何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

ビットコインの抱える課題

ビットコインが叩かれてるけど、はっきりいってマスコミの人全然理解してないな。。。 | ホリエモンドットコム

マスコミが理解していないのは同意だが、『通貨』として個人の財産の構成要素のもっとも基本となるものがなんら保障されないものであるという点は『通貨』を呼称する上で非常に危険な要素。銀行ですら破綻するわけで

 

まぁ、いろんな人がいろんな角度から議論しているわけですが。

 

今回ビットコインに生じた問題。つまり、管理会社が破たんまたは信用できない状態に陥った場合、その所有者が一身に不利益を被り、国家・発行元主体を持たない以上なんら救済されないという点は、既にビットコインの誕生から常に議論されている事なわけです。

 

で、一番の問題は、そのリスクについて理解しえない人たちまでが容易に手を出せるところまで来ているという事。

 

基本的に『通貨』と呼ばれるものは、対価として共通的に交換に応じる事が可能なモノであれば理論上『通貨』と呼ばれるに値するとは思います。

ですので、ビットコインは既に『通貨』と呼ばれるには値するものではあります。海外ではピザも買えますし、ホテル代も払えます。恐ろしく対応しているところは少ないですが・・・

 

ただ、こと日本国内においては非常に微妙な位置づけです。

 

海外に行く機会が多い人は既に理解していると思いますが、『電子マネー』が日本ほど普及している国はおそらくないでしょう。

ヨーロッパではいまだに小切手が普通に利用されていますし、小切手の仕組みを電子化するという事まで行われています。

アメリカ方面では言うまでもなくカード文化が主体で、電子マネーのようなモノが市場を奪う余地はありません。

もっとも、日本以外ではデビットの仕組みがすでに普及(日本のデビットはJデビットで海外のそれとは別物です)しており、銀行口座さえあれば決済できますという事もあるんですが。

せいぜい海外の電子マネーは公共交通機関での決済(つまり、電車やバスのようなものの乗車券の代わり)程度でしか利用されません。多少コンビニで使えるようなものもありますが、日本のように様々なものが乱立しシェア争いをするほどのものではありません。

 

日本の場合は、インターネットにおいても先進国(ガラパゴス的であったか否かはさておき)という地位にあったにも関わらず、カードの対応率の悪さから、それを補う何かが普及する必要がありました。

ただ、カードというものの危うさ(カード自体の管理云々ではなく、後払い方式、つまり一時的に見えない負債を抱えるという仕組みの事)になじまない人や、代理店手数料の高さ、審査の厳しさ等、いろいろな点でカードが普及する事を阻害する要因が多く、結果、より簡単な電子マネーが普及したという事に過ぎません。

 

一方で、日本でいう『電子マネー』は前述の『仮想通貨』とは異なります。

 

電子マネー』は、あくまでも日本銀行発行の『円』をインターネットに限定せず、電子的な方法で代用する事が可能なものです。

つまり、発行主体者も明確で、その管理方法、その管理者を管理する主体者も含めすべてが明確です。

ですので、例えば、発行主体者が破たんした場合どうなるのかという点についても、月末時点の残高や発行方法、利用形態により法の規制を受け、その結果、利用者が自身の財産を失うようなリスクは限りなく低いのが実状です。

 

ビットマネーはというと、発行主体者が存在しませんから当然管理者も管理するすべがありません。ですので、そもそも破綻したとしても誰も救済しませんし、極論言えば、法的な規制を受けないものである以上、預入した先の人が奪いとったとしても誰も制限はできないわけです。

恐らくこの部分には反発する人がいるとは思うのですが、冷静にインターネット上のサイトやサービスの約款を読んでいただけるとわかると、原則、免責事項というのが設けられており、やむを得ない事態の場合は、サービスそのものを補償しないという事は定義されています。その為、そのやむを得ないとは何かという事の定義があいまいである以上は、預入した資産が保護されますというのも、相手を信頼できるか否かという非常にあいまいなものにすがるしかなく、『保護』や『補償』以前の次元なわけです。

 

つまりの所、『電子マネー』や『クレジットカード』のような手段とビットコインを現時点で同格で比較すること自体が無理なんですね。

 

ただ、ビットコイン側の事情としては規制は受けたくないが一般化してほしいというジレンマがありますから、結果的に、リスクは利用者が負うという結果に至っているわけです。

だって、普通に信頼を得るだけであれば信託保全なりなんなりすればいいわけで、それをやらないってのはそんな負担を負う気はないよとはっきりいっているわけで、つまりはリスクは利用者が負うものだから(にやり)といっているわけです。

 

まぁ、利用者も勘違いしてはいけないのは、ビットコインが素晴らしいのはその仕組みそのものであって、ビットコインを取り巻く環境ではないという点です。普通に考えれば、取引を行うだけであれば別に匿名性なんて全然必要ないし、むしろ、クレジットカードや電子マネーのように保護制度があるものの方が安心して利用できるわけで。

 

じゃーなんで使う人いるのというと、別に使っている人はそれを安心した決済手段としているというよりも、投機対象として見ている人の方が多く、その結果、価値が急騰したりしているわけですので、その点、ちゃんと見極める必要があります。

 

ヨーロッパの通貨危機もそうですし、中国富裕層の資産の迂回問題についてもそうですが、日本にいるとわからないいろんな問題が世界にはあって、それらを上手く補ってくれたものがビットコインだったというのが一番の理由で、それ以上でもそれ以下でもありません。

 

ちなみに、日本以外の多くの国では、個人が個人にお金を送金する事に日本ほどの規制はありません。なので、別段ビットコインなんか使わなくてもPaypalでも匿名送金は可能ですし、手数料もかからずにやり取りが可能(但し、個人間に限った話だったはず)です。

なので、冷静に考えれば、必死にビットコインに頼る必要もないんですけどね。まぁ、あくまでも手段の保管という意味だけで論じればという前提条件が付きますが。

 

いずれにせよビットコインが抱える最大の問題は、この仕組みをより一般化させるか否かという究極の選択と決断を誰も行えないという不幸なんじゃないですかね。