何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

個人が社名を名乗った事で生じる企業の責任とは?

同業者のオリジン弁当従業員による嫌がらせ、営業妨害、器物損壊事件の発生と対応について|キッチンDIVE|note

オリジン弁当の責任を問う人は何の責任について言及してるの?従業員であるのは事実としても、業務で破壊工作をしたならまだしも、一般従業員が自分の仕事場を指しただけでその発言で会社が責任を負うとか狂ってるよ

この話の続き。

 

気になって以降もブコメを見ているが、増えているのは「加害者が社名を名乗っているのだからオリジン弁当にも責任はある」という主張。

 

いや、ないよ。

 

逆に聞きたいのだけど、個人が、何かしらの企業名を名乗った時、それによってどのような責任が生じるのか、また、それはどのような法律に基づき生じるのかと。

 

もっとも、コメントの中に、対象従業員に対する処分等はすべきとあるが、それ、一応一般企業ではおいそれと日本ではできない。

 

基本的に企業に著しい不利益を生じさせない限り、企業は従業員個人の行動や活動を理由にして解雇する事はできない。

本件が刑事事件となったとして、それが罪として確定するまでは、少なくとも法人としては社内規定に違反するとしても処分できない。

 

これは当然の事で、もしそうでないなら、企業は何かしら好きな理由で、従業員個人の私的な時間の私的な行動を理由にして処分できることになる。

そんな恐ろしい状況がゆるされてよいわけがない。

 

今回で言えば、オリジン弁当という名称が、そもそも企業としてなんら責任のないところで出されている結果として、従業員に対して責任を問う事はできる(なお、被害にあわれた企業側がオリジン弁当云々というのはおかしな話で、オリジン弁当は少なくとも雇用関係にあったことを除けば、被害にあった企業同様に、従業員が私的な時間に行った私的な行動の結果、風評被害を受けているわけであって、同様に被害を受けているに過ぎない)ものの、現実問題として、解雇以上の事はできないと思われる。

 

通常、風評被害が生じても、その風評被害の原因で言えば、今回のケースでは別に従業員は事実を述べている(オリジン弁当で働いているという事)だけであり、雇用主との信頼関係を失う行為を行った事実はあるが、行動そのものは雇用主に対しての行為ではなく、また、そもそも風評が広がった経緯を鑑みても、加害者自身の行動に原因はあるとしても、広がった事実自体は被害者による情報の開示であって、私的制裁により2次的被害を受けたに過ぎないので、そのすべての責任を当該従業員に負わせることは不可能かと。

 

当然、加害者に対して被害者自身が損害に対して賠償請求する事はできるが、同様の話として、従業員であるというだけで雇用主が従業員の私的な活動の範囲の行動まで賠償責任を負うなどという話も聞いたことはないし、なぜ今回の話の矛先が雇用主にむいているのかさっぱり理解できない。

 

仮に初動のミス(というか、そもそも企業側が対応すべき事はほぼないけど/お気持ちを察して行動しろという同調圧力があるだけであって、何ら企業側に責任はそもそもない)云々という、被害者のお気持ちを察しろという事に対してという意見もあるが、それを正当化するのであれば、もはや今後、あらゆることで「それはお前のお気持ちだ」

等というべきではないですね。

 

完全のこのオリジン弁当へ矛先を向ける行為は、現時点で判明している限りの情報を見る限り、雇用関係にある企業が負うべき責任は何もないわけで。

 

本当に日本はご都合主義が闊歩してるよなと思うわ。