何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

たいていの人間は時間の切り売りをしているんですよ

人生の時間を切り売りするということ by 仲 暁子

この人は本当にダメだな。ティッシュ配りを遠回しに否定しているがそんなものは人によるでしょう。そんな定義で差別するのであればあなたのサービスも大半の人には無駄ですよ。そういうことだよあなたの言い分は。

 

いやー、転職・人材紹介系の会社の代表者とは思えんね。

 

じぶんも近いところでは1年程ベンチャーのHR系の会社にいたんだが、内輪ネタ以外でオープンにこういう発言する人いるのね。

 

非常に残念だが大半の人は時間の切り売りをする事で生計を立てている。

もっと言えば、本人が望まなくともそうせざる得ない。

いろいろな事情がある、当然、本人の怠惰によるものもあるだろう。

 

が。それは結局本人がその環境を体験し、その結果どう考えるかという事。

 

言わんとすることはわかるし、その為にあえて経験談(自信の体験の中での気付き)を元に相手に伝えようとすることはわかる。

 

だが、仕事=すべてが創作的で独創性に満ち溢れていると考えているのであれば、あまりにも稚拙すぎるし、転職、人材紹介業務に係る人間としては私は失格だと思う。

 

仕事は夢や希望の形の一つであると同時に、非常に現実の一番人間的な部分を移す鏡であると思う。非常に生々しく、きれいごとだけでは片づけられないし、にもかかわらず、人生の時間の大半を投資しなければならない。

 

恐らく、人によっては、家族や自分自身の時間よりも仕事に人生の時間の多くを費やさなければならない状況にある人もいるだろう。

 

その仕事は、前述のとおり、必ずしも創造的で独創性に満ち溢れ、常に輝かしいものではない。糞つまらないことから、胸糞が悪くなること、楽しい事、つらい事、ためになる事、時間がただ浪費されるだけの事いろいろなものが『仕事』という文字には詰まっている。

 

自分自身の気の持ちようではあるが、それ以上に『仕事』というものは残酷で、それだけでは乗り越えられないものも多い。

 

私自身、相当恵まれた状況にいるとは思うが、それでも必ずしも自由なわけでもなければ、望んだ事を望んだようにできているわけではない。

 

HRに係る人間は私はきれいごとを言う人間あってはならないと思う。

 

転職も、離職も、就職もすべてが喜怒哀楽を内包し、楽観する事は出来ないし、心地の良い環境というのは、言い換えればそれだけ何らかの制約(例えば、その信頼を裏切ることができないであったり、そのムードを崩す事が許されない等)も存在する。

 

転職や離職をする人には、きれいごとだけではなく、現実も説明し理解してもらう必要があるし、新しい職場を選ぶにあたっては、自身を顧みる事をしっかりと教える事も非常に重要になる。

その中で、自信が前向きになるという事は大切なファクターではあるが、そればかりを推し進めると、転職者のうち一定の割合の対象者は次の職場ですぐに離職してしまう。

 

非常に単純な話。現実と理想のギャップに耐えられないんですよ。

 

ティッシュ配りの中で創造的な何かをつかむ人もいるだろうし、いないかもしれない。

だが、働くというのは、創造的な何かがなかったとしても意味はあるし、無駄ではない。それだけ働くという事には様々な意味があるし、対価を受け取るという事はそういうことで、その為には、必ずしも前向きでなければならないわけでもない。

 

無理に働くことに価値をつける必要などはない。自分に無理に負荷をかける必要はない。負荷は自然とかかるものだし、その負荷に満足できない人間は、より自分を成長させる可能性のあるフィールドを求める。常に自ら無理をする必要はない。

 

もっと言わせてもらおう。成長する人間は、前向きでなくても成長する。

前向きであることは悪くはない。だが、だからと言って、前向きであるほうがいいよね!というのは安易すぎだ。

後ろ向きでも成長する人は成長するし、保守的でも、内向的でも成功する人は成功する。成功した人には学生時代に変わりものだった人もいる。だがそれも成功してしまえば『一流』といわれるが、そうでなければただの変わり者。そんなもの。

 

私はよく、人事・労務、転職、人材紹介業務に絡む人間が『楽しみましょう!』という風潮は少し違和感を持つ。楽しめない人間に無理をさせる必要はないし、充実感が得られないからと言って問題になるわけでもない。会社への貢献は様々な形があるし、ある形でなければ貢献とみなされないわけでもない。

 

楽しんで仕事をやれる事を否定はしない。だが、それがさも正しい事で唯一の価値観のような風潮を作り、それ以外の可能性や選択肢を排除するような考え方はすごく世界観が狭いし、稚拙すぎる。

 

社畜だっていいじゃない。会社での生活があなたにとって、それ以外のものよりも優先順位が低いならば仕事で別に無理をする必要はないですよ。仕事なんてそんなものです。

 

別にいいんですよ、金曜日までの日付や時間をカウントする毎日でも。だって、仕事よりも楽しいものが週末にあるんだから。

 

そんなに人生必ずしもバラ色ではないし、世の中の多くの人はだいたいそんなもの。無理をすることも、えらくおしゃれな理由をつける必要もない。

 

自分が楽しいと思う事、自分が大切と思う事をしっかりと理解し、それらと、仕事、家族、自分のバランスをちゃんと取れればそれが一番いいと思うよ。