何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

学費の無償化と大学制度の変更

最近奨学金制度について議論が盛んなように思える。

自分も奨学金をもらった身なのでいろいろと思うところはある。
(ちなみに、ちゃんと返済してますよ。あと数年かかるけどね)


奨学金を返すべきか否かの議論にはあまり興味がないのですが、むしろ無償化するならばという点で、権利と義務を正しく理解してほしいと思う今日この頃。


まず日本の現状の大学は卒業までに大学卒業レベルの専門的な知識を習得し、卒業後のプランを立てている学生は非常に少ない。就職難や不景気等いろんな理由は確かに学生たちにとってマイナスではある。でも、それはいまさら言っても、もう変わらない。だったらもっと学生生活の数年間に他人と差別化できる何かを習得し、それで戦うべき。


一方で、企業の方の採用制度も問題がある。

単純な大学をランク別した振り分けや、さして将来的には大差を生まない書類審査、最後は派閥関係者の優遇等。

日本企業が大企業ほどどんどん落ちぶれていく最大の理由がここにある。


日本の大学制度の一番の問題は、みなさんがご存知の通り、入学こそすべてという点にある。高校生の一番多感な時期に、大学に入るという人生で2大関門(もう一つは就職)が来るので、最大で3年間をその為に浪費する。

そして、入学すると人生の春として、少なくとも2年間はふわふわした時間を過ごす学生が非常に多い。

※もっとも、今でも在学期間に素晴らしい研究や勉強、体験を積み上げる学生がいるので、そういった学生はこの中にはもちろん含まれない。

私は、学費そのものは無償でもよいと思う。
一方で、大学の入学制度も変更し、なぜその大学に進学するのかという事で選抜すべきだと思う。

東京大学に入るのは、東京大学が日本で一番有名で頭がいい人が行くからです』

こんな学生がどんどん増えているので、日本はアジアの中ですらどんどん遅れている。世界がどうだとか言っているレベルではすでにないし、もう、アジアの中でもトップではないのだから。

2009年ごろから話題になっているハーバード大学への日本人入学者数の減少の問題だが、2010年の入学は1人、その後は0人の年もあったらしい。

大学ランキングで周辺国は順位を上げてはいない。
これは、周辺国では日本よりもグローバル化が進んでおり、国内大学よりも海外の大学への進学が年々上がっている為でもある。

単純に大学ランキングで日本がアジアで最高位だから、日本はいまだにアジアのトップだと誤認してはいけない。もう周辺国は自国の中の争いから、世界の中での争いに移っているのだから。

なお、このハーバード大学は、年収が少ない家庭からの入学者は学費は0円だ。

当然、「そんなのは頭のいい大学だからだ」というかもしれない。でも、勉強をしたいという欲求で大学に進学したいのであれば、こういうことになる。
もっとも、ハーバード大学以外でも成績による学費の免除は沢山ある。勉強をしたい欲求から進学するのであれば、自分が学びたい分野に強い大学で、且つ、制度の整っている大学を選ぶという選択肢もある。

 

学生はなぜ大学に行くのか?

企業はなぜ大学卒業の人材を獲得するのか?



学生はおそらく「大学を卒業しないと就職できないじゃないですか」というだろうし、企業は「大学卒業もできない人材よりも大学卒業をした学生の方がいいじゃないですか」とうだろう。

この回答からわかることは、結局大学生も企業も同じレベルで環境をゆがめているという事実だと思う。

学生には、学生時代にしかできない「学ぶこと、得ることに没頭する」この大切な機会を逃さずに自分が勝負できる何かを見つけてほしい。
その為には、大学に入るための努力を高校生の間にするのではなく、自分が将来何をしたいのか、どんな自分になりたいのかという事を考える時間として、私は高校生活を送ってほしいし、そうあるべきだと思う。

学費を無償化し、学ぶ権利を得るというのであれば、かならず義務が生じる。
この場合の義務は当然学ぶこと。
誰かのお金で学生生活を送るわけであって、残念ながら自分の努力ではない。
将来社会にでて税金を納めればまた人を支えることができる。
無償化するということは、自分が誰かを支えるところまでいかなければならない。

だって、自分のお金で卒業するわけではないのだから。

そして、無償化して自己中心的(つまり、遊んで単位が足りない等)な理由で卒業しなかった学生は当然学費を返済させるべき。もともと学費を免除する条件は学ぶ欲求を満たす為なのだから。

この制度を正しく機能させるためには、大学の卒業基準を今のような低いレベルではなく、入学時の学びたい欲求をもとに何を得たのかという明確な基準に変更すべき。

普通に学びたい欲求で進学し、そこで必死に4年間学べば十分他人に誇れる何はつかめるはず。

残念ながら、学生が今のようなレベルで大学卒業という感覚を持ち続ける限り、企業側は現状と同じような単純なフィルターとしての意味合いでしか学生を選別しない現実は変わらないと思う。

当然、企業も変わるべきだが、企業を変えるというのは難儀な問題で、政治や制度だけでは難しい。

だからこそ学生から変わるべきだと思うし、その為の大学の制度も変える事で、それを見る企業の採用基準も変わると思う。

今後の日本や世界を背負うのはこれからの若い世代であって、僕ら30代が現役として支えられるのはあと10年~20年しかない。
できればその間に大学や高校の制度が変わり、学びたい学生が自由に学べる制度に変化してくれることを望む。

その為の選挙でもあるとおもう。