何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

土建もITも全体を見れば大して変わらないというお話

 

#6@『永久パピルス』 on Twitter: "実際両方経験してる身としては、IT業界の人は土木建設業界に勉強しに行っても良いのではないかと強く感じるしなぁ。 特に契約まわりの差が歴然で、土木エンジニアがIT業界の契約書見たら『素人さんの口約束?』となる感じ。そりゃトラブルも起… https://t.co/7p6Pz6B3KO"

この話題は相当ズレてる、土建系のDXに絡む話しにも参加していたが、IT同様上流から中流程度はそれなりに法対応しているが、中流から下流は法律どころか管理もしてない。具体的には現場の稼働人数も把握していないよ

 

一連の投稿を見ると、建設業の方が法律だけで無く実務面も含めしっかりとした契約形態が取られており、ITと比較されるのは心外だと両方の業種を経験された方が発信されている。

 

私も3年程前から昨年にかけて実施には到らなかったものの、建設業に関するサービスの起ち上げを企画していた事があり、その関係から建設業のお客様数社と情報交換をしたり、DX的な視点でのサービス企画を立案する等いろいろと建設業との情報交換をしていた。

 

私が理解した事は、建設業も結局末端が全部調整しているだけで、ITとなんも変わらんという事だ。

 

例えば、ある建設事業があったとして、確かに建設に関わる契約は色々と法的制約もあり、承認取得から工程に応じた契約進行等、色々と体系化されている事は事実です。

が、これ自体はITも同様で、数年前から発注と検収に関しての整備も進んでおり、さほどさはない。

が、両者の違いは、前者は法律で厳格に取り決めがあるので、仮にそれが書面上の話しであってもとりあえず一式の書面が揃わないとならない事に対して、後者は詳細な部分に関しての法律の規制はない為、形式上整っていれば進むという事だ。

 

この部分的な側面だけ捉えると「お、建設業の方が圧倒的に進んでるじゃん」と勘違いするが、そんな事はない。

 

具体的には、そもそも建設事業/計画というのは、大手が上流で作った契約で全てが進むわけではない。実際には、そこから細かくそれぞれ専業の業者に仕事が発注され、その結果が一つの成果として建物としてできあがるわけだ。

 

ではその細かい契約や管理が末端まで行われているのかと言えば、そんな事はない。

 

極論言えば、稼働管理一つとっても現場により千差万別ではあるが、私が直接伺った現場では、所謂下受けの元請会社に雇われ親方が沢山おり、その雇われ親方の元に沢山の作業者が集まって現場が回るわけだが、例えばその稼働一つ一つに契約的側面での指示や計画があるかと言えばそんなものはない。

当然、親方の上に別な指示命令系統があり、その日の工程は管理されているが、その話しと現場の稼働は当然一致しているわけでもない。

例えば、その日何人の人がその現場でどんな作業をするのか/したのかという事を本部で管理しようとすると、最初にぶち当たるのが「そもそも誰がそこにいたのか」をどうやって管理するかという事だ。

現場や会社にもよるが、原則現場の管理は現場の雇われ親方に一任されている。

これは報酬の支払いすらそこをとおる現場が多いという事も衝撃だった。

例えば、本社は雇われ親方の報告や指示に従い必要な作業員の配置を決め、翌日以降の現場の配置計画を決めるわけだが、その日そこにだれが本当にいたのかは確認していない。確認はしていないが原則報酬は満額支払われる。親方のところに。

で、親方から作業員に対してそれぞれ報酬が渡されるわけだが、当然その日現場を間違ったり、いない人間もいるが、その状況も現場の親方の報告次第である。

 

これを聞いて、それ、発注費用だったり必要工数が合わないのではないのか?という疑問がIT畑の人間でも気づくが、そもそも上が設計した工程や想定している計画に全部従う事はできないとは言わないが、現実的にはそうはならないらしく、ケツが合う状況でれば基本は良いと言うことらしい。

より踏み込むと、例えば部材の発注に関しては元請けが提供する場合とした上が調達する場合があるが、どちらの場合でも部材が不足した場合、結局はした上がフォローする事になるという事で、これもまた「いや、それ工程管理も品質管理も破綻してるでしょ?」という指摘に繋がるわけだが、結局仮にそこで補填を依頼しても予算の枠がないので調整されるだけ(何処かで補填するための予算を作るだけで、別に全体の予算が膨らむわけではない)で、結局は同じ事だというのだ。

 

当然これは、私がお話を伺った、大阪、群馬、千葉の業者とそれに関わる現場のお話だが、私が直接見聞きし関わった経験で言えば、結局どっちも上流から中流程度までしか整理されておらず、事業全体を見れば、差なんてないよ、という話しでしかなかった。

 

どっちも上は「こうすべき」という理論や理想を持っているが、実際にその歪みがでたときに調整する仕組みはない。

 

私からすれば、建設業が見た目上整って見えるのは法律の関係でそうなっているだけで、むしろそれが末端まで伝播していない時点で「どっちも一緒で、どっちも反省しろ」としか言えない。

 

元ネタの発言で言うほど、建設業が真っ当だったら、僕の仕事も楽勝だったと思うんですけどね・・・。