何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

詳細でてるんだから憶測で批判する暇があればデータみればいいのにね

去年1年間の自殺者 全国で2万1007人 女性は2年連続増加 厚労省 | NHKニュース

男性の自殺者数に対する言及への反論で「昔から問題になってるわけで」という事で取り上げる価値が低いというならば男女にかかわらず持続的な問題点については通り過ぎた問題とすることになるがそれでよいのだろうか

ウクライナ問題しかり、何が原因とか、何を重視すべきとか、そんな話しはどうでも良くて、結局のところ自殺者がでているという事は、尊厳死という視点を考慮したとしても考えなくてはならない問題で、そこには男性だからとか、女性だからとかいらないから。

 

うざい。

 

で、データは毎年でていて、警視庁と厚生労働省のデータだったり、その他一部NPO的な団体の資料もあるけども、ここでは警視庁のデータを元に見てみる。

 

ざっくりとコロナ前の2018年の実績値から2021年の最新の値迄見てみると、要因別でみれば、女性の自殺の理由としては、家庭問題、経済・生活問題、男女問題の3つが最新の調査でも増加しており、雰囲気としては家庭内やパートナーからのDVだったり、あとは仕事が不安定というものが主な増加要因かなと思われる。

ただ、実は前年比の増加割合(要因数)でみると、DV関連が主な増加要因かなと思える。理由はそもそもの要因数として数えられている割合が高く、その上増加率もパーセンテージでは経済・生活問題が約107%(454人/要因数)であるのに対して、家庭問題が約105%(1,357人/要因数)、男女問題が約103%(346人/要因数)であり、ほぼ増加の要因はそこではないかと推測できる。

 

DV自体はコロナ以前から一定の割合を締めていたと思われるが、恐らくはパートナーの経済状態が不安定になった事であったり、仕事環境、就労状況の変化等により、これまではDVが発生していない環境もそういった影響を受け、DVに到ったという事も推測でき、この一面を考えても「男性の方が」とか「女性の方が」というくだらない議論をする意味はない。

 

結局のところ、この手の問題は複雑に絡み合う社会の中でそれぞれが影響しあった結果の一つの現象に過ぎないので、極論言えば、女性の労働環境だけ改善したところで、この手のDVに起因する自殺というのは簡単には解消できない。

 

逆に、男性の方は顕著に仕事関連が自殺原因であろう事がわかる。

経済・生活問題が約105%(2,922人/要因別)、勤務問題が約102%(1,628人/要因別)と、そもそも前年比で明らかに増加を示したのは、これらと合わせてその他の約112%(915人/要因別)だけであり、昨年の傾向だけを見ると男性の方が経済的な影響で自殺をしている事がわかる。

 

当然自殺者の要因として経済的な影響が大きいと言うことは、女性の側の家庭への影響だったり、パートナー間への影響のように派生するリスクも高まるという事が推測され、つまりは、経済の不安定さが大きく影響している事は見て取れる。

 

興味深いのは男性の経済・生活問題や勤務問題を原因とする自殺者はコロナが広がった2020年時点では前年比、つまりコロナ前と比較しても増加していなかったが、その後さらに1年経過した昨年時点では一転して増加となっている点。

女性の場合は2019年は前年比で減少していたものが、2020年、2021年と続けて前年比で増加に転じているので、コロナの影響により明らかに最初に経済的な影響を受けたのが女性に多かった事がわかる。

それに対して男性の側の数値は2021年に増加に転じている事を見る限りは、一見すると正社員が追って解雇されるなどの影響を受けたかのような印象を受けるが、データを見ると別に被雇用者が著しく増加している傾向にあるわけでもないので、そういった事情でもなさそうな印象。

 

要因数のデータは死亡者数の人数と同数というわけでもないので、単純にデータ事の比較が難しい。

 

ただ、被雇用者の割合が増えたわけではないとすると、経済が不安定になる中での漫然とした不安や、そもそも値上げ等により所得とのバランスが崩れた結果によるものなどが推測される。

 

仮にそれが原因だとすると、これは結構深刻で、今後もウクライナ侵攻に伴う余波で引く続き日本国内でも厳しい状況は続く事が予想され、その事からも自殺者はさらに増える事が推測される。

 

で、前の話に戻って、経済的不安定さが増とまた新たなDV被害者が生まれる事は否定できず、当然個々の対策は講じるとしても、全ての社会的な不安を払拭できるわけもなく、また、全ての事案を防げるわけでもないわけで、非常に悩ましい事となる。

 

結局のところ、この統計からわかる事は、経済的な事情はそれぞれの性別に於ける自殺の要因の比較的上位では有るが、それは直接的原因に限定されず、もしかすると間接的には相互に影響し合い、それが女性では家庭問題だったり、男女問題という要因に表れている可能性は否定できない。

 

そういった事を考えても、全体を見て客観的な意見を論じる必要があるわけで、男性は女性はという部分的な議論をする意味は、それこそ無意味であり、さらに言えば本質的な問題を見失うおそれすらあると私は思うが。