何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

イタリアGPにおけるフェルスタッペンとハミルトンのインシデントに関する個人的な考察

スプリント予選から含め、想定していない結果が続き、決勝レースでも本インシデントを含め、予想外の事が続いたイタリアGPだったと思います。

(追記)

今正式な結果がドキュメントとして公開されましたね。

結論としてはフェルスタッペンの責任であると。

私の予想で上げたエントリー時点の審議はしていないようですね。

だとするとコーナー中の進路に関する審議のみとなりますので、そうなるだろうなと。

ただ、これは遺恨を残しそうな結果ではありますね。

結局事故を起こしてもコースに留まれば影響は限定的で、グリッド降格ペナルティは受けず(イギリスGPのハミルトン)、一方でレースをリタイアした場合は、レース内でのペナルティを科すことができないので事故の原因を作った側が次のレースでその責任を取るというモノ。

ちょっとこれはルール改訂しないと、今後もファンの対立を生みそうな気がします。

今年若手に押されれていたリカルドが満面の笑みで表彰台に上がった姿や、明らかにやりたくないシューイをのリスクも笑顔で受け(その後、後ろを向いて吐き出す…)、ザクも振りだけで済まそうとしたところを、リカルドに口元までシューズを近づけられ、逃げられなくなった事も含め、唯一の救いだった気もします。

 

さて、26週目に発生したターン2でのインシデントですが、現在FIAによる聞き取りが行われており、この後結果が発表されるとは思いますが、個人的な意見を先に述べたいなと。

 

まず、結果だけを見れば、非常に危険な結果であり、私のようにフェルスタッペンを応援する人間から見ても、兎に角ハミルトンに怪我がなく(今のところ入ってきている情報では、痛みはあるが、特に大きなケガはないとの事)、大事に至らなかったことは何よりですし、イギリスGPの件含め、こういった事は起こるべきではないと考えています。

 

その上で、インシデントの原因について自分なりに整理したいと思います。

 

まず、整理すべきポイントはターンエントリー前とターン中の二つがあります。

 

まず、ターンエントリー前について整理します。

ピットレーンからアウトし本戦合流を行うハミルトンに対して、ノリス及びフェルスタッペンはホームストレートから本線を駆け抜けている状況でした。

ポジション的には、ハミルトンがピットレーン出口のホワイトラインエンドの時点で若干前にいました。

一方で、映像を見てもわかりますが、ハミルトンに対してブルーフラッグが振られており、これは同コースではピットレーン出口とターン1の関係から、本線合流を安全に行う為に行われており措置だと思われ、最高速を出している車の前にピットアウトした車が合流する際、安全が確保できない状況ではブルーフラッグにより安全を確保する為の行為だと思われます。

実際映像を見ると分かりますが、ハミルトンはホワイトラインエンドから急激にフェルスタッペンに幅寄せしており、この行為は非常に危険です。

ターン1の入り口時点でハミルトンが前で優先権があるという意見はわかりますが、それが正当化されるためには、そもそも合流時のハミルトンの行為が正当な行為であったのかという点についての審議の影響は大きいかと思われます。

仮に、あのブルーフラッグは関係ない、又は本線合流の仕方についてなんら問題はなかったとされればターン内での整理に単純に移りますが、もしもあのブルーフラッグをハミルトンが見落としていた、又は確認していたが結果として対応しなかったという事であれば、事故の責任はハミルトン側にある事がおそらく認定されることとなります。

 

ただ、個人的な意見で言えば、争うライバル同士がピットアウト時にラインを締めるという行為は、今回に限らず結構頻繁に行われており、今回だけが明らかに悪質であるかと問われるとそこまでの行為とは思いませんが、ただ、本コースの特性(ターン1に対して最高速で突っ込む危険なポイント)を考えると、少なくともクリーンな対応でもなかったですし、恐らくドライバー視点で見るとあれは結構悪意のある行動(少なくとも意図的に閉めにいっている)と直ぐにわかりますから、あまり心証は良くないかと思います。

いずれにせよ、ちょっと判断しかねますが、ブルーフラッグが出ている状況であの寄せ方は審議の中で印象は悪く、ハミルトンが不利な状況かなと思います。

 

次に、ターン中、つまりターン1からターン2の間のラインで言えば、結論としてはハミルトンに優先権はあります。

その為、前述のターンエントリー時点での整理が問題なかったとすると、少なくともフェルスタッペンは遅れてターンインしている事から、ちょっと状況としては不利かなと思います。

ただ、フェルスタッペンの言うスペースがなかったという言い分自体はその通りで、ハミルトンファンからすれば、フェルスタッペンはさらにイン側に入る(つまり一度コースアウト)余地があったというでしょうし、その理屈であれば、インに入られたハミルトンもまだアウトに進路をとる余裕はあった事になります。

少なくともラインだけで言えば、フェルスタッペンはターンインした時点では並んでおり、その時点で1車体分のスペースを残す努力は双方(レギュレーション上、優先権は有りますが、それはスペースを残さなくてよいという話ではない)に必要となりますから、その点で言えば、フェルスタッペンの言うスペースを残してくれなかったという言い分はわかります。

 

が、その後の結果を見ると明らかに心証は悪いでしょう。

結果として危険なクラッシュとなった原因はハミルトンとフェルスタッペンの後輪同士が接触した結果、後輪がバウンドしあの体制になった(DAZNでは縁石に接触した為とありましたが、恐らくそれ自体は進路への影響はあったと思いますが、バウンドした原因自体は縁石ではなく後輪同士の接触ですね)わけで、故意に行った事はないでしょう。しかし、一歩間違えば明らかに大事故につながるインシデントである事は事実ですから、その点で言っても、結果的にターン中のインシデント自体の原因については基本的にはレーシングインシデントであるものの、おとがめなしとできるレベルであるかというとなかなか難しい事ではあります。

恐らく、ターン中のインシデントだけを議論すればフェルスタッペンに対してペナルティがでる(つまりインシデントの責任はフェルスタッペンにある)事になるかなと思います。

 

結局、この審議のポイントはコーナーエントリー時点でのポジションとエントリーの仕方についてFIAがどう審議するのかという点かなと思います。

コーナー中の点自体で言えば、正直映像や結果はショッキングですが、接触事故であるにすぎないですので、事故の危険性だけで言えば、イギリスGPの行為の方が危険性は高いです。

 

あの高速コーナーで接触すれば、明らかに生死にかかわる事故に至る事はドライバーであればわかる話です、流石にそれはハミルトンも否定はできません。単純にハミルトンはフェルスタッペンを自分は抜いたのでフェルスタッペンが引くと思った、と言っているだけなので、あのコーナーでの事故の危険性自体は理解しています。

一方で、このターン1自体は大事故になるというポイントではなく、そもそも急激なブレーキングでオーバーランするような事はあったりしても、ターン中は既に減速後の状況ですから、今回のような特別な事情が発生するのは、運がわるかったとしか言えないでしょう。

もっとも、運が悪かったとしても、当然の事として結果として生死にかかわる事故が起きてよいわけではありませんが。

 

私的には、この事故の一番の問題は、イギリスGPでのFIAの対応だったかなと思います。

あのような事故を起こした上、さらに次のハンガリーGPでもあのような事故が発生しているわけで、本来はハミルトンもグリッド降格ペナルティやより重い裁定が下されるべきものでした。

結果として、単純なタイムペナルティのみしか科さなかった為、争うドライバーからすると相手も引かない、ひかない事に対してFIAは特段問題としないとすれば、こういった接触が発生する事は言うまでもありません。

 

なお、一部はフェルスタッペンのドライビングが荒いからだという人もいますが、ペナルティポイント含め、フェルスタッペンは全ドライバーの中で非常に少ないペナルティポイントでドライブしており、昔と今では全く違う状況です。

イメージだけで誰が悪いというのは簡単ですが、この事故や事故が起きる状況は、そんな単純な話ではなく、もう少し複雑で、且つ、ドライバーにとって引けない状況もあるわけで、そこも含め、危険行為に対して明確な意思を示していないFIAの責任は大きいと私は思います。

 

結果がどうなるかはわかりませんが、個人的にはちょっとハミルトンの分がわるそうな気もしなくはありません。

40%程度がレーシングインシデント、35%がハミルトンの合流に関する行為が問題視される、25%がフェルスタッペンのコーナー中の進路が問題だった、という感じでしょうか。

 

いずれにせよ、あまりにも危ない結果に至る前に、FIAはもう少し真面目に対応を考えるべきだと私は思います。