慰安婦少女像に「安倍首相ひざまずく像」 韓国、私立植物園に設置 賛否割れる - 毎日新聞
これ結局は日本人の男性が謝罪している像という位置づけなので実際には日本人の男性全員がこの土下座している男性として見做されているわけなんだけどね。そもそも戦争犯罪云々でいえば現首相自身に責任はないわけで
記事にもあるように、この土下座をしている人物がだれであるかという事に作者は明確に答えていて「謝罪の立場にあるすべての男性たちを象徴したもの」としています。
個人的には意味がわからないのですが、仮にそれが日本人男性という前提に立つのであれば、つまりは全ての日本人男性が対象となり土下座しろ、という話しなわけです。
私が意味がわからない点としては、そもそもこれは戦争責任を問う議論なのか、それとも一個人の責任を問う議論なのかという点です。
前者であればそもそも「男性」という点、つまり性別は関係有りません。戦争とは原則国が追うべき責任であり、仮に国民が連帯すべきだという事であれば男性も女性も追うべき責任です。その為、作者が言う「謝罪の立場にあるすべての男性たちを象徴したもの」という事の意味がわかりません。
逆に「謝罪の立場にあるすべての男性たちを象徴したもの」という言葉から、加害行為に加担した男性という前提に立つと、そもそもなぜそのイメージに安倍首相という個人に寄せて作成したのかという事が疑問となります。少なくとも安倍首相個人が現時点で日本政府を代表する立場であることは明らかですが、もしもここで言う「謝罪の立場にあるすべての男性たちを象徴したもの」が「加害行為に加担したもの」というなら、そもそも現代にそのような人物はほとんど残っていないでしょうし、残っているならその方をモチーフにすべきです。国の責任、政府の責任を代表してという事がないなら、別に安倍首相個人が何かすべきことは当然ですがありません。ですから、定義を「国」や「政府」というものとしなかった時点、つまり「男性」というある特定の属性に限定した時点でこれは矛盾しているわけです。
結局この像が何を意味しているのかは作者の言葉からも、そのモチーフとなった安倍首相（ぽい人）からも読み解けません。
この像の存在やこの像の意味の解釈の仕方そのものが現状の日韓問題の根幹であるとも言えます。
本質的な議論よりも雰囲気や世論の受けを狙った行動ばかりをとるために、日本政府も韓国政府も何れも何もできず、同様に両国民も自分達の立場だけ、自分達の正義だけで議論を始めるので何も進みません。
この像が少なくとも表現している事の矛盾を理解できる人からすれば、それは戦争責任に起因する議論なのか、単純に一個人を批判したいだけのものなのか、その意味によって議論は真逆になるという時点でこの像の作者は誰の事も考えていない事はあきらかにわかります。
個人的には好きにすれば良いのでは？と思いますが、この新型コロナウイルスで大変な時期に、より火種を焼べる行為は、まぁ、韓国にとっても日本にとってもメリットは皆無だと思いますけどね。私は。
