何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

比較、例示が明らかに妥当ではない

 

新型肺炎、政府チャーター機で武漢からの帰国者「隔離せず」:日経ビジネス電子版

ハンセン病の件を例に出している人がいるが、あれは感染性についての誤認が原因であり、今回は死亡率こそ致命的でない一方で感染力は非常に高くWHOも判断あやまったとして緊急会見する準備にはいってるレベルなんだが

 

比較、例示が明らかに妥当ではないと思うよ。

 

ハンセン病に限らず、当然現代においても知識不足や情報抵抗不足等、誤認による差別や偏見というものは確かにある。

 

が、本件は少なくとも感染力は"高そうだ"という話が濃厚で、インフルエンザと比較して"わかっている情報が少ない"というジレンマもある。

 

実際WHOもリスク判定を誤った事は既に認めており、一方で"非常事態宣言は行わない"となぜかわざわざ宣言した上で、中国を訪れるという謎な行動をとっている程の状況です。

 

また、インフルエンザと比較して云々という人がいるが、勘違いしてはいけないのは、事前にあれほど準備しているインフルエンザであっても相当数の死者がでているわけで、それよりも死亡率が低いという事にもはやなんの意味もない。

我々はインフルエンザという驚異と長い間戦う中で、なんとか今の死亡率にとどめているというのが現実で、それと比較して云々というのはあまりにもアホすぎる。

 

で、だ、その話とハンセン病やそのほかの誤解により差別を生んだ(生んでいる)話と、事実として感染率は高そうだと考えられているものを混同してはならんよ。

 

可能性で隔離するのは人権侵害だ、というのは構わないが、その理由やその正当化にハンセン病等の病名を持ち出すのはあまりにも不適切だと私は思う。

 

あれはそもそも感染力は低かったにも関わらず、外見的特徴などによる差別が生じた例であり、もはや病気の本質的な話ではなかった。だからこそより根深い問題であったわけで。

 

また、インフルエンザでも隔離が必要なのか、という議論でいえば、論点としては「インフルエンザは予防、治療の方向性に道筋がついている」からこそ、重篤な症状が出ない限りは「一定の拘束力のある部分以外については自発的な行動に委ねる」事が可能となっている。

 

もっとも、一番の問題は「感染症症の患者に対する医療に関する法律」がほとんどざる法なのが問題なわけで、加えて、それと本来連動すべき労働基準法労働安全衛生法がまたほぼ何も規定していない事が問題で、それによって「自発的な行動」が適切なコントロール下におかれない点が問題なわけで、意見するべきはその部分だと私は思うが。