個人的にはこの竜王位を渡辺棋士から奪った事は大きいと思います。
やはり近年で竜王位といえば渡辺棋士であり、代名詞でもあります。
渡辺棋士自身は強い棋士で当然あるものの、やはり竜王戦での強さは自身の勝敗の中でも抜きん出ている事は自身も理解しているでしょう。
永世竜王を羽生棋士が取得し、永世七冠となったわけですが、竜王の争いでも興味深いものがあります。
そもそも初代永世竜王の争いもこの二人によっておこなわれており結果として渡辺棋士が初代の永世竜王位を得るという結果であったわけです。
その後も竜王位は渡辺棋士を中心に常に争われており、結果として最多獲得数、最長連覇共に渡辺棋士のもつ記録となっています。
それ以外にも面白い戦いが幾つかあったり、それこそ大逆転という戦いが多かった事も記憶に強く残っているなど、なかなか竜王位の争いというのは面白いものでした。
このような事もあり、羽生棋士が永世竜王となるにあたり、その相手が渡辺竜王であったという事は面白く、そしてそうでなければという気持ちが個人的にはありましたので、まぁ、結果は出た話ですが、よかったなという気持ちです。
ただ、羽生棋士を脅かす世代として常に祝えているのが、いわゆる「羽生世代」の次は?という話しです。
羽生世代はもう終わりなのか?という話しがちらほらでるものの、こうやってやはりトップの座に君臨し続けているわけです。
昨今で言えば、故・村山棋士の話題もでるなど、やはりまだまだ羽生世代というのはその座を譲らないのか?と思わなくもないですが、嬉しいような、寂しいようななんとも言えない気持ちがあるのも事実です。
藤井棋士に限らず、実は今若手が凄く成長しており、言葉としてこそないものの「渡辺世代」を食い破らん勢いもあります。
わかる人にはわかるのですが、実はトップであらそう事よりも、より下のリーグから這い上がる事の方が今はとても難しいのです。それぐらい、本当に才能のある若手が多数いるのが近年の棋士界です。
いろいろゴタゴタもありましたが、良い話題も少なくないわけですから、より成長して、ファンを楽しませてもらえればと思います。