有できるかという話しで、それがサービスとしての話しであればスモールスタートで対応できるし、逆にプロダクトとしてのクローンとして話されているのであればOSS ベースであってもそれなりの工数が必要となる。

 

究極の事を言えば、AWSをラップしたサービスを再販したとしてもそれは「AWS的なもの」であるわけで、その場合は基盤ビジネスとしては儲けられないというだけであって、別にサービス全体では儲けがでるのであればそれでよい。

 

この辺の思考の整理と議論を交わすことについて日本人は本当に下手だと思う。

 

「AはAであって、それ以外はありえないでしょ」的な固定概念にとらわれる必要はないし、完璧である必要もない、むしろ最小限である方がランニングコストも安く、当然人件費も抑えられるわけで。

 

私はよく「今○○ってサービスが広まりつつあるんだけど、あれいくらで作れる?」という恐ろしい相談を受けるわけだが、その時はだいたい下限から上限まで相当な開きのある基準を示す。

 

極論言えば、ただのクローン的なサービスが提供できれば良いだけであれば3ヶ月程度でリリース可能だし、UIも(自社の)既存サービスのデザインの焼き直し程度であれば良いのであればコストも抑えられる(同じデザイナー/コーダーの方に発注しますからね/それでも数十万は掛かりますが・・・)。

 

私が今提供しているサービスの一つなんか、最初は1枚の画面キャプチャと先行企業のサイト上の文言しかなったわけで、そこにビジネスモデルの整理、目指すべき到達点とそこへの道筋を立て、実現性や可能性を分析し企画化するか否かの判断も含めて行うのが企画屋というものです。

 

もっとも問われた人自体が「いや、ぼく、ただのプログラマーなんですが・・・」という話しであればそれは聞くべき相手を間違ったという事に過ぎないかと。

 

全てを理解して上で「1,000万円で」という人もどうかと思うが、それを含めて聞いているのであれば「1,000万円という制限であれば」という話しをするのが建設的な議論というものではないだろうかとは思うが。