いよいよF1の2022シーズンが開幕しました。
昨年は結果として予想通りフェルスタッペンが戴冠という結果に至りましたが、今年は昨年以上に混沌としている雰囲気があります。
プレシーズンテストを見る限りはフェラーリは速そうですし、そのコンセプトを模倣しているハースも中段では争えるレベルにありそうです。
マクラーレンはスペインテストでは好調でしたが、バーレーンテストでは一転して問題との闘いとなり、今年は昔のレッドブルと同様にドライバーの腕だけでの戦いの予感がします。
アルファロメオはポテンシャルはあるものの、やはり信頼性との闘いでしょうか。トラブルなく完走できるレースではセカンドトップも狙える可能性はありますし、昨日のFP2の結果やプレシーズンテストのペースを見ると、ボッタスは燃えてるな、という感じですね。
アストンマーチンは完全に謎で、決勝を見るまでさっぱりわかりません。
予選想定もいまいちでしたし、ロングランもそれ程速くなく、一方で、何が悪いのかという事を断定できる程の情報もありません。何よりベッテルがコロナ陽性の為出走していないですから、流石にピンチヒッターのヒュルケンベルグの走りからポテンシャルを探るのは難しく、さらにストロール自体もそれ程速くないので、完全に謎です。
ウィリアムズは思いのほか厳しいのか、タイムシート上は予選想定もロングランもいまいちでした。
アルボンに関しては、まだ実践の感覚が戻っていない感じがしましたね。彼はアグレッシブな運転をしますから、もう少し実践の感覚と、今年のマシンへの慣れが必要な感じがします。
アルピーヌに関してはマシン性能自体は特筆するものがないものの、今年のマシン特性上、アロンソの走りとの相性は良さそうで、ドライバーの経験と腕でポイント圏内での勝負はできるかな、という感じです。
あとは新設計のエンジンの信頼性とバウンシング/ポーパシングがメルセデス程ではないものの比較的見えやすい形ででていたので、その影響が信頼性に与える部分についても案外勝負に影響するかもしれません。
アルファタウリについては、プレシーズンテストではポテンシャルがありそうでしたが、昨日の結果を見ると、今年は厳しいシーズンになるかもしれないという予感が伝わってきます。
ロングランが絶望的に悪く、特にタイヤへの影響が昨年同様に大きく、デグラデーションの影響から仮に序盤に前にいても、中盤から後半には抜かれる、そんなレースになりそうです。
予選想定の状況としてはどうもセッティングのウィンドウが狭そうで、ハマれば一発の速さはありそうですが、外すとポイント圏外の下位スタートとなり、その上前述のとおりロングランが厳しい状況ですから、ちょっと粘り強くポイント獲得を目指すという闘いとなりそうです。
角田君については、今年のマシンにはあっていそうなのですが、昨年同様にタイヤの使い方(使い方はうまい選手ですが、マシン、つまりアルファタウリのマシン特性上での上手な使い方)を向上させる必要があり、それがおそらくはガスリーとの勝負の分かれ目ではないかと思います。
来年を考えるとポイント獲得数よりもチームメイトに勝つかどうか、特にガスリーは来年はチームを離れる可能性が非常に高いので、何とかチームメイトに勝てさえすれば、残留は可能ではないかと思いますので頑張ってほしいものです。
メルセデスについては、こちらもアストンマーチン同様に謎です。
バウンシング/ポーパシングが酷いうえに、昨年強かったコーナーでの速度や安定感が完全に失われており、これ、エンジンパワーだけで戦うの?という雰囲気がでてきています。ただ、今年のマシン特性上、エンジンパワーだけで戦うのは事実上無理なので、早めにバウンシング/ポーパシング対策を施した上で、適切なダウンフォース量を見つけ出し、安定感を取り戻さないとちょっと厳しいかなという雰囲気です。
ゼロポッド/ゼロサイドポッドの効果は今のところ謎で、バウンシング/ポーパシング対策が効果を発揮してからでなければそもそも良し悪しの判断もできなさそうです。
同様にエンジンについても今のままだと最大出力セッティングは難しそうで、昨年のようなストレートで圧倒的なパワーで抜き去るような戦い方も難しく、ちょっと今のままでは勝負にならないかなという感じです。
まぁ、数戦戦えばそれなりの形に仕上げてくると思うので、その時点でフェラーリやレッドブルが抜け出しているのか、それとも横並びの戦いが始まるのか、どうなるかという感じですね。
そもそもハミルトンに至ってはDRSも動いていなかったようですから、あれが意図的な操作(バウンシング/ポーパシングが酷いのでマシンダメージを抑える為にあえてDRSを使わなかったのでは?とも考えています)でないとすると信頼性にも問題があるのかもしれません。
何より、個人的にはゼロポッド/ゼロサイドポッドでメルセデスエンジンの冷却が本当に間に合うのかというのが謎で、結局戻すのでは?とも考えています。
ラッセルはいわゆるメルセデス初の育成からの昇格ドライバーでもありますから、ここは是非ハミルトンと良い勝負をしてもらえればと思いますし、何より、今年のマシン特性はラッセルの方があっている感じがしますから、案外良い勝負になるのではないかと思います。
最後にレッドブル。
今のところ安定していますね。
予選想定ではもしかするとフェラーリの方が速いかもしれません。
理由としては安定性の部分ではフェラーリの方に分がありそうで、結果として短い中で確実にタイムを出すという意味ではフェラーリの方が確実性があり、且つ、ある程度マシンのポテンシャルを発揮できるウィンドウが広そうですから、安定的な性能を発揮できるのでは、という予想です。
一方で、レースペースではレッドブルが今のところ最速で、恐らく決勝ではフェラーリよりもラップ毎に0.2~0.4秒程度は差をつけそうな雰囲気もありますから、仮にこの実力がそのままであれば、予選はフェラーリ、決勝はレッドブルという感じで進みそうです。
今年の予想は難しいですが、何となくドライバーズチャンピオンはフェルスタッペン、コンストラクターはフェラーリかな、という雰囲気がしています。
フェラーリの強みは二人のドライバーが同じぐらいの実力で、特にサインツはレースでは場合によってはルクレールよりも速く、安定しているという特徴がありますから、確実に二人でよいポジションでフィニッシュできそうな気がします。
一方のレッドブルは昨年よりは安定性が向上していそうですが、それでもドライバー間の運転の仕方、好みという点の差が他チームよりも大きく、結果としてポイント差がついてしまうのかな、という予想です。
早い段階でペレスがフェルスタッペンに迫れるようであればコンストラクターとしても勝利が見えそうですが、開発もどんどん進むわけで、なかなか単純ではないかなという感じです。
まぁ、ぶっちゃけ今年の予想、難しいですね。
例年だとメルセデスとどこか、ハミルトンと誰か、みたいな予想でしたが、今年は正直わかりません。
ただ、タイヤ、ロングランペース、この部分は大きな影響を及ぼしそうで、昨年よりもポールポジションの影響は小さくなっているので、案外ロングラン設定に全振りしてもいいのでは?という考えがあります。
グランドエフェクトにより追走性が上がっていますから、正直前にいるメリット自体は昨年までよりも低下しています。
その上、タイヤをロックさせてしまう可能性が高く、足回りも今年は堅いですから、どちらかというと勝負はミスをするかしないか、そんな部分に影響されるかなと。
そういった意味でも、案外ロングランペースの向上とタイヤの理解、使い方の向上というポイントに注視すれば、予選では3位~5位程度でも余裕で優勝できるのはないかなという予想を立てています。
もっとも、上位チームが予選・決勝ともに断トツで速ければ何も劇的な事は起きないですが。
まぁ、いずれにせよ今年はなかなか混沌として面白そうなシーズンですね。
楽しみです。