何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

大阪都構想の問題は責任を彼一人に負わせた周囲の変革派のあり方ではないのかと

 

大阪の老人強すぎ、大阪都構想は高齢者の反対票で否決へ : 市況かぶ全力2階建

高齢者が人数という力を振るうというが、若者は自分たちではネットワークも構築せず対話もしないわけだから、少なくともこの結果はそんなもんかと。"変える"ってのは自分だけじゃなくて相手も含めて行うことだからね

2015/05/18 10:33

 よんだ。

 

よくわからんけど、結果を見る限り高齢者にも一定の支持を得ているわけで、これ、結局はこの政策自体を本気で推進できるだけのキーマンが不足していたということではないかと。

 

そもそも、こんな突拍子もない話が、僅差で否決されるというレベルまで善戦したというのは橋本氏の手腕によるところだと思う。

 

これまで全うに議論されていなかったような案を住民投票まで行い、そして、僅差で敗北という結果は、民主にも自民にも、当然、共産にも無理なわけで、確実に維新・橋本というチームが成し得た実績かと。

 

結果的に彼はこの事実を受けて引退を表明しているわけですが、僕は、そのことの方が残念だと思う。

 

コメントに「対話」という言葉を使ったわけですが、もし誤解があったなら時間をかけて説得すればいい、もし誤解ではなく、本当に問題があったならそのことを修正していけばいいわけで。

 

こういった極端な意思決定は往々にしてワンマンなチームに起きうるわけなんだけど、その原因は、僕は周囲のメンバーの責任も大きいと思う。

 

彼がいなくなれば確実に維新という組織は瓦解し、おそらく維新がやろうとしていたことも同様に水疱に帰す、そして、その後維新のような目的や目標を持った組織が現れても、この維新という前例と比較され「あの維新がだめだったものを彼らがやれるのだろうか」という目で見られることとなる。

 

つまりは、この道を進むという手段は、おそらく余程の人材が出てこない限り彼を擁する維新でしか成し得ないわけで、そう考えた場合、本当にこの大阪都構想というものが必要であったというならば、彼をここまで追い込んだ活動にすべきではなかった。

 

活動のあり方も適正だったのだろうか。

彼がすべての責任を一身に背負っているわけだが、都構想という規模の話であればそんな幼稚な体制では成し得ないことはわかっていたはず。

仮に住民投票で可決されても、その後のプロセスを想定すれば、もっと多くのキーマンが必要だし、支援者や支援母体もこの程度の規模では物足りない。

 

変革を望むなら、少なくともその変革の実現に向けた十分なチームが必要だし、維持派よりもよりアクティブで多数派となるようなチームでなければならばい。

 

どう考えてもその点で十分な結束があったようには思えない。

 

私から見るこの結果は、すべての行動を橋本氏に一身に背負わせ、彼の意見という見せ方をしてしまったことが最大の失敗で、その結果が活動全体にも影響を及ぼし、後一踏ん張りができなかったのではないかと思う。

 

小泉首相郵政民営化の際に、「やるか・やらないか」という非常に単純な争点で選挙を戦った。

 

しかし、あの時と今回のケースは全く異なる。

 

今回は少なくとも地方の住民投票で生活直結型のものであったわけで、都市部と地方という軋轢もなければ、争点の緩和もできようはずもない。

 

つまりは、個々の争点について橋本氏を中心にきめ細やかに反対派と対話し、その問題点を議論し、説得できていればもう少し風向きは違ったのではないかと思う。

 

そのことを行うには、もっと彼の考えを理解し、代弁し、動けるキーマンが必要だったが、見ている限りはそういった情報は全く周囲で聞かれることはなかった。

当然、応援する声や支援者というものは多少聞こえてきたが、橋本氏の力に頼りきりで橋本氏に続く誰かやそれをさらに支援する組織はなかったのではないだろうか。

 

もっと言えば、大変失礼だが、改革や変革とは点ではなく線で対応するものだ。

変化を起こすということは、変化を起こした時以上の労力をそれから数年、数十年常に継続して負うこととなり、それに常に熱量をおもって対応する必要がある。

 

その点を考えても、この1回の否決を持って否定されたという結論は私は違和感を感じるし、その程度の必要性だったのであれば否決されても仕方ないのかなと思う。

 

仮にその程度のものであったのであれば、この住民投票で賛成多数になったとしても、その後に起きる様々な負担を結局は橋本氏頼みで解決することとなり、実際に実現に至る可能性は限りなく低かったのではないかと思われる。

 

そういう点を考えさせられる結果だったと個人的には思う。