何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

昨今のベンチャー事情

 

ウォンテッドリー株式会社 が引っ越したらしいので行ってきた! - 941::blog

この間某会社の役員とここの会社について話して、もう可哀想になったのでしばらく放置しとく。みんなもさっしてやれ。

2015/08/25 15:16

 

一応、自己資金でのベンチャー投資を行う会社に席を置いていると、関係者とのコミュニケーションも増え、望む望まないに関わらずいろいろとお話を伺う機会が増えてきます。

 

「この会社しってる?」的な話から「あの役員って知ってる?」的な話もあったり、「あの会社のビジネスモデルは...」というものもあれば「出資を相談されたけどどうなの?」みたいなどうでもいい会話が日々飛び交う事となります。

 

特に最近は数年前に出資を相談された案件や、よくお名前を伺った(いい意味でも、悪い意味でも)方の近況であったりも上場ラッシュの関係でしょうか、勝手に向こうからやってきます。

 

基本的にベンチャーの将来というのは、経営者の思惑だけではなく、いわゆる利害関係者の思惑、それも創業者を除く方の思惑の方が経営を左右しやすく、スケールさせるために資本力が必要でない場合は、そういったしがらみに対してスタンスを明確にした上で、海外でもそのトレンドですが上場しないという選択肢をあえて選ぶケースも少なくありません。

 

とはいえ、日本のベンチャーの(創業者の)多くはやはり最終的にはイグジットとして上場という選択がメジャーであり、多くの場合でその為の未来予想図を描いて日々頑張っておられます。

 

しかし一口に「スケールさせる」といっても、なんでもかんでもスケールできるわけでもなく、実は提供するプロダクトやサービス、参入した市場により既に結果が決している場合も少なくありません。

 

最近相談や雑談で出る話としては「あの会社、正直限界が見えてるんだけど...ピボットさせるかどうかなんだけど...」みたいな、微妙な相談もあるわけです。

ちょっと前は海外アプリの会社を買収して国内展開とかも結構ありましたね…

 

周囲(利害関係者以外)や創業メンバーからするとかなりうまくいっている(少なくとも私が話を聞いている・相談されたもので、私から見ても失敗とは受け取れないもの)ケースでも、利害関係者の中には「もう限界」と感じて周囲にこの手の相談をしている事例は少なくなく、個人的には「いや、それ最初からわかってたでしょ。乗る前に気づけよ」とい言いたくなる事例も多いのですが、さすがにそんな事いっても仕方がないので何か飯代ぐらいのアイデアは置いて帰りたいと頭を悩ませるわけです。

 

手元の成長が鈍化しているということも問題なのですが、それ以上にそもそも到達すると思われるベストケースが「その程度なんですかね」みたいなものの方がややこしいわけです。

創業者からするとある意味順調な成長なわけで、本質的にはネガティブな話題ではないのですが、投資という観点から見ると、そこをゴールにされると困るみたいな。

 

そもそも前者の場合資本力や戦術的な部分で支援できると一気に打開できるのに対して、後者の場合、基本的に何の為に支援するのかほとんどの場合で答えに窮することとなります。

 

そこにVCなんぞが突っ込んでいると「これって慈善事業でしたっけ?」と言いたくなりますが、そんなこと言ったら恐ろしいので当然いわないわけですが。

 

あと微妙なケースとしてはスケールさせるという話の時に前提が海外というものも結構微妙です。

 

海外をブルーオーシャンのように語るのはいいのですが、日本のベンチャーで本当の意味で海外進出して成功した事例は非常に少なく、「どうですか!?」って言われても「やってみないとわからんでしょ」としか本気で回答できません。

 

そもそも「ライバル不在」とかその理由を分析していないことが多く、「それ不在じゃなくて、進出できない理由や、進出しない理由があるんじゃねーの」というケースが大半で、成功ファクターとして「人脈」とか書かれると「それお前らがその国に進出するのはコアコンピタンスに起因する理由じゃねーのかよ」という初歩的なツッコミをするところまでたち戻る必要があり、よくその未来予想図でそこまで来れたな…と死んだような笑顔の下で思わずにはいられません。

 

この手の「人脈」「経験」「トレンド」「未開」のような理由で海外進出を事業の柱の一つにしているケースはソーシャルゲームもそうですし、それ以外のM&Aもそうですが、たいていの場合、翌年に特損だしたり、次にあった時にそっと資料から海外戦略が消えているケースが大抵です。

 

私はいつも「いや、国内で勝てない奴が海外で成功するってのは、相当レアでよほど緻密な設計されていないと可能性ゼロですけど」っていうのですが毎度の事聞いてもらえません。

 

まぁ、ツッコミ入れても戦後の精神論みたいな「行けばわかるさ」話しか、もしくは意味不明な横文字の海外事例が列挙された資料を並べた挙句、「で、その話が成功したファクターは具体的になんだとお思いですか?」みたいなどうしようもない質問をするレベルで、まるで訪問販売の販売員を追い返すときのような会話におちつくわけですが、当然まっとうな回答なんてでてこないので結局このリスクはのめるのかどうかという究極の選択しかできないわけですけど。

 

別にこの話は記事元の話ではないのですが、こういう気持ちわるい、なんだろう上場ゴールバブルの崩壊の足音が、もう足音ってか、僕の周りだと断末魔の一歩手前の声に聞こえているのですが、そんな不安も一掃する勢いで市場が激おこぷんぷん丸なんで、僕の周囲から聴こえてくる話なんぞは限定的な話(被害が)なので平和だな、と思いました。

 

なんか特定企業の話にしないようにしたらだいぶ気持ちわるい書き方になりましたけど、そんな気持ちわるい話が飛び交ってるのが最近の(私に聴こえてくる)状況です。

 

ご参考までに。