何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

KIBERAを見ると、サイジングそのものでは世界は変えられないという未来が少し見える

 

「ZOZOSUIT」への悔しさと感謝と、私たちはここからどう戦っていくべきなのかということ。|最所あさみ|note

一応突っ込みいれますと、女性であればKIBERAのブームが所謂サイジングというものであったのだが、あれも使っていくと結局はハーフオーダーの限界に直面するんだよね。結局はサイズの先の商品開発が課題なんだよねぇ。

 

いろいろと仕事をしていると、いろいろなネタに触れるのですが、サイジングをするサービスというのはもう既に幾つもあります。

 

もっとも、スーツを着て、というのは確かに目新しいモノの、今までもハーフオーダーであれば普通の服でもありました。

 

というか、そもそもZOZOSUIT自体が届かないとわからないのですが、身長と体重のみで採寸しており、おまえ、それ筋肉質な人はどないするんや・・・という阿鼻叫喚が聞こえてきそうです。

 

え、お前はスルーしたのかと?

いえ、注文していますが、なにか?

 

サイズを計測して、パーソナライズされた商品の提供という事で言えば、大衆化されたのはKIBERAあたりでしょうか。

 

所謂靴のハーフオーダーができる女性向けのショップで、最初の頃は採寸待ちで大変でした。

 

採寸自体は専用の機体に片足突っ込むだけという非常に簡単なものでしたので、時間はかからないのですが、如何せん人気すぎて・・・。

 

採寸データを元に、ある程度のパターンの靴に対して、好きなデザインとカラーを合わせるわけですが、なかなか難しい。

 

靴という特性もあるのですが、結局ハーフオーダーとなると完璧ではないのですよね。

なので利用者自体も満足度が最初こそ高いものの、結局は頭打ちとなり、リピート率は徐々に下がります。

 

これはサイジングそのものが問題解決の答えではないという事の表れでもあります。

 

結局、人はサイジングされたという体験であったり、ハーフオーダーという体験にこそ最初は感動しますが、その後は、商品そのものの満足度のみで評価するようになります。

 

この場合、サイジングされているモノという前提条件が付くため、実際は他社と比較するとそれほどの満足度ではない、という人が一定数現れます。

 

特に、足もそうなのですが、そもそも人間のサイズというのは千差万別です。

市販品は、ある程度、丈が長い、肩幅が狭い、首回りが云々など、試着するという手を使ってでも満足度を上げるという手段が可能です。

 

所が、ハーフオーダーの場合、既に採寸済みである為、その部分はスキップされます。

これは大した事ではないように思えるでしょうが、人間は、自分が納得したという工程を経ている時と、そうでないときは、明らかに前者の方が寛容なのです。

 

その為、同じ何かしらの欠点がある場合でも、採寸されているハーフオーダーの商品である場合、その「納得」という工程を経ていない為、満足度が低下するわけです。

 

靴であれば、結局試しに履いてみないとだめだよね、となるわけです。

 

これは、サイズ云々というよりも、人間の感情や感性の問題なのでなかなか厄介です。

 

また、採寸という事を改善しても、提供商品の個別化というのもなかなか難しいのです。

 

ハーフオーダーとしてしまう問題は前述のとおりですので、完全にオーダーメイド出会った場合は当然採寸の精度によるわけですが、そうなると今度はコストやデザイン性との兼ね合いとなります。

 

オーダーメイド化するには、それなりに汎用性が高いデザインで、加工もしやすい事が必要となります。

 

靴と比較しても洋服の場合は様々な部位のサイズが影響しますから、そのハードルはより高いモノとなるでしょう。

 

以前、スマホを使い採寸する技術の会社の話しを聞いたことがあるのですが、結局は課題は上記のような話しなんですよね。

 

人の評価、つまり消費者の評価は、採寸技術ではなくて、最終的なプロダクトの満足度で決まるわけで、なので製品・技術を採用いただくという事自体が必ずしも武器になるとは限らない、言い換えれば、その技術を採用し、より精度の高いサイズ情報を得ても、結局その精度の高い情報に見合った商品が提供できなければ、その技術を採用する以前よりも顧客の満足度は下がり、結果として事業に悪影響を及ぼすというものです。

 

ZOZO自体は自前でそれを実現するのでそういったジレンマはないのですが、個人的にもそういった課題をどう解決してくるのか楽しみでもあり、注文してみました。

 

新しい技術は必ずしも人を豊かにするわけではないというのは皮肉なものなのですが、そういったジレンマをどう解消するかというのが、これからの時代の技術者や技術をビジネスに転換する人の頭の使いどころになるのか、と思いますね。