何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

だったら給与所得控除も廃止になるのですが・・・

 

「都内出るだけで1500円」富士通が通勤定期券代の支給廃止…土日や終業後に東京で外出・消費をする生活はし辛くなっていくのか?

なんか自宅を仕事に使えば家賃や電気代も経費的な事を言っている人多いが、仮に経費算入させるとしてもそれは業務上使った相当額のみで、且つ、帳簿付けする義務が生じるのだが果たして彼らはそれができるのかどうか

 

この手の話題がでると直ぐに「自宅を無償で提供するのは不公平だ」とか、「経費をこちらに負担させている」とか謎な理論を持ち出す人がいる。

 

そもそも給与所得者は一律の割合で所得税控除が適用されており、これは個人事業主のような自ら確定申告を行う個人との違いがある。

 

2020年からは基礎控除額が48万円に改訂され、一方で給与所得控除額が55万円に改訂されたため、単純な額面上では給与所得控除の方がメリットがあります。

ただ、当然ですが個人事業主の場合、全ての報酬から必要経費を一定の額(なお、全額ではない)を控除でき、且つ、青色申告や近親者の労働従事等の仕組みを利用する事で55万円以上の控除額を適用する事は現実的に可能です。

 

但し、それが無条件で適用されるわけもなく、当然ですが最低限帳簿付けと申告作業は必要なわけで、そういった事務作業の費用は自己負担です。デジタル化が進み、会計ソフトも安価に利用でき、データの管理も簡単になったとはいえ確実に労務時間は増加します。

 

仮に在宅業務で行うわけだから経費処理を行いたいというのであれば、例えば会社との間で報酬契約等とし給与所得として扱わない方法もありますが、おそらく「在宅なんだから電気代も通信費も住居代も適正に負担すべきだ」と何も考えずに言う程度の人には対応は難しいかと。

 

また、仮に報酬扱いで確定申告するとしてもそもそも全額が経費に算入できるわけでもなく、又参入したとしても結果として支払額に影響する金額は限定的(経費はあくまでも売上から減算できるだけであって、最終的な控除額はその結果の利益に対する割合なので影響は限定的)です。

 

正直、年収350万とかそのあたりだと余程経費に詰め込まないと給与所得控除以上のメリットは得られないと思いますが。

 

なお、映画やドラマのように何でも経費に入れるようなことはできません。

実際には申告自体はできますが、普通に1〜2年ほどたった頃に突然お呼び出しの手紙が入っており、最寄りの事務所で延々と確認作業が行われます。といっても大抵は「その額は適切な申告額ではないので修正するか、その修正に応じられないのであれば審判所あたりで争う事となりますが、そこまで戦える人がどの程度いるでしょうか。

 

なお、どれくらい面倒かというと、私ですら「いや、これ、マジ面倒だわ」というレベルです。

 

何に使ったのか、どの程度使ったのか、それは営業行為に関わるものなのか、等個々に中身を検証され説明を行い、大抵の場合「あー、それはダメですねー」的な回答をされますが、そこで「いやいやご冗談でしょ」と何度も何度も押し問答をしても大抵は壊れたスピーカーのように相手は受け入れません。因みに以前も書きましたが、私の場合は税務署で事前に数回相談して経費扱いの確認をしていたにも関わらず申告後に「ダメ」と言われ、その点の資料も見せて税務署側も事前相談時の不手際を認めたにも関わらず、それでも更生するしかないというレベルですから、素人がダダこねても無理なレベルです。

 

そういった対応も当然自己責任で全て対応する事が必要なわけで、皆さんが思うほど個人事業主は濡れ手に粟なわけではありません。

 

その他にも社会保険関連の手続きも変わりますから、例えば厚生年金等の会社負担も無くなる事を考える必要が有るなど、失うモノは少なくありません。

 

結局のところ、給与所得控除という武器を失った上、面倒な事務手間を引き受ける人であれば経費を何でも事業コストとして処理する勇気を持つべきですが、既に一定の割合で税制優遇を受けているにも関わらず、さらに費用も個人事業主レベルで処理されるべきだというのは、明らかに異常な考えである事に気づくべきですし、税の公平な負担の観点からも、それであれば給与所得控除は廃止した上で全員確定申告にすべきだと私は思いますが。