他の園が引き取らなかったわけで動物園に選択肢なんてないよ。仮に既存の動物で運営するという事は利用者数が減る事も想定する話でそれは全ての動物を同じ境遇に追い込む事。本当に救いたいなら市民がお金を出すべき
読んだ。
確かに相当クレイジーな流れだし、それ以外に方法がなかったのかと思う事は事実。
ただ、だからと言って一方的に批判するというのも意味が分からない。
記事によれば引き取り手がいないか探したがいなかったと。いない状況でやむを得ない選択しとして行ったと。
そもそも、ライオンを入れ替える必要（新しいライオンを迎える為に、既にいるライオンを犠牲にする事）があるのかというのは確かに疑問で、なんでだろう？と思うんだけど、そうせざる得ない事情があったんだろうと思うしかない（いかんせん地元の話でもないし、知るすべもない、知るすべもないものを一方的な想像で批判するのもねぇ）。
想像できる理由としては、一つは交配上の事情かもしれない。
例えば、文面から読み取ると、キリンの時も理由はこれ以上の近親交配を避ける為ということだった。で、今回のライオンも。
あまり動物園の運営の事はわからないが、外部から動物を受け入れる（つまり貸与又は購入）よりも、園内で数を維持する方が負担は少ないのだろうとは思う。その為、ある程度の歴史がある動物円であれば、可能なものは園内で行っていたのだろう。
その結果、近親交配が続き、その結果起きうる事態を回避する必要に至ったと。
近親交配そのものの危険性を問われても、なんとなく問題（倫理観ではなく、遺伝的問題や何らかの事情も含む）があるのかな程度で、実際のところよくはわからないが、ウィキペディアの説明によると、やはり好ましい事ではないらしい。
近親交配
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%91%E8%A6%AA%E4%BA%A4%E9%85%8D
先天的な病気や障害云々については、偶発的に起きるものはやむを得ないもので、当然その事そのものをどうこう言う話ではない。
一方で、動物園の運営として、意図的に近親交配が繰り返され、その結果、そういった事が多発する可能性が高くなっている状況であれば、少なくともその状況を改善するという事は倫理的にも必要だと思う。
寧ろ、危険性が高くなっている（又は、既に問題となっている）のであれば、その状態を放置する事の方が倫理観としてはいかがかと思う。
当然外部の動物園と同種又は異種間でもいいので交換するなどの対策が取れれば、一番良いのだろうが、おそらく、その事情を知っているほかの動物園が引き取らなかったのではないかと想像する。
とはいえ、ほかの動物園もいろいろと思うところはあるだろうし、税金で１００％運営してあげるなどの担保がないと、さすがにあらゆるリスクをノーコントロールで受け入れろと言われてもそれは無理だろう。動物の為に園で働くスタッフ全員路頭に迷ってくれという事は、少なくとも同じぐらい非道な事だ。
で、結果的にこのような事態に陥り、市民だけでなく、全く関係のない世界中から批判されると。
ただ、そんなにみんな同情するなら一人毎年１万円でも出してあげれば３０年ぐらいは存命させる事もできたのではないかと思うんですよね。
当然、そういう問題でもないわけだが、ただ、現実問題として、そういう解決策もあったはずなんですよ。
一方で、そういった選択がされた場合にも問題は残る。
恐らく問題になるのは、こういった表に出ているものは氷山の一角で、同じような事情は山ほどありそうなので、そのたびに同じような対応、つまり、自分のお金を提供し続けるという行為を続けられるかという事なんです。
他人の問題には挙って批判をするんだけど、いざその事を当事者としてかかわり、その問題が新聞記事のようにただ一時の話題ではなく、その動物、動物たちが存命の間常に経済的負担を負う事となり、その問題から逃れられないという事になるとなれば無責任な批判者はどの程度動くのだろうか。
どのような事情があればかわいそうなのは間違いない。仮に、生きていた場合、ほかのライオンに襲われる事がわかっているとしても、だとしても、その前に殺してしまう事の問題が消えるわけではない。
ただ、それ以外の選択肢を提供できなかったのは結局はその周囲の人間であって、動物園が介入を拒んだとしても、状況を打破するためにはそれをどうにかするしかない。
こういった問題は日本でもちょくちょく起きている。
いつも書くことだが、きれいごとだけでは解決しない。
汚い部分も見ないといけないし、意見が合わない人がいる事もちゃんと理解しないといけない。そういったものを、片っ端から批判し、軽蔑し、対立するだけでは何も解決しないし、むしろ状況は悪化する。
この問題はすごく遠い話のように聞こえるが、そんなことはない。
正に今の日本でおきている、それも一番深刻な問題そのものだ。
このキリンやライオンのような事が自分たちの無自覚な行動で今まさに起きているという事を自覚できている人がどの程度いるのだろうか。
