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何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

「ノーサイド」は不問に付すという意味ではない

 

大塚家具がおわびセール実施へ 勝久氏側幹部を「調査」:朝日新聞デジタル

これは当然やるべき。上場会社社員が特定株主とともに行動するとか常軌を逸しているし、そこに事前に署名した書類が存在するとかもはや普通の状態じゃないでしょ。むしろあの幹部社員の部下の方がかわいそうだわ…

2015/04/09 23:33

よんだ。

 

この話について「ノーサイド」って言ったくせに、みたいな意見がありますが、「ノーサイド」とは不問に付すという事ではありません。

 

まず、今回の一件、非常に象徴的なのは会長に従う幹部社員が会長の記者会見に同席し、さらには意に従うという書類に署名しそれを公開している事。

 

そもそも、当時の会長は社長職を取締役会の決議を経て解任されており、既に会社の経営権は社長に移っていました。この時点で、社員は会社についての陳情を行うのであれば、まずは会社組織内で行うべき話で、解任された元社長と同席し、意を示す書類を提示さらには記者会見に登場するというような行為は一般的な内規で認められません。

 

多くの会社は、会社の運営についてのルールがあり、仮に問題や疑義が生じた場合、そのルールに従い対応を行います。

 

これは、父親である会長が社長の座を追われた時の手続きもそうですし、今回の株主総会での提案の承認手続きもそうです。

 

少なくともあの時点で幹部社員と名乗る従業員は、社内の規定を無視し、公の場でそのことをさも正当性があるように主張したわけなので、少なくとも内規違反があればそれは律するべき。

 

一方で「ノーサイド」という発言があったじゃないか、という事ですが、これは、例えばああいった幹部社員以外にも会長の意見に賛同する人はいたでしょうし、また、会長の意見に賛同しなくとも、社長の意見に同意しかねる人や他の意見を持つ従業員もいたことが想定されます。

 

株主総会で提案について意を示すというのは、会社組織の業務から既に外れているものですから、その時にいずれの意見を示すというのは完全に個人の判断でしかありません。

ですから、その時、反対の意を示したとしてもそれは社員という立場において罰せられるものではありません。

 

あくまでもこれは正当な株主としての権利を正当な手続きで行使しているわけですからね。

 

ただ、当然結論はでますので、その後は仮に株主として意に沿わない結果がでたとしても、社員という立場に戻れば、そこは組織人として動くべきという話でしかありません。

 

これが「ノーサイド」という事です。

 

この話と、各種手続きやルールを守らなかった場合について混同し、なんでもなかったことにするといった意見は完全に誤っていますし、それは非常に危険な考え方です。

 

例えば今回は社員間でもおそらくは投票について意見の交換があったでしょう。

それが、株主同士の意見交換や調整であり、労働時間外に適切に行われていたなら全く問題はありません。

一方で、就業時間内であったり、社員持株会主催のミーティング以外(つまり、会社が認めている組織的活動以外)で社内設備や施設を利用して勧誘活動を行ったりしているような事実があれば、それは社内規定にのっとり罰するべきです。

 

ちなみに、大きく誤解している人がいますが、あの争い、父親と娘は同列ではありません。

 

父親は一株主として提案を提示しているにすぎません。

一方で、娘は会社提案としてそれを代表する形で提案を行っている状況でした。

当然、会社の提案内容は取締役会で承認されているものが出されているわけですから、常識的に考えて会社方針は娘の意見であるといっていいでしょう。

 

つまり、少なくとも父と娘という見え方をしているものの、実際には、株主提案と会社提案の選択という構図だったのは明白です。

 

このような事情もあり、少なくとも特定株主の意見に従う事は株主として参加している個人としては問題ありませんが、会社方針を無視している状況というのはガバナンス的にも大きな問題があります。

 

この部分をもしも無視して前に進むようなことがあれば、今後も同様の争いは絶えないでしょうし、おそらく、外部の株主はそんなガバナンスが効かないような会社に出資することなどないでしょう。

 

それを意見を持つという事からさらに一歩進み、会社組織の手続きを経ずに勝手に行動を行うという選択を行ったのであれば、会社の内規に違反する部分は適切に対応しなければなりません。

 

この選択はあれらの幹部社員が自らの意思で行ったものでしょうし、逆にあの中に強制させられてあのような行為に参加させられた従業員がいたのであればそれこそ強制した社員については厳しい措置を下すべきです。

 

こういった事情もあり、いずれにせよこの事は行うべきことで、むしろ行わないという選択をとるようであれば、もはや会社としてのガバナンスはまったく効かず、外部株主に対しては「当社はすでに秩序をもって組織的行動を行う事が不可能です」と宣言するようなものですから、行わないという選択肢はそもそも存在しないのです。

 

まぁ、記者会見にまで同席しているわけなので、それぐらいの決意だとは思いますけどね。

 

“強制”や“強要”という事がなければね。