何気ない記録

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もう少し冷静に世界の中の日本の状況を見つめるべき

 

政府、ワクチン追加調達せず 河野氏「打てない国もある」 | 共同通信

批判するのは自由だが、これは国内問題ではなく国際問題であり、且つ、民間事業者との関係だけでなく政府間の取り決めや交渉も含まれる。他国では中国製やロシア製含め接種率を上げている状況なのを理解すべきかと。

実際問題、少なくとも2回の接種については日本はファイザー製とモデルナ製で既に全人口をカバーできるだけの総数を調達できているので、現時点でより多くの確保に積極的になるべき側面はない。

実際にはそこにアストラゼネカ製も確保済みで、こちらは国民感情を優先して「国内向けには使用していない」のが実情だ。

 

つまり、日本は既に総人口をカバーする以上のワクチンを確保済みで、その上、その一部は既に確保が困難であった国に提供する側ですらある。

 

批判的なのは自由だが、これは相当恵まれている。

 

他国で恐らくファイザーとモデルナのみを利用できた上で、ワクチン接種率を急速に向上させている国は日本以外にはないのではないかと思われるほどこの2社のワクチンを一定数確保する事は難しい。

EU圏は域外出荷分について明確に制限を課しているし、アメリカについてはそこまでの圧力はないが、3回目の接種についての議論や、ファイザー製については正式承認への切り替えについての手続きも開始されており、今後の状況如何ではさらに供給について難しい局面が訪れる事も想像される。

 

このような中で、WHOや一部の先進国を除くWHO加盟国が明確に先進国が独占するワクチンに対して批判を強めている。

なお、この中には当然日本も含まれる。

日本やアメリカが台湾であったり、一部の急速に感染が再拡大している国へワクチン提供を積極的に行っている背景はそういった国際事情もある。

 

実際、他国を見れば日本が相当恵まれている状況にある事は明らかだ。

例えばお隣の韓国を見ても、接種状況で言えば6月21日の記事を見ると、アストラゼネカ製が約1040万人、ファイザー製が約350万人、ジョンソン・エンド・ジョンソン製が約110万人と、ほぼアストラゼネカ製で賄っている事がわかる。

その為、アストラゼネカ製のワクチンで一部の事例で血栓ができる症状についての発表があった際は大きな問題として取り上げられた。

その他の国でも、接種が大幅に進んでいる国では、中国製やロシア製の接種が多く、ロシア製については想像よりも良いのではないかという話もあるが、中国製はその逆であるなどそもそも接種してもその効果について議論が行われている状況だ。

 

そういった事情と比べれば、日本は少なくとも総人口をカバーできるだけの契約を既に有しており、それでも足りないというなら、アストラゼネカ製を打つ事も可能である等、国として確保自体に問題はない。

 

供給量について批判もあるが、これは政府には左右できないだろう。

コメントにも書いたが、単純な契約だけでなく、国際情勢や政府間交渉も含まれる話である上、各メーカーを持つ国を見ても明らかに日本よりも感染拡大が大きな地域である事もあり、日本が優先される余地が実際にはそれほどないわけで。

その中でも契約を締結し、少なくとも死亡率の高い高齢者については希望者に対する接種がほぼ完了しており、それ以下の年代も段階的に接種が進んでいる状況を考えても、日本は相当恵まれていると私は思うが。

 

さらに言えば、恐らく最終的な接種割合は高くとも7割程度、低ければ6割程度と推定される。

つまり、現状確保しているファイザー製やモデルナ製ですら、実はあまる可能性すらあるわけで、この状況でより確保しろ、というのは流石に無理がある。

 

可能性としては、3回目の接種を行う事を決めるか、又はフランスのように一定の条件下でのワクチン接種の強制を国内で進める等の事情がない限りは現状の契約数で問題はないし、それで足りないとする人間が何を考えているのか理解に苦しむ。

 

世界の中で日本だけが存在しているのであればよいが、実際にはそんな単純な話でもなく、実際には日本という国は他国に頼らないとままならない状況である事も考えれば、現時点でのワクチン確保の状況というのはそれほど批判的になるものでもないと私は思うが。