何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

スギ花粉と林野庁の件

 

スギは毎年1600万本も植えられている 花粉症が今や「国民病」といわれているのに : J-CASTニュース

これスギ花粉だから影響の少ない品種に変えろっていってるの?一方で、それ以外の花粉やそれに類する病気あるんだけど、それも全部国費で品種改良するんですかね?根本原因は別にあると思うんだけど。僕も花粉症だが

2015/03/13 11:58

 

よんだ。

 

これさー、どの程度裏とってるんかね。

 

まず、そもそも植林されるスギの全体数のみで言えば、おそらくピーク時の数十分の1というのが現状かと。

 

林野庁のデータを見ると、近年の植樹面積は概ね2.5万ヘクタール前後のようです。

一方で、昔の最盛期はどの程度であったかというと昭和28年頃の43.3万ヘクタールですから近年になって植樹が極端に増加し、その結果花粉症が激増したなんてトンデモ論にはならないんじゃねーの。

 

確かに人工林樹のうち最大であるのはスギです。

ただ、そもそも人工林樹の占める割合は、林樹全体の割合のうち41%で、その人工林樹のうちスギが占める割合は45%というのが現状です。

 

で、注意してほしいのは、林樹面積ってのは植樹面積の累積ですから、前述の通り、近年の植樹面積は過去のそれと比較して著しく少なく、もはや増加という話は出せないレベルです。

 

つまり、仮に植樹されている樹木が全てスギであったとしても、それが極端な樹木構成を壊す程の結果をもたらしているとは到底考えられないのですが…

 

それを表す話として、人工林の齢級構成を見ると、8〜9が中心となります。

齢級というのは、5年毎に1齢級としたもので、8〜9齢級というのはおよそ31年〜40年程経過したものがもっとも数量として多い事となります。

 

これは、前述の植樹が活況であった時期ともある程度一致(消費も影響するので必ずしも完全に一致はしませんね)するもので、結論として近年の植樹の影響が健康被害に著しい影響を及ぼしているという説はいったいどのデータからでたのか今の所僕にはわかりません。

 

どちらかというと、PM2.5であったりもろもろの影響で、人体が過敏に反応するという問題の方が影響しているんじゃないかと僕は考えています。

 

まぁ、僕自身花粉症ですからなんとかしてほしいところはあるんですが、原因の特定はちゃんと考えてやらないと、スギ撲滅してもなんにもかわりませんでしたとかアホ過ぎますよ。

 

ということで、ツッコミ大歓迎です。

 

<さらに調べた>

 

一応、スギそのものがもっとも花粉を飛ばすようになるのは30年以降の成長した後らしい。

その一方で、建材として利用価値がでると想定されるのは50年以降経過したものという事がデータに出ている。

 

よって、戦後に必死にうえた樹木が現状影響を出しているという点についてはある程度事実として理解する事は可能ですね。

 

ただ、これ結局の所、近年の植樹なんてぜんぜん関係なくて、戦後復興時に国策として植えた樹木が成長しているというだけの話で、近年の林野庁の対応とか全然関係ねーんだけど。

 

もしも花粉症対策の議論をするのであれば、既に植えてしまっているスギを伐採する事の方が、植樹をやめる事よりも余程効果的(最盛期の植樹面積は単年で今の20倍以上なので)であって、やはり記事にあるなんでいまだに植樹してんだよ、ってツッコミは全然花粉症対策と関係ない。

 

まぁ、50年後に影響するじゃねーかって話はあるが、いや、そもそも植樹面積はおそらく後数年でピークを迎えるうえに、現状徐々に切り替えつつ有る品種と多少なり入れ替わる事を想定すれば、現況の植樹の影響なんて微々たるものかと。

 

過去の国の政策が片手落ちであったことは批判するとしても、別に今の林野庁が批判される話では全然無いし、現状の植樹について批判する話でもやっぱりないんだけど。