プロ棋士28人、将棋連盟の理事5人の解任求める 佐藤康光会長の就任会見(詳報)
新任以外の理事は当然辞任すべき。それは事の責任よりも渡辺竜王の話を鵜呑みにした部分や、第三者委員会を含む対応の杜撰さ等、根本的に組織運営ができていない部分にある。信頼回復や補償、改革は新任理事の仕事。
2017/02/07 11:13
よんだ。
記事についてはコメント以外には意見はありません。
ただ、他の方と同じように私は現役のそれもトップ棋士が理事を務めるというのはやはり無理があるのと、もっと言えば、ファンとしてもそこは別にして欲しいなとも思う。
その改革は今後の新任理事を含む新しい体制で是非検討をして欲しいと思う。
さて、この話題があがると比較的頻繁に渡辺竜王を処分すべき、という意見と、告発者だからといって処分すべきというのはおかしい、という意見の二つがあがります。
私は、渡辺竜王を処分すべき、と考えています。
が、それは「告発者としての責任」で処分すべきといっているわけではありません。
そもそも告発自体は必要であれば当然すべきです。
そもそも不正は不正者が自ら「不正しました!」などとは言わず、且つ、運営組織が確認する以外であれば、基本は対戦者以外にはわかりようもありません。
当然、疑わしいと思われたものの、実際には証拠もなく、真偽不明のまま告発が空振りに終わるというのはあってしかるべきです。
ですが、これは当然告発される側の名誉と立場を守りながら行われるべき事です。
告発した時点では、実際に不正があったのか、それともなかったのか、これはわかりません。
告発を受けた運営団体や管理団体が、手続きに則り対応を行い、その結果を告発者、被告発者の双方に告げるべきです。
そして、その結果が告げられるまではあらゆる事において、被告発者は自信の権利を保留される事はあっても、侵害される事はあってはなりません。
保留と侵害の違いは何か。
保留とは、その人が既に保有している権限や権利を一時的に行使する事ができない状態の事です。
例えば、竜王戦であれば、対戦者としての権利が一時的に凍結されるという事になります。
が、これは「失ってはいない」ので、当然権利がなくなるわけではなく、「保留」が解除されれば、その権利を行使可能になる事が前提です。
一方で侵害とは、その人が既に有している権限や権利を合理的な理由もなく一部または全部を剥奪する事です。
例えば、竜王戦であれば、本来は対戦者として決定していた棋士が真偽不明のまま自身が有する挑戦権を奪われた、まさに今回の事例がそれにあたります。
渡辺竜王が組織人としてやってしまった間違いとはこの部分にあります。
彼は竜王という位ではありますが、それは執行権限があるわけではありません。
棋士はあくまでも理事の選任や解任、そして理事会への訴えを起こす事ができるに過ぎず、棋士個人が自らの意思で同じ棋士を裁く事は許されません。
例えそれが本人からみて、明らかに黒であると判断してもです。
もっと言えば、周囲からみても明らかに黒であってもです。
どのような状態であれ、処分を下すのはあくまでも組織であって、組織が定めている規則であるべきです。
しかし渡辺竜王は、個人で情報を発信するという選択を行いました。
百歩譲って、個人の心情や考えを述べた、というのであれば、竜王戦の開催の有無や責任、スポンサーなどの話に触れるべきではありません。
そこに触れた瞬間に、その発言は、あくまでもスポンサーと契約をもつ組織の発言であり、その運営に関わる発言になってしまいます。
そもそも竜王戦について、竜王自身が、ましてや対局者についての話を週刊誌やその他メディアに組織の話よりも先行してどんどん情報を発信するというのはあってはなりません。
むしろ、竜王という立場であれば、「私は組織の判断に従って、対局に最善を尽くします」であったり、「ご迷惑をおかけしているファンの方に満足いただけるような対局となるよう万全を尽くします」のような話をすべきであって、率先して「彼は裁かれるべきだ」などのような話を吹聴すべきではありません。
本人は後に、そんなつもりではなかった、と言っておられますが、それで事が済むのであれば苦労はありません。
実際、対戦相手である三浦棋士は対局する権利を失っているわけです。
後に第三者委員会が「不正はなかった」と言ったところで、その権利は現時点でも回復していません。
彼が告発した事自体は必要であったとしても、それ以降の行動は、自己保身の発言含め、一切相手の事は考えておらず、正直理解に苦しむものばかりです。
こう言った身勝手な対応については、組織に属する限りは然るべき処分が下されなければなりません。
もしこういった部分で「まぁまぁ仕方ないよね」と有耶無耶にしてしまえば、今後発生する事例も前例に倣い個人が好き勝手に発言し、混乱を生じさせたとしても処分をする事はできないという悪例となります。
このように、処分の必要性は、告発の有無ではなく、組織運営を乱した事、については最低限行われるべきであって、それが行われないようでは、連盟は今後もだめな運営を繰り返すことになります。
ですので、私は、何らかの形で理事同様に処分が下されるべきだと考えます。