何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

だったら前受けすれば良いだけの事

 

クレジットカードのオーソリゼーションのお話。 - メモ代わりのブログ

いや、Lenovoに限らず結果として出荷不可能な商品を販売した際に、初回分の請求が先行して行われるのは止むを得ないとしても、その後の再請求分については完全に出荷管理の仕組みが糞すぎなだけでカードは関係ないのよ

 

記載されているカードインフラを利用した決済の仕組みは正しいし、その上で、結果としてそうなるという解説も正しい。

 

が、今回の件の本質的な問題は「カードインフラを使った決済のあり方」を理解していないまま、出荷管理の仕組みと決済インフラをリンクさせたLenovoの落ち度が大きい。

 

少なくとも初回分の請求は与信との兼ね合いで、結果として在庫不足やその他の理由で出荷延期を含め商品未発送となった場合でも、請求自体は行われるという点は止むを得ない。

が、その商品が未出荷となった場合に、それに紐付く請求が出荷まで繰り返されるのは少なくとも「カード決済の仕組みを理解していないまま従来の出荷管理の仕組みにリンクさせた」側の責任。

 

そもそも受注後の出荷処理が行えない時点で在庫確保以前に再度オーソリーを取るというのは相当グレーなやり方。理由としては、その時点では商品の発送を行える保証もなく、代価を受領するだけの権利を有していないから。

 

確かに購入者は購入の意思を示し、注文を行ってはいるが、その商品の発送が行えないのは自身であったわけで、それが在庫を確保できないまま、延々と与信を繰り返すというのは本来「購入手続きに対して、購入者が同意した上で、適切な額(購入額や必要額以上の与信枠を確保してはならない)を抑える行為」について違反している。

 

返金手続きについてタイミングが異なる為、という文句はあるだろうが、お前、それわかってるよね?という話し。

カード決済を利用する中で、デビットカードを含め、いわゆる従来型のカードとは異なる流れが生じる事は、少なくとも自社でAPIを直接操作する程度の開発を行うのであれば理解できていて当然の話。

 

いや、ショッピングカートシステムをレンタルしてもなるじゃ無いか、という反論がありそうだが、一般的にならない。

 

あれらでは購入時に唯一決済を通すので、その後商品未発送となっても、原則売買についてキャンセルを行わない限り返金手続きは行わない。

あれは単純な仕組みにみえて、一応、汎用的にエラー処理を想定するのであれば、あの古典的な仕組みは一番ベストなのでああしているわけで、それが先人の知恵。

 

なので、こんなアホな事は起きない。

 

予約商品についてプリペイド方式のカードが使われたから、という意見は、カード決済の仕組みについての説明(言い訳)としては有効だが、何度も請求をかけてしまった根本原因ではない。

 

なお、この話しは、クレジットカードだけの話しではなく、例えば口座引落の初回引落とは、いつから行うべきか、権利が発生する前に引落手続きの登録をしてもよいのかといったその他の決済でも同様の話しで、こういった知識は「業務経験をしている人間を現場に適切に配置すれば大抵は回避できる」というもので、それ以上でもそれ以下でもない。

 

単純に受注生産方式の在庫管理システムと単純に決済インフラを何も考えずにリンクさせたLenovo側の問題であって、よくわからないなら出荷保留時(受注済み/未出荷)の商品については前受けしておけという話し。

 

例えば、一部のECではそういった事を基本に忠実に行っている。

「購入後のキャンセルであっても、一度引落が行われた後に返金手続きが行われます」のような文言のあるECサイトはそれを理解していると概ね考えてよい。

つまり、商品の受け渡し前であっても売買契約が成立した時点で代金は一度受領する事で、カード種別や支払方式に依存する事なく、代金の未収を回避する一方で、仮にその後キャンセル手続きが行われた場合に限り、その代金を返却する事で仕組み上の問題を回避しているわけです。

 

おそらく、こういった仕組みを作っちゃう人は「前受けするってなに?」的な状態なので、そもそもそういった発想に到らないか、または「前受けしちゃうと手数料負担がでるからな。全部消費者に押しつけよう(但し販売した商品を引き渡せないのは当社の理由だけとそこは気にしない)」という人の何れかだろう。

 

こういった手続きは、ECサイトや決済インフラに関わった人間は自ずと知識が蓄えられて「このケースを想定しないとマズいな」とわかるわけで、それがLenovoにはわからなかっただけの話で、それ以上でもそれ以下でもない話しだと私は思うが。