何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

派遣社員と派遣社員を取り巻く環境についての個人的な意見

 

羽田圭介「断るつもりで出演料上げたら2.30万」←就活生も見習うべき - 人生は暇つぶし

派遣社員を派遣会社の許可なく直接雇用するのは契約違反だけどね。一応、営業チャネルを開拓する費用は派遣会社側が負担しているのでそのコストを無視して合理的というのはさすがにアホかと思う。そこは仁義通せと。

2016/06/05 04:13

 

こちらのコメントについて id:me5655 氏より以下のようにコメントいただきました。

 

羽田圭介「断るつもりで出演料上げたら2.30万」←就活生も見習うべき - 人生は暇つぶし

id:sin20xx 派遣社員を契約期間中に直接雇用に転換するのはまずいけど、派遣契約終了後に直接雇用するのは問題ない。派遣契約で派遣契約終了後の直接雇用を禁止することはできない。 http://www.njh.co.jp/magazine_topics2/gt33/

2016/06/05 12:22

 

 まず、言及されている事自体はそのとおりです。

私のコメント自体も元記事の以下の点から少なくとも離職前であるとの判断をしています。

 

  • 『この方は以前、派遣されて会社勤めしていたとき、月収20万円だったのを、30万円にした』との記述
  • 『単純に派遣先に「派遣会社を介さずに直接雇用してくれ」と頼んだら、あっさり30万円で雇用された』との記述

 

 以上の2点を読み、もし完全に離職した後であれば「派遣されて会社勤めしていたとき」という部分が気になる事、そして表現として「派遣先に」となっていますから、雰囲気的には派遣社員との契約延長に関する面談時に継続しない旨打診し、その際に、直接雇用の申し出をしたのではないかと感じています。

当然根拠は文脈から感じる、という以外ないのであれですが、一般的に派遣社員の方は連続して勤務を行う(現在の職場を離れても、次の仕事を空けずに行うため)関係から、通常は離職日が決まると次の案件の相談を派遣会社の営業担当者と行います。派遣会社の営業担当者はその本人の意向を確認し、希望する職種や希望する条件で仕事を探し本人に紹介するわけです。

 

ですから、完全に離職してから、派遣会社との契約の満了後に、改めて元派遣先に赴き、もう一度私を、今度は直接雇用しませんか?という事はゼロではありませんが、給与の間隔やそれが相手に否定(派遣会社と派遣先会社の関係もあるので、多くの企業では一応その点は契約上瑕疵なく処理したがるので)される事も考えると、完全離職してからではなく、それ以前に交渉を開始していると考える方が全体の流れからいって合理的かなと感じます。

 

まぁ、結局は本人の素行の問題なので結果としていずれでもよい(離職前でも離職後でも)とは思いますが、僕はあえてこの話はいい話として理解すべきではないと思います。

 

まず前提として、私の派遣社員を取り巻く環境に対する意見はこれまでも何度も記事にしているように、派遣社員はリスクを執る雇用形態ですから、本来はその分月収が高くあるべきだと考えています。単純な月収で比較する意味はありませんが、例えば、一般の正社員が月収20万で雇用されているならば、離職リスクの高い派遣社員はそれ以上、例えば、30万で雇われるべきというのが私の考えです。

企業からすれば、その分雇用に柔軟性が増し、自社の事業規模や状況に応じて雇用を調整できるわけですから、その点の関係はただすべきという考えです。

 

その前提で、派遣社員という選択肢が自由な働き方の一つとして、今のような正社員より下のような風潮や不安定さしかない職種のようなイメージや実態から脱却するとして、そのときには十分個人が自ら選ぶ選択肢として正社員に代わる選択肢になると感じています。

 

同じ職場に常にい続けることがストレスにならない人もいるでしょうが、人間関係に疲れる人いるでしょうし、また、自分の適正を図る意味で、いくつかの職場や仕事に触れてみたいという人への環境を提供するすべにもなると考えています。

 

当然現状は現実と理想のギャップが一方的に派遣社員に不利益に働いているという事実がありますから、その条件が揃わなければならないという問題はありますが。

 

で、そういった問題が改善される、改善するという取り組みを進める上で重要なのは、利害関係者の相互理解です。

 

当然派遣会社も企業なので利益は出さなければなりません。もしも信義に反する行動をとることを派遣社員が当たり前、自分の権利として行使するようになってしまえば、派遣社員と派遣会社の関係は破綻し、結果、より今よりも保守的に派遣会社はリスクを算定するようになります。

結果、派遣社員の雇用条件はより不利益なものとなり、その働き方を選択肢として捕らえる事は到底できなくなってしまいます。

 

いつ、どのように、どの程度改善されるかという点は明らかではありませんが、現在の労働人口の縮小は確実にそういった新しい働き方について有利にはたらきます。

問題としては外国人労働者の受け入れが先に行われた場合に、国内労働者の労働環境の改善が進まないというリスクがありますが、この点は政府の思惑もあるのでいかんとも言いがたいところです。

 

ですが、少なくとも、もろ手を挙げて「派遣社員も自分で直接雇用を申し出れば給料アップするのでみんなやるべき」などとはいえませんし、あと、私が知っている現場では、派遣社員を直接雇用に切り替える際、少なくとも正社員にする会社もありましたが、少なくない企業で正社員ではなく契約社員としての採用をしているところも多いのです。

 

結果、派遣社員であれば時給アップは派遣社員の営業担当者が代わって交渉してくれますが、契約社員の契約改定は自らなぜ契約額を増額してほしいのかを説明し、勝ち取らなくてはなりません。

 

また、勘違いしてほしくないのは、確かに10万円が同じ条件で単純にあがった、というケースであればよいのですが、正社員化する際に、みなし残業制度を利用した雇用とされた場合、労働時間によっては派遣社員時代よりも手取りが減る可能性があります。

 

これは、派遣社員の場合は常に時給計算である事が多いわけで、当然、超過労働、深夜残業は派遣会社を通じてその時間に応じて支払われます。

 

これがみなし残業制度を利用された場合、支払い賃金に予め一定の残業代を含むこととなり、結果、同一労働時間で比較した場合の賃金が、一定時間の労働を行った瞬間に逆転してしまいます。

 

正社員化する場合は、実はこういったさまざまな条件や設定について綿密に調整・確認しなければならないというのが実態です。

 

これらの交渉を一度契約が満了してから、あらためて直接行うというのはかなりリスクが高く、また経済的負担(離職しているので給料はでませんから)も大きくなりますので、その点から考えても誰でも選択すべき話でもありません。

 

この部分が実は派遣社員に対して派遣会社が負担している事務でもあり、これらの調整を派遣先候補の企業と行うのが派遣会社の仕事であり、負担している交渉コストとなります。

 

派遣会社とはこの部分を負担している現実もあるので、私は信義に反するものは行うべきではないと考えますから、まぁ、このケースではどちの状況かはわかりませんが、単純にこの記事のような事を「みんなどんどんやるべき」的に吹聴するのは正しいとは思いませんし、その結果、上記のように本人が結果的に調整漏れや調整不足により、結果的により条件の悪い中で同一労働をしなければならないという不幸に陥らないためにも、そういった事実と併記して書くべきだと思います。

 

ですので、仮に信義に反しない手続きであったとしても、そういった複雑な部分をしっかりとレポートしないのであれば「合理的」などと安易に思わせ間違った判断をさせるような記事とすべきではないと考えますので、コメントとおり私は考えています。

 

結局、法律上問題がない、という事だけで議論するなら、一部の企業(かなり多くの企業ですが・・・)が行う、直接雇用にするので、という甘い言葉で結果契約社員として働くことになったケースや、実質手取りが下がったケースなども合法的なやり方となりますから、あまり私は法律上という単純な考え方で物事を推し進めるのは会社にとっても雇用される本人にとってもあまりよい点がないと思いますので、その点を考えてもこの記事のような短絡的、誤解を含む事を、当たり前の権利として吹聴するのは労働者にとってリスクが高すぎると考えます。

 

そもそも労働者や消費者のある意味最後に拠り所となるのは、実は、弱者であるという点になるので、その事すら法律上は問題がなかったとしても、という前提で救済措置として講じられるものですので、その点を鑑みても、あまり法律上問題がないというだけで推し進めるのは良策ではないと考えます。

 

それが私の派遣社員派遣社員を取り巻く環境についての意見となります。