何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

ジャイアンツに打たれた投手は2流という発言を容認するFOX

5月31日、私はジャイアンツ対バッファローズ戦をスカパーのFOXチャンネルにて鑑賞していた。

 

当日の試合は、ジャイアンツの先発が菅野、バファローズの先発が金子というもので、試合前から投手戦になる事が想定され、プロ野球ファンであれば、球界を代表するピッチャーである金子に対して菅野がどこまで戦えるか、また、今年思いのほか打てないジャイアンツが金子相手に戦えるのかという事でロースコア―ゲームになる事を想定しながら観戦を開始した。

 

解説と実況は加藤秀司馬場鉄志が担当していた。

 

当日の試合はバッファローズの主催試合で、FOXが中継をしている関係もあり、解説は基本的にバッファローズよりのものであった。

 

野球ファンであれば周知の事実であるのだが、現地の声援もなかなか酷いものがあるのだが、解説もなかなか酷い。

普通に電波に乗せて大丈夫かというような煽り文句もガンガン飛び出す。

 

例えば、阪神戦等は面白く、相手チームへのあおりよりも、自チームへのOBからのあおりの方が強く対戦相手としては「そこまで言わなくても…」と思える程だ。

 

当日の中継も、CS放送であった為か、比較的内容も汚い表現(選手を馬鹿にするような表現)が多く、元選手が解説に入っているとは思えないような状況ではあった。

もっとも、その程度の事は今回に始まった事ではないので、まぁ、「うるせーな、副音声作ってそっちでやれよ」と、心の中で思いつつも、残念なことにスカパーに副音声はないので、無視しながら観戦を続けた。

 

6回、7回と回が進み、予想通り金子投手のピッチングはいつもにもまして切れ味が鋭く、どう考えても不調なジャイアンツ打線ではかするのも厳しいか…という状況で、菅野が何とか踏ん張り試合を作り継投に入りつつも「今日は厳しいか…」と思いながら試合を応援していた。

 

こういう試合は、どちらを応援する場合でも非常に面白い。

 

圧倒的に経験、実績、才能を持ち合わせており、調子も良い金子投手が確実にゼロを重ねるのに対して、毎回のようにランナーを抱えながらも何とか才能と気迫で抑え続ける菅野投手というまさに胸を借りた試合であり、投げ合った菅野投手もおそらく、相当よい経験であったと思われる。見ていてもその事がひしひしと伝わってくる緊張した試合だった。

 

事がおきたのは、確か9回ごろだった。

 

突然解説者が、今までの暴言をさらに超えた内容での発言を繰り出した。

なお、あまりの突然のことで、録画もなく、完全に一言一句間違いがないとは言い切れない点はご容赦いただきたい。

 

ジャイアンツはまぁ今年は打てませんね。たまに2流の選手相手にどかっと点を取ったかと思えば、次はまったく点が取れなくなる。というか、ジャイアンツが点を取れるのは2流の投手だけですからね(笑)」

 

この解説の発言にアナウンサーも笑いながら当然のように呼応した。

 

確かに今年のジャイアンツは酷い。

アンダーソンと橋本、そして片岡あたりが何とか踏ん張っており、昨年の中軸はほぼ壊滅。もともと一発攻勢が多かった打線だが、今年はそのホームラン数も少なく、よく3位を維持できているものだと思える程である。

 

ただ、その話と、先の発言のような内容はイコールではない。

 

相手チームに罵声を飛ばすのは自由だが、ジャイアンツに打たれる=2流の投手というのは、素人が発言するにしても雑すぎるし、ましてや元プロ野球選手であったり、プロ野球中継を行っているアナウンサーが発言するような内容ではない。

 

そもそも、打てる・打てないは様々な事情で変わる。

 

というか、どんなに偉大な投手でも打たれるときは打たれるし、捕まった時にはなぜそうなるのか、どうすれば抑えられるのかわからない程の状況に陥るのが野球である。

 

単純に打たれるのは2流とかそういう話ではない。

 

そもそも、この発言、ジャイアンツを批判しているようで、実際はその逆で、ジャイアンツと対戦しているその他すべてのチームを批判している暴言であるのは明白だ。

 

この解説者の意見が正しいとするならば、元楽天の田中ですら2流の投手という事だろう。

 

最も、あえて今年に限定という事でも、広島の前田も大瀬良も2流であり、阪神の能見も2流であり、バッファローズのディクソンも2流という事になる。

現在の投手の勝利数ランキングのセ・パ上位5人のうち、ジャイアンツと対戦した選手に限定すると、楽天の則本と広島のバリントンを除くと全員が2流という事だ。

もっと厳密に、うたれ点数を複数点とられたという事を条件にするならば、バリントンですら2流という事になる。

 

素晴らしい、現在セ・パを代表するピッチャーであっても全員が2流であると言い放つ元プロ野球選手。

 

何とも酷い酷評だ。

 

皮肉にも、その日の試合は、最終回に亀井がホームランを打ち、金子の力投むなしくバッファローズは敗戦した。

幻のノーノ―としてニュースにも紹介され、バッファローズファンだけでなく、彼の力投はジャイアンツファンもたたえるものであった。

 

しかし、中継を見た人間は、そんな事よりも、あれほど素晴らしい投手戦の解説で、真剣に勝負する投手達をないがしろにする発言をした解説・実況の言葉の方が残った事だろう。

 

CS放送だからどんなことを言っても許されると思っているのであば解説を止めた方がいい。

 

試合で熱くなるのは構わないし、相手チームをあおるのも全然OK。

 

ただ、選手を冒涜するぐらいであればやめてしまえ。