何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

そもそも"郵便番号の"データしか配布していないと思うのですが・・・

 

日本郵便が公開する郵便番号データをそのまま利用するのがなぜ難しいか。そして、住所から郵便番号を求めるのがなぜ難しいか[PR] - Publickey

というか、これ若干郵政側に同情するのは、そもそも"郵便番号の"データなんだよね。郵便番号に該当する住所の情報をデータとして提供しているだけで、"住所別郵便番号の"データを提供しているわけではないんだよね。

 

いや、二つのCSVの仕様が異なるとか、根本的に問題はあるんだけど、なんとなくIT関係者っぽいひとが短絡的に「データおかしいよね」というのは見ていて日本のIT界隈の弱さが露呈していて辛みがある。

 

データとは提供側がその仕様について目的を大抵は明示しており、そこから派生・拡張した使い方はできるものの、それは、まぁ"がんばって"という事でしかない。

 

今回の件でいえば、そもそもこのデータは郵政側のページでも同様のデータをほぼ使っており、例示にある「141-0001」であれば、別に郵政のページでも「北品川(5、6丁目)」として表示される。

 

つまり、郵政側が行っている事は、単純にこちらで持っているデータを折角だから使いたい人がいるなら使っていただければ、という配慮であって、別にそれ以上のものはない。

 

確かにこのデータ社会でその程度の意気込みでデータを配布するな!と言いたくなる人もいるだろうが、ふり返って見れば、このデータが配布された事で正直かなり救われているのも事実(少なくとも僕は)。

 

というか、このデータには結構特徴があるので、何度か仕事で使った人は更新用のツールを時前で作っている人も多いし、それは例えば全銀データであったり、その辺の対応とかも似たようなものなんだよね。

 

お前、全銀データなんて10万とか取るくせに糞みたいな仕様だぞ、という話しは置いておく。

 

で、こういった出し手と受け手の思惑の違いは間違いなくストレスになるわけですが、そこで短絡的に「お前の頭がおかしいから」といっては行けない。

 

企業側としての選択肢は「提供する」「提供しない」という基本的な選択肢があり、次に提供するとしても「企業側の運用負担をどの程度うけいれるのか」という問題がある。

 

ここで、極端な要望をすれば、企業側によほどの利益がないかぎりは「提供を続けない」という事になる。

 

郵便番号データに限らず、例えば、休日・祝日の情報についても、正しくは然るべき場所に法律として定義されており、それと合わせて業種別に適用すべきカレンダーがあり、それも法令により予め定められているようなものもあるので、データを作るというのはそういった過程を経ているわけです。

 

当然、企業側がデータを提供する事で利益を得るものであれば、それは有償・無償とわずそれなりのクオリティで頂くべきと言いたいところですが、郵便番号データについては、そもそもその価値について比較的疑問が残る。

 

例えば、法人利用について言えば、大抵の場合、個人の住所情報に紐付くモノで、金銭の授受や何らかのサービスの提供という契約を伴うものを除けば、ほとんど必要はない。

つまり、そういったある目的をもったサービスや事業において、例えば住所の入力をサポートするという企業側の努力すべき事項であり、それはそもそも無償提供しなければならないものではない。

 

当然、より良いモノが提供されることは、全体の社会的コストを低減できるので、実は非常に有益な事ですが、それですら強制すべきことではない。

 

そして、われわれIT関係者というのは、実はそういった社会的問題を如何に効率的に解消するかという事がある意味命題であって、誰かがやってくれたら僕はそれを使いますから、であれば、それはもう社会的枠組の中では単なる利用者に過ぎないので「データの仕様として云々」などと偉そうな事をいうべきではないかと。

 

改善すべき所の指摘程度はあるべきだが「頭おかしいよね」というほどの苦言を呈するのであれば、その賢い頭で解消してさしあげればいいだけの事かと。

 

このあたりのコメントの質や流れを見ると、賃金以前に日本のITスキルはもっと底上げしていかいない、こういった不便を解消するコストをいつまでも負担しつづけなければならないなぁと思った。