何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

楽天モバイルの赤字は0円プランとは現状はあまり関係なさそう

楽天モバイル三木谷氏「ぶっちゃけ、0円でずっと使われても困る」

良いのではないかと。少なくともこれで回線負担や回線投資のコストは純粋に有料会員の維持にかかるコストに限定されるわけだから、これでも赤字なら、あなた達どんな事業計画で参入したんやと怒れらるのではないかと

他にも幾つかコメントしたけども、0円プランの終了は当初から想定されていたことなので、特段の驚きはない。

 

が、想像よりも早かった、具体的にはエリアカバー率が98%程度(4G)を越えるまでは維持するのではと思っていましたが、今年春に96%を前倒しで達成したという事で、ここら辺が限界という感じなのかもしれません。

正直、96%程度だと、何かあると繋がらないエリアに遭遇する、という程度で、別に全く使えないわけではないが、人口密集地以外だとエリア外にそこそこ遭遇する(96%というのは人口カバー率なので)という感じですから、都市部又はエリア内に限定した活動をする人以外だとメイン使いは難しいというのが実情です。

そういった意味で、呼び水として使っていたのが0円プランなわけで、契約者数が伸びないと色々と大変ですから、後発企業としてその点の戦略も含め、提供されていたわけですが、いろいろ限界という事かと。

 

で、0円プランの利用者が楽天モバイルの負担になっていた元凶的なコメントがちょっと見られますが、ぱっと見それは関係なさそうですよと。

 

決算資料を見ると、割合が書いてありませんが、そもそも2022年3月末時点では課金ユーザーの比率は80%超程度はいるのではないかという塩梅で描かれており、その前の2021年12月末でも約50%程度(細かく言えば、48%程度?)が課金ユーザーであり、ここから四半期で0円ユーザーの半数以上が契約を解除した、又はそれ以上に課金ユーザーを獲得したという事になります。

 

で、その関係性が正しいのであれば、0円ユーザー自体は全体に占める割合が加速度的に減少しているのが今期であったと推測されますから、0円ユーザーがコスト上で占める負担がもっとも大きかったのは2021年度4Qあたり又はそれよりももっと前だったのではないかと。

 

とすると、今期最大の赤字を計上しているのは、単純に設備投資費が大きかったというだけの事で、0円ユーザー自体が減少したとしても、特段それが今後の負担の軽減に寄与する事はないかと。

投資した設備が消えて無くなるわけではないですし、そもそもですが0円ユーザーの場合、少なくともデータ通信目的としては0円で使う為の上限がありますから、負担がないとは言いませんが、限りなく限定されますからね。その他、RakutenLinkを使った通話に関する負担はあるでしょうが、そもそも前述のとおり、2021年度4Qから急激に減少しているところを見ると、それ自体も全体に占める割合は限定的であると想定されますので、流石にそれが赤字の主な原因とは考えられません。

 

単純にエリアカバー率を上げるため、というか、ローミングコストを圧縮するための投資を前倒したというだけであって、コスト計上のタイミングだけの問題かと。

 

で、問題は今後ではないかと。

楽天はモバイル自体の単体の損益よりも、グループとしての損益、損益への寄与が大事だと言っている状況ですから、おそらくですが、単体では今後も黒転する事は相当難しいと推測されているのではないかなと思わなくもないです。

 

下手すれば諦めた程度には。

 

実際問題、本当に寄与しているなら良いのですが、そもそもEC事業が活況なのは、どちらかというと楽天以外も同様の傾向で、それはコロナ過であったり、市況の持ち直しであったり、売上自体で言えば、単価の状況(物価変動分の吸収)という話しのほうが影響は大きかったのではないかと思います。

 

だとすると、楽天モバイルの将来ってどうなのかな、と結構疑問にはなります。

 

その上、別コメントでも書きましたが、イーモバイルとは事情が違うので、楽天モバイルを仮に譲渡するとしても引き受ける先はメリットがほぼ有りません。

というのも、保有している周波数帯も特殊ですし、その上、一番厳しいのが、楽天モバイルのユーザーは、楽天利用を前提としている事が想定されるので、楽天から切り離した時点で、おそらく大半が離脱(解約又は他社へ流れる)する事が想定されます。

その為、買い取るメリットはほぼないというのが実情で、設備を吸収するとしても、他社との互換性という観点であまり意味がない上、イーモバイルのようにサブブランド的な扱いも難しい事から、どう足掻いても引き受ける理由が作れません。

 

もっとも、本当に撤退となれば、お上が仲介するとは思いますが。

 

そういった意味では、2022年度2Qの楽天モバイルの数値は結構重要かと思います。

 

最低限・・・

 

・赤字幅の大幅な減少

・課金ユーザーの純増

 

あたりはマストかと。

特に後者の課金ユーザーの純増は、そこそこの数で増加していないと、事実上減少という扱いと判断できますから、過去一番の増加、その程度の結果は必要かと。

理由としては、0円ユーザーの自動的な課金プランへの変更が行われるため、それなりの割合の0円ユーザーが請求が発生するまで「知らなかった」という状況に陥る事が想定されます。

その為、その部分が寄与する事もあり、2022年度2Q自体の課金ユーザー数の増加自体は当然で、その自動切替え分まで含むのであれば、過去最大の増加は当たり前と目されます。

ですから、言い換えると、それらを除外した数値を出した上で、伸び率が堅調であると数字を出せれば、ひとまずは順調と推測出来ますし、逆にそのあたりの数値を曖昧にする、一番最悪なケースは「過去最大の課金ユーザーの増加」と銘打った上で、内訳未開時という場合は、これは・・・というのが実情なのかなと推測できます。

 

ただ、この先もまだまだ難題が残っており、各社は既に5Gへの投資に切り替えているのが実情です。

楽天モバイルも5Gの投資を既に開始している実情ですが、4Gですら96%の状況で、今後もう少し投資は必要な上、政府が昨年12月に示した2023年度中に90%超のカバーを目標にし、各社そのラインを一つの指針としてドコモも先日投資を加速させ、2023年度中には全国1741の全ての市区町村への展開の完了と、90%超のカバー率の達成を目標にすると宣言していますから、楽天モバイルは4Gに続いて5Gでの設備投資競争にさらされる事になります。

 

このあたりがどの程度の負担となるのか、という点についてはもう少し静観が必要かなと思いますし、逆にその点についてどの程度現時点で戦略的に進めているのか、現状の損失分でどの程度先行投資ができているのかという事がポイントになろうかと思います。

 

何れにせよ、興味深い発表であったと思いますし、中身自体は、あまり0円プランのユーザーの話とはそれ程関係のない決算であったかなと思います。