歴史を調べる手法で「アベノマスクがマスク値崩れを誘った説」検証。効果ほぼなし。|信州戦争資料センター(まだ施設は無い…)
そういった話ではないかと。単純に心理的な負担が軽減されただけ。それは2面性があり、一つはとりあえず何か手に入るという要素と、そんなものはいらないという不満の捌け口という要素。人の心の平静を保つには重要
というものの、安部氏や時の政府にそれだけの思慮を持った人がいたかといえば、そんな事はなく、全くの偶然であっただろうけども。
確かに出荷枚数は増えているのは事実で、それが市場に『正常に』回った事が価格低下や入手困難性の解消につながったのは事実。
が、そんな理由だけで解決できる程、世の中は単純なパラメータでは成り立たない。
事、業者が流通量をいくらでもコントロールできるものの場合はなおさらで、需給のバランスを如何に崩すかという事の方が圧倒的に難しい。
これらは単純に出荷数の問題ではなく、需要に対して流通数を絞っている事が問題で、この話はマスク初期の状態と基本的には同じ。
仕入れ値を割らないなら、別に在庫が積みあがっても販売する必要はないし、なんなら少し寝かしたほうが値崩れしない(焦って販売すれば、結果的な売り上げは在庫を吐き出した時よりも下がる)だろうから、必要最小限のみ流通させる、という話。
これは別に難しい論理でもなく、我々は義務教育の間に学ぶ程度の知識だが、ぶっちゃけこの問題は、いまだ解決する術はない。
出荷量で解消できるのは、実際には出荷と販売がある程度密接な場合だけで、さらに言えば、その商品が日常的なものであるようなケースに限られる。
で、消費者の「何がなんでも手に入れなければ」という心理、売り手側の「利益を最大化」という心理の両面をどうにかしないと買い占めも収まらないし、流通に正常に載せてもらえない。
そういった意味で政府が「何かやるよ」とアクションする事は大事で、まぁ、もっと良い策はあったのかもしれないが、動くというスタンスを見せる事は心理的な効果は多方面に及ぶ。
この心理的な要素を馬鹿にする人はいるが、馬鹿にできないからこそ宗教だったりなんだりは恐ろしいわけで。
人は思ったよりも心理的な状況に左右されるし、特にあのような異常な状況下であればなおさらの事。
極論言えば、安部信者が1,000万人いたとして、その人達が氏を盲信し、アベノマスクと後に呼ばれるものをもらえるなら、と、安堵するだけで市場への影響は及ぶし、それでも別に良い。
で、その信者がネットでとりあえず「政府は動いている」と、仮に妄想めいた意見を述べたという話であっても、話題としてそういった事がでることにより心理的負担が軽減される人もいれば、一方で「意味ないだろ」と不満を募らせる人もでてくる。
で、これが2つ目の要因で、事実から目がそれるという事であり、大事な事。
買占めだったり、不安というのは、そのものの話題と向き合えば向き合う程より影響が大きくなる。
なので一番よいのは、とりあえず横に置いておく事なのだけど、多くの人はそんな事はできない。
なので、外部から何か要素が発生し、その物事と入れ替わる事が大事で、これができると人の心理的負担はかなり軽減される。
これは、前述のとおり、別に肯定的なものに限らず、否定的なものでもよく、なんでもいいからその事実から「目を背ける事が一時的であってもできる」状態になればよい。
別解として、政府が何もせずに不満を引き受けるという手もあるかもしれないが、それはダメで、否定的な意見が事実を上回らないといけないという点で意味がない。この解では元の事実の不安が増加するので、一部の対立層を除けばその他の人は全てが不安の増加に負けてしまうので。
そういった意味で、所謂アベノマスクにかかわる一連の事象は、私はマスク騒動に少なくとも貢献はしただろうと考えている。
まぁ、冒頭に書いたように、安部氏や時の政府がそんなところまで考えていたとは思わないし、僕も、今振り返れば、という感じではあるけどもね。