何気ない記録

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そもそも電子マネーはまだまだ一般的ではない

 

痛いニュース(ノ∀`) : 古市憲寿氏がコンビニでの現金支払いを批判 「今どき現金を使うのって頭悪い人」 - ライブドアブログ

この現金・クレカ・電子マネー問題ってまさに近年の人間のギスギス問題の象徴だと思うんだよね。どっちが馬鹿でもアホでもないのに勝手認定で相手を罵って、冷静に考えれば全く意味のない事なのに。まさにアホらしい

2017/10/02 12:56

 

この意見はおそらく比較的多く見かける所謂電子マネーを使っている人間からすると現金を使っている人は邪魔という暴論ですね。

 

さて、このよく見かける「電子マネー使わない人は迷惑」という意見ですが、どの程度正当性があるのでしょうか。

 

例えば、「迷惑」という事ですから、少なくともその行為が一般的で無く、代案が広く利用されており、その選択を行わない事が問題であるという事であることからそう認定していると考えてみましょう。

 

直近のデータではありませんが、2つほど見つかったデータで見てみます。

まず1つめはスマートアンサーにて2016年1月に公開された以下の記事からです。

 

 

この記事を読むと、まず前提として日々コンビニを利用する人(ここでは営業日で考えるべきと判断し「ほぼ毎日」及び「週に4〜6回程度」の両者を合わせたものを「日々」と定義)を利用率の高かった男性で見ると、10代で約16%、20代で約28%、30代で36%、40代で38%、50代で33%と、概ね3割前後が利用している事がわかります。

個人的には毎日利用しているのでこれには多少驚いたのですが、世の中的にはそういった事情のようです。

 

次に、そのコンビニでの支払時に現金を使うのか、それとも電子マネーまたはクレジットカードを使うのかという点ですが、10代では84%、20代では72%、30代では60%、40代では59%、50代では54%と、かなりの開きがあるものの、少なくとも全世代平均で考えると過半数以上は現金での支払いが日常的である事がわかります。

このデータで驚くのは、やはりタイトルにもあるように年齢が上がる方が電子マネーの利用率が高くなっている点です。

 

 

もう一つのデータとしてテスティーが2017年4月に行った調査も紹介します。

 

 

こちらの調査は10代および20代に限定した調査ですが、こちらは敏感な若年層の傾向として見てみましょう。

 

まず、電子マネーの所持でみると10代では約47%、20代では約55%で全年齢では約51%の方が所持しているとの事です。

ただ、このデータで少し恐ろしい事に気づいており、同社の2016年8月の調査を合わせてみると興味深い事が見えてきます。

 

こちらの調査でも同様に所持率を見ているのですが、こちらの10代〜20代の所持率では約59%と実は過去の調査の方が高く、所持率は実際には減少しているという点です。

恐らくは調査の方法に多少影響を受けていると思うのですが、個人的にはもっと伸びていると思っていたので結構普及は頭うち状態なんだなぁというのが感想で、驚きました。

 

さて、話しを戻して日常的な利用状況についても情報があり、10代では約48%、20代では約50%の方が日々利用している状況で全年齢では約49%、所持状況と合わせると全調査対象者のうち約25%の方が日々電子マネーを利用しているとの結果になります。

若年層を見てもやはり実際の利用についてはまだまだこれからの普及といえそうです。

もっとも、「日常的に使用している」以外の選択肢として「たまに使う」というものがあり、それを約45%前後の割合が選択している事から環境側の問題も普及の壁として捉える事ができそうです。

 

さて、この調査ではもう一つ面白いデータがあり、「現金と電子マネーのどちらをよく利用しますか?」という問いと、「電子マネーが更に普及して欲しいと思いますか?」という二つの問いを若い世代に投げかけています。

 

「現金と電子マネーのどちらをよく利用しますか?」という問いでは、10代では約87%、20代では約80%が現金をよく利用していると答えています。

このデータは前述の全体の利用状況が約25%という数値と比較してもまぁその程度に落ち着くのだろうという感触ですが、ただ、実際には若い世代でも8割近くが現金を利用しているという点は普及という点ではかなりの課題であると感じます。

 

またそれ以上にインパクトがあるのが「電子マネーが更に普及して欲しいと思いますか?」という問いの結果です。こちらでは10代では約47%、20代では53.6%が「思わない」と答えており、電子マネーを一番使うと思われた世代である20代ではあまり電子マネーにメリットを感じていないという事も見え隠れしています。

 

こうやってデータを見ると、クレジットカードと比較すると確かに普及はしたものの、結果としては現状ではその程度にまだまだとどまっているというのが現状のようです。

 

 

このように、電子マネーは徐々にではありますが普及はしているものの、少なくともまだまだ市民権を得ている程度であって、現金派が主流であり、少なくとも電子マネーは便利よ?という人の意見は否定しませんが、現金を使っている事が問題であるという論点については「いや、それまだ普及期で使っていない事を批判される筋合いはないよ」としか言えませんね。

 

お金の管理方式であったり、お金の使い方であったり、それ以前に興味がないであったりと、いろいろな理由でクレジットカードもそうですが、普及には壁があります。

 

ただ、一番普及にマイナスと思われるのは「使わない=悪」のような表現を社会にまき散らすことです。

 

少なくとも使っていない人は使っていない人の理由があり、それがどれだけ(貴方からみれば)粗末な理由であったとしても、それはその人の価値観です。

 

店と個人の間では「商品の代価を支払う」という行為については責任が伴うものの、その手段が現金である事と電子マネーである事については少なくとも販売行為上では差異はありません。

 

これはカード支払と電子マネー支払いでもです。

 

その点について、別な理由を持出し「○○だから現金支払いはダメ」とか「○○だから現金支払いをする奴は馬鹿」のような話しをし始めれば、少なくとも理由があり現金支払いをする人や、少なくとも貴方とは異なる価値観で電子マネーやクレジットカードを使わない人から見ると「なんでこの人はいちいち人に喧嘩を売ってくるのだろうか」と余計に「面倒な集団」みしか見えません。

 

個人的には、普及を進める為に重要な点としては使うメリットをもっと明確なものにする事です。

 

よく「支払時間が早くなる」という点を上げますが、時間についての価値観は人それぞれです。

私はそもそも朝混んでいる時間にわざわざコンビニには行かないようにしていますし、そういった考え方もあります。例えば昼食時間をずらすであったり、出勤時間をずらすという考え方と同じですね。

こういった人によって価値観が事なるものについて「お前のせいで俺の時間が失われた」という意見をぶつけるのは筋悪です。待ち時間が長いというのは確かに自分よりも前に支払をする人がいるからですが、少なくともその人が特殊な支払方をしているわけでもなく、正当な行為をただ行っているだけですからね。

例えば、都内でエスカレーターがあり、右側は歩く人向けに開けている事もおおいですが、それ自体は明示的なルールではなく、ただそうしている人が多いだけです。ですから、右側にたっている人が居たとしてその人に「邪魔だ!どけ!」と言う事に正当性があるかというとまったくありませんね。それと同じです。あくまでもそういった右をあけるという自発的な行動を取っている人がいるだけの話しで、そもそもは右をあけるというのはルールでも、各管理会社も推奨どころか辞めてくださいとすらいっている行為ですからね。存在しないルールをもって相手を批判するというのはやはり筋悪ですね。

もっとも、現金支払いを禁止しているコンビニがあるのであれば当然そういったところで現金支払いがなぜできないんだ!と言っている人がいればそれはアウトですが・・・。

 

ですので、もっと明示的で誰にでもメリットとなるものを準備する必要があります。

 

一番わかりやすいところでいえば「統合」でしょうね。

データを見ても約8割の人が交通系電子マネーを使っていますが、これに統一できるのであればすべきでしょう。

というのも、例えば主婦/主夫のお友達であるイオン系ですとWAONがあり、これはWAONで支払うとポイントがもらえます。WAON自体は使える所も比較的多くなったものの、面倒なのは残高の分散です。

 

現金のメリットは財布という一つの器に全ての残高が一元的に管理される点です。

例えば、Suicaに1000円、WAONに1000円に入っていたとして、1500円分の買い物はできません(まだできないよね?)。

こう言った場合、私が知る限り、何れかの電子マネーと現金の組み合わせは(場所によっては?)できますが、電子マネー電子マネーはできません。

私からすると現預金の分散は無駄(但しペイオフ考慮を除く)で非効率的ですのでこういった事はしません。もっとも投資という事で言えば別ですが、電子マネー自体にはそういった効果はありませんから、少額とはいえわざわざ寝かせる意味がありませんからね。

これが交通系電子マネーとして統合される、または、全ての残高が統合的に管理される(WAONの残高もSuicaの残高も統合されており、入金も使用も自由)状態であればかなり価値が高まりますが、そうならないのであれば個人的にはメリットはありません。

 

そういった意味では現金の効率的な管理という視点だけでみれば少なくとも電子マネーよりもクレジットカードでしょうね。

 

また、統合される事でもっと無駄も改善できます。

私からすると、現金派の効率厨(以降、現金厨)はそもそも支払額が確定した瞬間にお財布から最も合理的な金額(お釣りが最小となるか、ちょうどの金額)をロス無く大抵の場合だします。

具体的には、まず商品をレジに置くと同時に、ポイントカードを出し、小銭入れを開け中身を確認します。そしてレジ担当者が合計金額を読み上げ「袋に入れますか?」と聞き、そしてポイントカードを読み込んでいる間に、必要となる小銭を出します。袋に入れない派であると相手の腕次第ではぎりぎり店員の方が早いですが、袋に入れる派であれば確実に現金厨が勝ちますね。

このように、少なくとも我々現金厨は自分の為にも無駄やロスをなくしますので、現金である事にデメリットなどありません。

むしろレジ前で「電子マネーで」「どうぞ」「わおん!」みたいな数秒の時間の方が無駄に感じるほどです。場合によっては電子マネーの種類を宣言する必要がある店舗もあります、そうなるとおそらくは電子マネー厨は現金厨にはもはや勝てません。そいった電子マネーのタイムロスも統合されることでいちいち使用する電子マネーを宣言しないという事で改善を見込めます。

 

また、致命的なのは残高不足です。

複数の電子マネーがある事で、人によっては残高が分散し、覚えていないケースもあります。「Suicaで」からの「残高が足りないようです」のコンボは現金厨からみていてもなかなか悲壮感が漂っており「そんな事もあるさ。元気だせよ」といしかいえません。

こういった点についても統合されることで使用される、覚えるべきものが一つになり残高不足のロスも解消されるでしょう。

 

まぁ、全ての現金使用者が現金厨なわけでもないので、一般的にロスをなくすという点では電子マネーやクレジットカードが有効という点は否定しませんが、普及をよりすすめるにはもう少し効果的なメリットや現実存在するデメリットを排除できないと頭打ちになるでしょうね。

 

ですので、普及を望まれる方は「お前が俺の時間を奪った!」とか喚いていないで、是非運営会社に対して「交通系電子マネーと統合してよ」と叫んでいただければと思います。