何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

年金機構憎しとJASRAC憎しは似ているなぁと思った

 

年金業務で給料未払い、データ入力の110人突然解雇(TBS系(JNN)) - Yahoo!ニュース

僕には実態が見えないから肯定も否定もできないんだけど随分エスパーが多い。委託契約なんで委託先が再委託の事実を隠していた場合委託元には調査することは難しいけどな。"派遣"なら別だが記事は"委託"とあるわけで

2015/08/03 17:25

 

よんだ。

 

正直、現状でている記事だけでは年金機構側の落ち度がどの程度あるかの全然わからない。

 

そもそも業務委託契約とは、成果に対する発注になるので個々の作業員について指揮命令権もなければ、当然それに付帯するような調査する権限(例えば、作業員個人から聞き取り調査するような権利)もない。

 

この場合、そもそも再委託禁止のものを勝手に再委託しているのか、それとも年金機構も再委託していることを認識していたのかが問題だが、記事を読む限り今年の年初になんらかの理由で再委託が発覚しその結果契約を解除されているあたり、年金機構としては基本的に再委託は禁止という方針を厳守していたとしか思えない。

 

可能性としては、年金機構の担当者(発注権限者)が勝手に現場で再委託することについて認識していたにもかかわらず、随意契約のようなレベルで発注(表向きは競争入札だが、実態は特定業者の落札が想定されているもの)しており、その事が公になり今回の事にいたった、というレベルであれば、年金機構にも落ち度はある。

 

が、現状出回っている情報にはそんな具体的な事は一切ない。

 

労働者の気持ちとして、元請けにも責任はあるだろう!と言いたいのはわかるが、この場合、元請けは福井の企業なのでまずはそこと訴訟すべき話かと。

 

一方で、発注者の管理責任が!というのもわかるが、そもそも従事するにあたりどのような話まで労働者が認識していたかという点も気になる。

例えば、再委託禁止の案件であり決してその事を口外するな、のようなレベルで事を認知していたのであれば、そういった業務には従事せず適切な手段で公益通報すべき話であったと思う。

 

また労働者自身はそのような事実を全くしらなかったという事であっても、発注者が負うべき責任は、例えば支払われる労働対価や労働環境が発注者の責任で著しく損なわれたというような内容(よくあるアップルと製造会社に起きるあれです)であれば発注者にも責任はあるけども、今回のように再委託を許容できない案件について、委託先が発注者の許可を得ずに再委託下いた場合の責任まで負うべきという話になるのであれば、結構とんでもない話になる。

そもそも再委託しているということは、それなりに中抜きするほどの金額が支払われていたわけで、そこを推測すると、実は労働対価はそんなに安くなかったんじゃないかとも思われる。

つまり、ちゃんと機構の契約通りに労働者に対価が支払われていれば、実は悪くない仕事だったんじゃねーの、という臭いがぷんぷんするのですよ。

「再委託」ってのは基本的にそういう構図が存在するというお話ですからね。

 

 

まぁ、いずれの話もまずは発注者と委託者、再委託者がそれぞれどのように関わっていたのか具体的な情報がでてこないと「ただ単に同情している無責任な第三者」でしかないので、この件はもう少し続報を待ってから批評した方がいいのかなと。

 

件名通りですが、なんか「年金機構」とか「JASRAC」のような特定ワードがでると冷静さを欠く反応が多いように思えるので、相手がだれであっても、法治国家である以上は何が問題であるかをちゃんと判断できるような自分でありたいと思いますね。

 

最近「JASRAC」ネタで話題を集めた記事もありましたが、私的には「JASRAC」が抱える問題はあるものの、一方で「JASRAC」がなくなった場合、本当に権利者は幸せになるのか?という疑問は残ります。

 

利用者が自由でればいいわけではなく、この場合保護されるべきは多くの作曲家であり作詞家なわけで、利用者が自由に使えないという視点や、「JASRAC」が利益を得ているという部分のみでそれを批判するのちょっと偏りすぎかとも思います。

 

実際のところ利益権者に対して適切に利益が渡っているのかどうかがもっとも重要であって、その次に利用者が適切な対価で利用することができているのか、という話だと思います。

(利用者は幸せだが、権利者は不幸せなんてその業界は絶対発展しませんからね)

 

この辺は、ちゃんと構造そのものがどうかという点も含め、もっと広い視点で物事をみて、判断できるようにならないといけませんね、と合わせて思いました。

 

憎けりゃなんでも「悪」なんてのは全く理解も同意もできません。