何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

アプリで完結できない事を批判する人はシステムエンジニアには向いていない

 

るまたん on Twitter: "さて、みんながインストールしてる新型コロナウィルス感染症接触確認アプリ、略してCOCOAでございます。 ワタクシ、陽性者となりましたので市民的義務として養成の事実を登録... 「保健所が発行する感染者番号が必要です」 区役所… https://t.co/rquV3ePjoY"

問題の本質はアプリで完結できない事では無く、アプリで登録すべき情報がプロセスの中で処理されていない事。陽性通知は医療機関を通じて行われるわけで、その時点で陽性者に個別の番号を振り通知するだけの事です。

 

運用の整理ができていないだけの事。

 

そもそも感染者番号についてはどのような仕組みであれ一元管理と合わせて適切な管理が必要となるので、アプリ側で自由に発行登録させる必要性はない。

なぜかネット上では「アプリで完結できないクソ設計」のような謎な意見が正しいような雰囲気で語られているが、その設計の方がクソかと思うが。

 

普通に考えて、番号は一意性も含め集中管理であるべきだし、情報の正確性を担保する意味では、どのみち中央サーバ側との照合が必要になる。

で、中央サーバ側との照合が必要な時点で、ユーザーに対して照合可能な番号の通知または正当性検証用の番号の通知が必要なわけで、何かしらのアクションは必要になる。

 

で、重要なのは、そもそも陽性通知をするプロセス自体は、医療機関を通じて行われているわけで、そのフロー自体は陽性者のトラッキングでも使われているわけだから、だったらその時点で中央で採番し通知すれば良いだけの事。

 

より確実にするなら、COCOA自体に診断結果を確認する機能を持たせてしまう(つまり、PCR検査を受ける時点でCOCOAが発行する一意のキーを逆に中央側に通知し/QRコードのようなもの、その後、診断結果がで次第その結果を登録し、COCOA自体で結果確認ができるようにするというもの)方法もある。

この場合の利点は、COCOAの利用率があがるという利点や、登録から接触通知までを一元化できるというメリットはあるが、当然アプリの利用を強制できない事情もあるし、そもそも対応している機器を有していない場合もあるので、そこまでは踏み込めない。

 

なので、単純な話し、前述のとおり、現状のフローを改善し、検査結果に対して要望の有無にかかわらず常に感染者番号を通知する仕組みとすればよいだけで、それ以上でもそれ以下でもない。

 

もっとも、それができないのはおそらくバックオフィス側の仕組みがクソ(つまりCOCOA側との情報を中継する仕組みが別に開発されているが、それがCOCOAを上回るぐらいクソという事)で、あるだけで誰も使わない代物なのだろうという事は、控えめにいっても判る。

 

結局、COCOAというアプリは運用を想定したものではない。

運用とは、枝葉の部分から根の先まで一つの流れとして情報をどのように巡らせるかという事を考えて設計する。

 

アプリというものは所詮はその運用のいち手順、いち機能を勘弁に実現する為の仕組みに過ぎず、アプリ在りき、APIの仕組みありきでものを作るとこうなる。

 

当然、そういった背景の事情を想定した上でCOCOAは当初開発されていないというものもあるが、にしてもCOCOA周辺は明らかに異常な割合で問題が多すぎる。

 

私の経験で言えば、システムデザインの経験とアプリやサービス設計の経験は別物で、用いる能力も経験も全く異なる。

 

そういった意味で、運用やフローと言った血であり肉である部分について目を向けていないという現状を鑑みても、もはやCOCOAやそれに付帯するものにお金を投じる事に意味はないのかと思わなくもない。

 

なお、大手にこの手の設計ができる人間がいることは、ほぼありえず、ありえないからこそ偽コンサルタントが日本には跋扈しているわけだが、当然、偽コンサルタントの皆様も、業務設計等というものは全く出来ないので、そもそも日本のシステム開発は詰んでるといっても過言ではない。