何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

実際はそれほどの大差でもない

 

【米大統領選】投票結果出揃う バイデン氏306 トランプ氏232 - 産経ニュース

大差という人がいるがアメリカ大統領選においてはそもそも二大政党制なのでこの差は実質大差というほどでもないかと。指名数の差は取るか失うかなので実質半分しかない。過去の実績を見てもいたって普通という感じ。

 

日本のようなケースであればこれだけの指名数/議席数の差がでるとそれは大差ですが、アメリカでは2大政党制なので取るか失うかという極端な振り分けである事もあり、この程度の差は過去の歴史を見ても普通かと。

 

直近10回の結果を見ても…

 

実施年 共和党 民主党
2016年 304 227 77
2012年 206 332 126
2008年 173 365 192
2004年 286 251 35
2000年 271 266 5
1996年 159 379 220
1992年 168 370 202
1988年 426 111 315
1984 525 13 512
1980年 489 49 440

 

 このように通常3桁の差がつくことも珍しくなく、それでも実際は州単位での総取り方式が多くの場合採用されているため、州でみれば2~4州の差しかありません。

 

もともとアメリカの選挙方式は人口に応じた配分に公平性を持たせる事をある時点から目指して改正していますから、近年ではある意味就業人口数が多い業界や地域の優位性が高まる傾向にあります。

例えば日本で言えば日本医師会のような団体や連合のような一定の団体票のようなものが都市部や職業分布によって固まりやすく、それは都市部の人の考えるアメリカの課題と地方の人の考えるアメリカの課題が大きく異なる(本当の意味での分断の原因)事に起因します。

 

それが州単位の総取り方式で結果として集計されるわけですから、仮に50程の差があってもそれは全体のうちでいう1~2の州の差であり、且つ、その地域をさらにみれば、その投票行動は都市部の意見が押し切る形であるというものです。

 

もっとも、多くの人が希望する事を叶えるという意味では、地方だの都市部だのいう事身意味はありませんが、日本に置き換えてみて、例えば東京は人口が多いので東京に最大の議席数を割り当てるとすると、東京の人口は日本全体の約11%を占めますから、衆議院の定数465に対してその11%である51議席を割り振る事となり、この方式を採用すれば、恐らく主要大都市圏を持つ都道府県だけの結果で、それ以外のすべての地域の議席数を上回り、原則都市部の主張しか通らない事となります。

 

東京都、神奈川県、大阪府、愛知県、埼玉県、千葉県、兵庫県、北海道の上位8都道府県だけで過半数議席を持つことになります。

もっと言えば、関東の1都6県だけでも全体の約35%の議席を持つことになりますから、ここに上位の人口を持つ都道府県のうち2つ程が賛同するだけで過半数を持つこととなります。

 

当然、人口が多い=有権者が多いという話ですから当然なのですが、これは実質、成長している地域以外は切り捨てるという意思決定に近いわけです。

 

いやいや、そんなことはしない、という人もいるでしょうが、共和党民主党の争いは比較的この部分が常に争いの種で、今回はBLM運動のような象徴的な事で見えづらいですが、恐らく今回も都市部の主張である安全安心な生活環境というお題目で、アメリカの畜産や農産関連の事業は大幅な規制や制限が行われ、結果としてアメリカ国内の地方、つまりIT時代に突入するまでアメリカを支えてきた事業者は軒並み廃業または仕事を失うという結末は見えています。

 

もっともそれ自体は別にトランプ氏も何も解決できていませんが、一応かれは「アメリカ第一主義」というお題目であったり、GAFAに代表される新しいアメリカの中心事業を野放しにしないという見た目上は古き良きアメリカを支えた国民に報いる的な政策を「見かけ上」行っていましたから、この差はおそらく政権交代によりBLM運動が収まった後、アメリカの不治の病の一つとしてバイデン政権を蝕む事となります。

 

本当は圧倒的な大勝、元々言われていた青い壁といわれた程の圧倒的な差で勝ちたかったところですが、終わった事は覆りませんから、ここから先はバイデン氏の腕の見せ所でしょう。

 

何れにせよ、今回の大統領選の結果自体は、それほど大差というものでもなく、まぁ、普通の結果だった、むしろ青い壁という程の圧勝でなかったという点についてある意味不安要素が残った(民衆党支持者であるパックンも指摘していますが、正直アメリカ国民の気持ちとしてはこんなにトランプ支持の票があるとは思わなかったというのが本音かと)というのが事実で、わーい大勝だ、と喜んでいるのは日本人やアメリカ人以外じゃないかなという感じです。