何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

それは結局性別や身体的特徴で差別している事だと思いますが

 

男女平等な社会でも重い荷物は男性が運ぶべき? - Togetter

身体的性差なんて無いし身長が高い人が必ずしも力が強いわけでもない。全てただの個性であってただ身長が高いというだけで判断するならば、それは男だから女だからという偏見となんら代わらない。平等・公平は難しい

 

まず、この話しは2つの問題を一緒くたにして考えており、発言主もそれを理解できていない事が問題です。

 

まず、そもそも同一業務同一賃金は法律でも定められている話しで、労働内容に著しい差や偏りがでるようであれば、それは業務を整理し、業務内容に応じた役割、権限、賃金を適切に割り当てるべきはなしです。

つまり、業務上肉体的労働が伴う事として、予め賃金にそれが反映されているとするならば、それは男女、体格差など問わず、その業務に従事する前に会社と労働者がちゃんと話し合っておくべき事に過ぎません。

それが、現場で突然、偏った仕事が発生し、それを誰かが受け入れないという不公平な状況を作り出した結果「誰がやるべきか」という議論になるわけです。

当然、こういった事の整理ができていないのが日本社会なのですが、それを単純に「性別云々」や「身体的特徴云々」で片付けたり、「思いやり」であったり、「常識的」であったりという社会的な圧力にとって解決する方法は適切ではありません。

 

で、性別や身体的特徴による役割の割当についても、安易に「身長が高いから」とか、「君は体が大きいから」とか、そういった外見的特徴で議論すべき話しでもありません。

例えば、レスリング選手は思っているよりも小柄な方も多く、当然そういった方は見た目以上に筋力がある上、力の使い方が上手ですので男性、女性を問わず、そういった仕事でより対応できる事があるケースも少なくありません。

一方で、仮に過去にレスリング選手であったとしても、全員が一線級の選手なわけでもなく、場合によっては怪我や持病、既に競技を離れている等の理由から経歴や外見的特徴だけでは正しい判断ができない事も少なくありません。

 

結局、どういった事であっても、労働負荷を受け入れられるかどうかは、労働契約に反映して、それを労働者自身がうけいれるかどうかという前提でしか議論できません。

もしもそういった業務(例えば販売点等の棚卸し業務であったり、事務作業でもファイル整理であったり)が含まれる前提であった場合に、同じ条件、同じ賃金で働いているのであれば、前提として男女、年齢、経歴問わず、仕事の割当は当然公平になされるべきで、それが不当だと思うのであれば、正しく賃金に労働負荷を反映すべきなのです。

 

その労働契約上の問題を協議せず、ただ現場で何となく行われている一コマで、誰が悪いと罵ったところで、基本的には「誰かが負債を引き取るべき」と言っているだけで、その「負債を引き取った人はいい人」「負債を引き取らなかった人は悪い人」という一方的な意見を述べているに過ぎません。

 

本来会社では、様々な書面を準備し、その中では職務分掌や業務規定、職務規程など、労働契約に付帯する業務をより具体的に定めるものを準備する必要があります。

これらの中で、責任の所在や役割のあり方、業務と機能の関係や、職務上の等級と給与の関係などが整理され、それが労働契約と連動する事で、個人の業務や給与が決定されるわけですが、日本の企業ではこの部分を本当に曖昧で未定義とする事が多く、そしてそれをやらない事を「おもいやり」や「協調性」という間違った善意で曖昧にする事を良しとする文化が根強くあります。

 

「気づいた人がやるべき」「できる人がやるべき」というのは、基本的に「やらない側の意見」であり、「やらされる側の意見」で言えば「同じ労働条件なら性差、身体的特徴、年齢に関わらずやれよ」というのは実際至極真っ当な意見です。

 

また「私もやっていたから」や「あの人はやっていた」と言う意見をもって「だから貴方もやるべき」という意見を発するのは非常に恥ずべき行為です。

何かをやるのか、やらないのかは本人の意思であり、それを誰かが同じ判断をしなかったとして批判する根拠にはなりません。

それをやった結果、誰かが恩恵を受けたなら、それはその恩恵を受けた人が感謝すれば事足りる話しであり、それをやらなかった人を責めるべき理由はありません。

 

この話しは一見すると男女や性差の話しのように見えますが、実際はそういったレベルの話しではなく、単純に「自分にとっての正義に従えない人は悪」という短絡的な意見を述べているだけであり、男女平等の議論で言えば、女性に対しても「女性よりも男性は云々」というラベルを一方的に貼り付ける事で、ある領域の女性を守っている反面、一方でそれ以外の女性には望まないラベルを貼り付けているただの性差別に過ぎないと私は思います。

 

性別であれ、身体的特徴であれ、全てはただの個性に過ぎません。

たまたま女性であっただけで、力の有無や足の速さ賢さ等など全ての事はそういった事とは関係なくその人個人が持つ事実に基づき判断されればよいだけの事です。

そして、それが労働や労働に伴う賃金に影響するのであれば、行うべき労働は同様の性別や身体的特徴云々で決まるのではなく、まずは行うべき労働内容と労働契約を適切に整理し、その個人がその労働を受け入れるのか、受け入れないのか、あの人と私は同じ仕事内容なのか、違うのか等、そういった事を環境を正していく事に力を入れるべきであって、それを「男性は」「身長が高いのだから」等という個人の特徴によって解決するような話しにすべきではありません。

 

こういった発言は冷静に向き合わないと、逆に社会的偏見を助長しかねないものだと私は思います。