何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

叩いて良いわけでもないし、叩く意味も無いけども

 

武蔵小杉の浸水被害は叩いてもいいという風潮 - レールを外れてもまだ生きる - コロポンのブログ

全然関係ないけど半分は不動産屋が悪い。僕は仕事で昔のあの界隈に出勤していたわけだが明らかに工場地帯で何もなく、で、工場脇の下水道には中国のような色とりどりの排水が垂れ流されていた。そこをなぜ住宅地に。

 

まぁ、この話題をネットに流している人は、単純に面白がっているだけで、本人達には叩くという認識もないのだろうなとは思う。

一方で、言われている側からすればただでさえ被災で辛い上に、生活基盤まで馬鹿にされるという事は耐えがたいとは思う。

 

そもそも被災した結果として住人が苦労しているのは住人が抱えている課題なので、我々には何ら影響がなく、それを我々が外から叩く事に少なくとも正当な理由はないだろうなと思う。

 

で、これについて以前から思っていたのは、なぜあそこをあんな住宅地に・・・という事だけかな。

 

いや、住んだ人が悪いという事よりも、事情をよく知る不動産界隈の方々はあの地域がもともとどういった地域か知っていたし、再開発前は本当になにもなかったわけで、工場周辺なんて明らかにヤバい色の下水が垂れ流されていたのだが、そこで確かどこかのチームのサポーター募集の垂れ幕だけが凜としていたことを覚えている。

なお、当時は駅の向こうなんて道は整っているがお店もなく、昼食をとるだけでも選択肢は限定されていて、駅が綺麗になったのが私があの地域を離れる1年前ぐらいだった気がする。

なので、開発する前からあの地域は大規模な住宅地としての機能が不足している事はわかっていたはずで、水捌けとか治水とかそういった次元の前に環境として一定の投資をしないと安全、安心な暮らしというものにはなかなか届かないとわかっていたはずなんですよ。

 

当然、開発前から人は住んでいたわけだが、高層住宅を建てるような高集積型の住宅を誘致、建築することと、もともとそこに住んでいた人が住み続ける事には、私は明らかな差があると考えているので

 

なので、せめてそれぞれのマンションを建築する際は、地下に設備を設置するのであれば少なくとも万全の体制をそれぞれのマンションで敷かなければならなく、少なくとも住宅地の基盤というのは数年程度では整備されない(要望により調査が入り、設計を行った上で、その後その計画が承認された後に、やっと実施に至るが、それですら最低でも数年かかる事業なわけで・・・)わけですから、その数年、いやもしかすると10年〜20年という間は事業者が最大限の投資をする前提でなければならなかったと思うのだが。

 

当然、他の地域のタワーマンションも構造上は同じではあるものの、あの地域は不動産界隈がこぞって販売したわけで、結果的に住宅地になったようなものではない。

 

意図的に住宅地としてブランドを作り、そこに人を集める事を画策したわけだから、せめて行政の整備が追いつくまでは面倒ちゃんと見ようと、と言うのが個人的な感想。

 

いや、あるマンションが偶々一棟だけたっている、というような状況なら別ですよ。

そうじゃないよね・・・、もう何本も立っているわけで、その地域にそれだけの人間を支えるインフラや環境が整っているかはもう少し冷静に考えて欲しいし、これは以前豪雨被害で斜面の開発による影響が被害拡大の原因だったのでは?という話しの時も感じたわけで、もう少し責任を感じて欲しい。

 

売れてしまえば後は管理団体と仲良く頑張ってね、では済まされないと思うが。

 

そういった意味では、今回十分な対策が出来ていないマンションの販売元はどういった考えでこの地域を選択し、どういった考えで売っていたのか非常に気にはなる。

 

半分と書いたが、3分の2ぐらいは不動産界隈の無責任さが原因で、残り3分の1の半分が行政の努力不足(住人が異常に増加したわけだから、もう少し取り組めたのではと思わなくもない)で、残り半分は住人自身の決断によるものだと思う。

 

もっとも、そもそもが災害であり天災であるわけで、この規模の台風や水害がいつ起きるかなんてのは誰にもわからないわけだが、我々は原発問題を語る時に「起きるかわからないからやらなくて良い等という事はありえない」という事を学んでいるわけで、住宅基盤のない地域を住宅地とするのであれば、原発のコスト試算と同様に、その不足した住宅基盤の整備コストもまた販売コストや投資予算に含めるべきで、それが正しく計画されていない、実行されていないのであれば、原発問題と根っこの部分は同じなんじゃないの?と感じる。

 

今後もこのような災害は残念ながら増える事が予想されるわけで、それぞれの立場で、それぞれが責任をもって対応する必用があるのでは?と思うのですが。