うーん。オリエントコーポレーション(オリコ)は我関せずですね。
いったい何を考えているんでしょうかね。
みずほ銀行側も本気でこのままで済むとおもっているんでしょうかね。
今回のスキームでは貸付に関する原資はみずほが提供していますが、そもそもの融資判断の審査はオリコ側が担当しています。つまりはオリコが審査ミスしたのが事の発端です。
ただ、みずほ側が事後審査で気付いたにも関わらず取り消さなかったといいますが、普通の内容であれば取り消さない事に何らメリットは有りません。考えうるのは、オリコ側が何らかの理由でみずほ側と協議する事を行った可能性が一番高いでしょう。
繰り返しますが銀行側にまったくメリットがないからです。正直、銀行の融資金額からすると、たかが約250億円程度程度でいちいち金融庁から行政処分を受ける程のリスクを取る意味がありません。
なぜって?そりゃ、行政処分がでればそれ以上の損失を被るからです。
結局今回の一番闇になっているのはオリコ側の対応です。
そもそもオートローンはオリコの代表的な商品の一つです。またオリコは過払い問題が表面化してからは旧カード事業の傾きを派生的な商品で埋めるために提携商品の拡大を急務としていました。
過払い訴訟が急増するのは、2006年の判決後ですが、実際のピークはその後数年経ったのちの事です。
実際、オリコは2007年には過払い訴訟の影響から債務超過に陥る可能性もあり、資本増強を行っています。この時、みずほグループは約450億円負担しています。
(参考:http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-25303720070328)
その後、2010年には持分法適用となる比率まで持ち株比率をさらに高めます。
いずれの行為も、過払い対応の影響から資本が棄損した部分をみずほ銀行が補うための行動であり、みずほそのもののメリットはあまりありません。
察するに、みずほ銀行関連者が天下っていたオリコがつぶれるのは当然困りますし、年次的に先輩にあたる方から助けてほしい旨相談があったのだとは思います。
当時は大半の大手が銀行傘下に収まっていきましたのでオリコの流れもいたって普通ではありましたが、今回の一件からみえるのは、みずほの闇というよりもオリコの闇の方が深いように思えます。
金融庁はみずほ銀行側に追加説明を求めるとしていますが、オリコの処分はどうするのでしょうか。
提携ローンの契約書そのものが有りませんので内容とその責任の所在はわかりかねますが、少なくともオリコが審査した提携ローンに不適切な融資先が含まれており、それを審査ミスしたのがオリコであることに変わりはないと思います。
現在もオリコは提携ローンを拡大しており、そもそも金融庁としては、オリコの杜撰な審査体制にメスを入れなければ、今回のような事件は日本中の金融機関で繰り返される恐れがあります。
一部報道ではオリコ側が審査時に利用したデータが古かったとありますが、みずほが気付いた時点でオリコも気付いたはずです。仮にそれすらも気付かなかったとすると、もはやオリコには提携ローンの審査を担当する能力はないという事を自ら立証していることになるでしょう。
オリコ側にメスが入らない場合は、今回のような不適切融資の可能性が全国的に残されている可能性が高く、みずほ云々の次元の話ではないでしょうし、これでおしまいとなるようであれば、金融庁がオリコからバカにされている状態であるだけでなく、検察庁もオリコに無能呼ばわりされているのと同様の状態だと思います。
金融庁も検察庁もプライドがあるのであればきっちり対応してほしいものです。