何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

今までの"はてな"とこれからの"はてな"

はてな運営、動く

ただ単に煽る・叩くだけの記事は内容に正当性があってもあまりよいイメージを与えないからね。アプリ経由で旧来のはてなユーザーとは違う層もせっかく増えている訳だからこの辺はどんどんやった方がいいと思う。

 

よんだ。

 

いろいろ背景があるようだけど、個人的に最近感じている事を簡単に。

 

まず、去年ぐらいからはてなにとっては大きな転換点にきているのではないかと個人的には思っています。

 

そう感じるのは1つはBtoBのサービスに着手した事、もうひとつは本格的にネイティブアプリ経由でキュレーションメディア事業に進出した事の2点です。

 

まず、1点目ですが、これははてなにとっての可能性の探求だと考えています。

 

異業種・異分野への挑戦は、実はここ10年ぐらいいろいろな企業がチャレンジしていることです。

 

ただ、通常のケースでは事業種の将来性や競争の激化により、事業継続・安定性の観点からそういった行動に出る事が多いのですが、はてなのケースは、そういったものも含みつつ、内部にためたノウハウを活用するといった目的で、どちらかというとそういった技術的バックボーンを生かした新しい事業領域を開拓する事が可能なのかという部分を探求しているという感じの動きに感じます。

はてな自身の事業状況については存じ上げませんが…)

 

もともとはてな自体はかなり様々な方面のサービスを作っており、その中で、所謂バッドノウハウも含めネットベンチャーの中でもかなり濃い経験をしているのではないかと思います。

(おそらく非上場のネット系企業の中では、立ち上げたサービスと葬ったサービスの数は1番じゃないですかね)

 

同じネットベンチャーの多くが、コンシューマー向けのサービスやアプリにより特化している中で、逆にそういった企業やサービスを支援する方向に動くのは、ある意味賢いと思います。

 

というか、この動き、海外ではここ2〜3年かなり積極的にこのようなタイプの新しいサービスが立ち上がっている状況ですので、実際はそれほどびっくりするような動きでもないのですが、日本の中ではかなり特異なケースにも思えます。

(昨年日本でも10件前後同様のものはありますが、はてな規模の会社が突然異分野に着手するというのは結構珍しいケースです)

 

一方で、はてな自身がBtoBのビジネスについて、それほど多くの経験は有していないであろう事はリスク要因の一つかなとは感じています。企業相手と個人相手では追うべきリスクがやはり違いますし、提供すべきサービスの品質も当然異なってきます。ただ、ターゲットとする相手がフットワークの軽いベンチャー系であったり、ネット系企業であったりを想定しているのであれば、それらはそれほど足かせにはならないので、そういった意味で「mackerel.io」というサービスはファーストチャレンジとしてはよい選択だったのではないかと感じています。

 

もっとも、この系統のサービスは、海外系のサービスやそもそもOSSであったりとかなり枯れている領域でもありますから、どうやって収益化するのかというのはかなり興味が有るところですが。

 

 

2点目はいうまでもなく「Presso」のリリースです。

 

このアプリケーションそのものはこれまでのはてなユーザーからするとそれほど目新しいものもなく、一番話題になったのは「アルゴリズムが不明」であったり「広告位置がうざい」であったりだったかと思います。

 

ただ、はてなサイドにたってみると、このアプリの最大の目的は既存ユーザーではなく新規ユーザーの開拓にあると感じています。

 

はてなは、これまである一定の領域や層のユーザーに熱烈な支持を得ていましたし、いまもそれはかわっていないと思います。それは、良くも悪くもはてならしさによるものであったと思います。

 

私の場合、コンサル的な業務の場合は非IT系の人と接しますし、一方でアプリの企画・開発である場合は当然IT系の人と接する事が増えます。

前者の方に「はてな」であったり「Qiita」の名前を出しても打率でいうと1割を切る程度しか知らないのが実情です。

一方で、どうようの話を後者の方に振ると、4割〜6割ぐらいの方が知っている又は使っているという状況であると感じます。

 

この事自体はそれほどはてなの運営に影響はないのですが、一方で、今の時代の流れを考えるとリスク要因の一つになってくるのは否めません。

 

残念な事に時代の流れはこれまでのパソコンメインではなく、スマホメインに切り替わりつつ有ります。

ここでいう「メイン」という表現ですが、短絡的に台数が減った・増えたということではなく、情報へのファーストタッチがどこを経由しているかという部分や、情報の拡散が何を使って行われているかという部分をさしています。

 

TwitterFacebook、何よりもLINEという存在により、情報を得る方法や発信する方法がこれまでのブログからそれらの新しい媒体にシフトしているのは言うまでも有りません。

そうなった場合、いままでのはてなの形では限界がありますし、アプリとして提供されていたこれまでの「はてなブックマーク」アプリでは新規ユーザーから見ると取っ付きにくい点があるのは否めません。

はてなを知らないユーザーが「はてなブックマーク」アプリからいきなりはてなユーザーになるという導線はかなり無理が有るかと思います)

 

良い意味でも悪い意味でも、はてなのサービスやアプリは男性的であるのは否めません。

 

SmartNewsであったり、Gunosyであったりと、新興企業のサービスが勢力をのばしているのは明らかで、仮に利用者数が減らないという状況であっても、その影響は1年後、2年後と徐々に出てくる事は明白です。

 

おそらくはその部分の事業を廃れさせない為の「Presso」であると私は考えています。

 

その為、これも推測に過ぎませんが「Presso」そのものの改修は「はてなブックマーク」のそれとは異なる指針で行われると思われます。

それが、既存のはてなユーザーから見た場合にどう映るかという点は課題になるとは思いますが、おそらく、この部分は割り切りで、既存ユーザーは「はてなブックマーク」アプリを使う事で、ある程度のストレスは回避可能という判断もあるのではないかと思います。

 

というよりも、はてなユーザー自体は与えられた道具をどう使うかはだいたいの場合自分で考えますし、どちらかというと運営が想定している以上の無茶な使い方もしてるように思えますから、サービスに"あそび"を持たせておけば何とかなるだろうとと思いますしね。

 

この部分は完全に妄想に過ぎませんが、自分だったらそういった舵取りをするかなと考えています。

 

いずれの話も、新しいはてなユーザーの獲得という話になるのですが、ここではてなの一番難しい問題が出てきます。

 

これまでのユーザー層の偏りから、極端な事を言えば、2ちゃんねる並のやり取りがトップ記事として扱われるという事です。

はてなユーザーからすればそれはもうあたりまえ日常でしかないのですが、新しくはてなに触れたユーザーからすると少なくとも心地よいと感じないユーザーもいるでしょう。

 

そういった事業の方針にそった形で、運営時の判断においてもこれまでとは少し違った形の動きがでてきているのかなとは思います。

 

ただ、基準がかわったわけでは無いと思います。

 

体制を強化・調整したということであったり、曖昧な部分を明確にするであったりと、これまでのサークル・グループ的な感覚の運営から、一歩踏み込んだのではないかと思います。

 

もっとも、たまたまそういった話が最近ちらほらでてきて、自分が感じていた事とマッチしている状況であったので記事にしましたが、2〜3ヶ月たって「やっぱり平常運転のはてなだったか」とならないとは限りませんから、まぁ、いつも通り眺めるしかないとは思いますが。

(それはそれで"はてな"らしいといえばそうかもしれませんが)

 

個人的には"はてな"という会社の位置づけはかなり難しく、上場するにはタイミングを逸しており、おそらく中に上場ゴール以外の目的では必要性がほとんどないでしょうし、かといって、無理に事業拡大の為に出資をうけるようなステージでも無いと思います。

上場ゴールというのは事業の墓場でしかないのですが、その一方で、競争という点においてはよほどの高収益化がはかれないと、10億単位の出資が年間2桁に上るいきおいで出てきている中で、なかなか単独企業がそれと戦っていくのは難しいかなともおもっています。

 

最終的には営利企業であるという点はさけられないので、その点も含め、個人的にはこれから2年の間にどうかわっていくのかなと期待と不安を覚えつつ、いちユーザーとして歩んでいくのかなと考えています。