選択的夫婦別姓について、訴訟内容のご理解とご支援のお願い|青野慶久|note
さすが。このあたりは組織の長として百戦錬磨ですな。目的とその目的へのハードルについても明確に表しており、争点となる問題についても両者が落としどころを見いだしやすいポイントとして整理している点も秀逸です
素晴らしい。
何が素晴らしいかと言うと、戦うべき相手をちゃんと理解している事。
所謂夫婦別姓の最大の敵について皆さんは考えた事はあるでしょうか?
実は、制度への反対意見や理解の不足なのではありません。
これは、いわゆる原発問題や基地問題でも同様なのですが、本来の争点以外の問題を同問題と一緒に論じるという日本に昔からある悪癖です。
この記事が素晴らしい点は、この悪癖について、一切の取り付く島を与えていない事です。
冒頭で明確に目的を表しています。
これにより、争点が明確になると同時に、訴訟のゴールもはっきりします。
さらに、前述した余計な議論が挟まる余地を排除しています。
具体的には、夫婦別姓が適法なのかどうか、であったり、近代的なモノの考え方云々という主張であったり、そういった個人の価値観による本来争点とならない部分について、しっかりと排除しています。
これにより夫婦別姓について反対する人も一気に反対がし辛くなります。
さらにこの部分については、それに引き続き具体的な内容で反論については意見を述べます。ここでは、そもそも既に法的な整備はほぼ済んでおり、実は矛盾の解消をするだけでよいという事です。
この提案により、法を変えるという議論ではなく、法の矛盾の解消であたり、欠陥の解消という事が論点となります。
さらに付け加えれば、この整理により、別姓を選択した場合による社会的コストもそもそも変わらない事を説明しています。
少なくともこの説明に虚偽が無い限りは、特定条件下では既に運用されているケースであって、その実例が存在する限りはそのコストは既に社会が負担しているわけですから。
当然、件数により現実には負担は変わりますが、それをいってしまえば今でも変わらないですからね。
つまり、この整理は、身内側と思われる同意する人間の中で暴走する人間についても抑制しつつ、同時に、反対する人に対してもしっかりと具体的な争点とその整理を示すという事を同時に行っているわけですね。
実に素晴らしい。