何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

確かにそうではあるが

 

長男が不登校の時に担任教師が「あなたには学校に来る義務がある」と言ったら「大人の義務であり僕の義務ではない」と言い切った話 - Togetter

これ子供が賢かったから救われている話しになっているのだけど長男も三男も不登校になったのであれば三男の時にはそうならない若しくは子供にあった教育という選択はなかったのだろうか。美談として消化してよいの?

 

三男の発言自体はその通りではあるし、非常に賢いというか冷静な子供であると感心はするのだけど、三男の立場と親の立場ではその言葉の受け止め方は違うべきではないかと。

 

当然、三男がそこまで冷静な判断をできているというのはご両親がそういった環境を作っているという事が背景にあるのだと思うし、長男の経緯やその彼の今の現状を考えても不登校自体がそれ程人生に影響を及ぼさないのでは?と考えたのであろうとは思う。

 

ただ、それって結果論でしかないし、長男と三男で同じ道を辿れるわけでもなく、極論言えば、同じ環境に全く同じように置いたとしても、長男と三男が同じ結論に到るとは限らないわけです。

 

なので、親の立場としては、この発言を子供がした事に親として子供の成長を誇らしく思う一方で、その子供に対して今の現状とこれからについて親としてどうするべきかという点により重きが置かれるべきで、個人的には長男も三男も不登校になったのであれば、もっと三男に対して違うアプローチというか違う環境を準備するという事も可能だったのではないかと思わなくもない。

 

もっとも、そうしたとしても結局不登校にはなる可能性は否定できないし、少なくとも不登校を選択するのは極論本人なので、親にできる事はせいぜい選択肢を提示する事と、その選択肢に対して冷静に判断するだけの教育をそこまでの間に行う程度でしかないわけで、できる事は限られているのは事実ですが。

 

なんというか、同じ兄弟や同じ学年同じ境遇でも結果が同じになるわけではない、という点には注意して欲しくて、私の父が教育者であったときに、同じ言葉、同じ態度を示したとしても受け手によって結果は180度変わってしまうという事は常に言っていたわけで、おそらくそれは教師という立場よりも親の立場の方が重たいのだろうと思う。

 

教育者からすればどんなに親身になって向き合ったとしても精々3年〜6年前後、卒業後の付き合いを入れても10年程度しか積極的に関わる事はないわけで、それに対して親というのはある意味ほぼ全ての期間の全ての事に責任を持たなければならないという、ある意味「呪い」を負っている。

 

「呪い」等というと子育て中の方は「ふざけるな」と思うかもしれないが、結局親にできる事は「提供」や「整備」でしかないので、何ら決定権も選択権もない状況で責任を負うというのは私は「呪い」だと思う。

 

その「呪い」を負ったとしても、それを上回るモノを得る事が「子育て」なんだろうと思うし、逆を言えば、それだけの熱量を結果として投じなければならないのが「子育て」なのだと思う。

 

それから、1点だけ教育者の立場(いや、私は教育者ではないのだが)を擁護しておくとすると、私の父もそうであったが不登校に限らず子供がイレギュラーな環境に置かれた後、それが功を奏して結果として良い境遇にいたるケースは本当に少ない。というか、昔は少なかった。

時代が変わったので昔とは違い世の中も寛容にもなっているし、極論言えばそれを受け入れられる、支援する事ができる親が増えているのも事実だが、イレギュラーな環境に置かれた子供が結果的に不幸になっている事を知っている教育者からすると、不登校であったり子供同士の対立や親との不仲とかいろいろなモノに対してどうにかしなければならないという重い責任を負わされているという点も理解して欲しい。

 

当然本件の発言についてはあまり関係がないかもしれないが、その発言の背景にはもしかすると色々な思いや経験がある事もあるわけで、自身の子供の境遇一つで相手を「ダメ教師」と断ずるのは一度冷静になって貰いたい所はある。

 

教師も1人1人に向き合いたいと多くの場合では思っているし、且つ、自分の経験を生かしてうまく対応したいと思っているが、親からすれば唯一(クラスや学年の中であればという意味)である事に対して、教師からすればそのうちの1人となってしまう上、昨今の教師は正直ブラックな環境でもあるわけで、親と比較して到らない点がある事は多少は理解してあげて欲しい。

 

免罪符にさせろ、という話しでは無く、そういった境遇であるからこそ、そこでは教育者と親という両者が二人三脚で子供と向き合うという態勢にならないと、現実的に教師は他を捨てて全てを投じるというのは難しいという事情もあるわけで。

 

直会社で大人の面倒を見るのですら5人前後になると結構大変なわけで、それが1クラス25人〜40人という規模で、且つ、相手は子供となれば社会人の管理職以上に負担や苦労はあるという点は理解して欲しい。