何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

不快に感じる人もいる→まだわかる、性犯罪を助長する→???

知念実希人 小説家・医師 on Twitter: "表現規制って、最初はほぼ確実に性的表現を標的にするんですよね。 それに成功すると、次は暴力表現の規制になります。 そこには当然『殺人』も含まれるので、ミステリの大部分は規制対象になり得ます。 そうして多様性を失えば、日本の文学… https://t.co/JzbucyRX6B"

エロ云々に対して性被害を根拠とする場合少なくともアルコール類も規制すべきとなるはずがならないのは何故だろうか。圧倒的に被害者は多いのだが。その上ゾーニングも機能しておらず実質禁酒法以外に術はないのだが

表現規制の議論で、不快に感じるという意見については、個人によるものではあるものの、実際問題としてそれはそうよねとまだ訴える意味が理解できる。

一方で、表現規制の必要性として性犯罪の助長云々を根拠とする話しは良く判らない。

 

アニメやマンガを見ることで犯罪を犯す確率があがるというのは明らかなデマで、以前から述べるように、例えばそんな話しを言えば、BTSファンの女性は犯罪者を出す可能性が高まるとかそんなアホなロジックが成立します。

 

ありえんやろ。

 

個人的には何かしらにハマっている人なんてのは、その事で幸福感が増加しているので、むしろ犯罪に走る可能性は低いのではと思う程度には「ありえんやろ」と思う。

まぁ、増えるとしたら、BTSにはまりすぎて離婚した、程度はあるかもしれないが、それは仕方ない。

 

で、仮にそのアホなロジックが成立したと仮定しても理解できないのが、例えばアルコール類に起因する被害、性被害だけでなく、暴力、ハラスメント、その他自傷などもあるだろうし、あらゆる意味でマイナスの影響を与えているわけだけど、これ、ゾーニングも失敗しているのよね。

年齢制限しても意味がないし、提供場所だって当然制限されていて、販売や流通についても管理下にある。

そこまでしても当然の事ながら犯罪がなくなるわけでもないし、アルコール類に起因する被害は決して少なくないわけで。

 

性犯罪を助長するというロジックについては仮に何かしらそういった事象がある可能性は否定しないし、極論言えば、世の中に存在するものは何かしらに対して影響を及ぼしているわけですから、一切関係ないとは言えない。

 

が、その意見は、例えばミニスカートをはいていたから狙われたとかいう、後継無知なロジックと同じで、それは関係ないだろとしか言えない。

 

そもそもマンガやアニメがある以前から性犯罪は普通にあるし、以前から何度も述べるように、犯罪者の大半がオタクであるというならまだしも、当然ながら性犯罪者の大半がそんな事であった事実はないし、おそらくオタク人口から考えて、明らかにそれ以外の人の方が多い。

で、そこに何かの共通点を見つけるとすれば、例えば、Adoを聞いていた人が多かったとか、ジャニーズファンが多かったとか、BTSファンが多かったとか、坂道ファンが多かったとか、単純にその時代、その時に一定の割合で支持を得ているものが原因であると認定して構わない事になる。

 

当然、背景としてそういったものを切っ掛けにした人がいないわけではないだろう。

が、それは通常は特殊な事例で、そんな事を言えば、ある小説、映画、あらゆるものの影響を受けているし、一昔前はミュージシャンの影響だと言われていた事もあるなど、結局その時代によって迫害する対象が変わっているに過ぎない。

 

冒頭に述べたように、不快に感じる人がいる、これは個々人の評価の問題なので、否定できない事実で、これをどのようにバランスを取るべきかは一考の余地が当然ある。

それこそ中野ブロードウェイの一件のように、それ、わざわざそうするかね?という事例もあるように、ちょっと考えれば、まぁ、トラブル起きないんじゃないの?というものは多数あるわけで、そこは上手くやろうよと。

 

だが、それとは異なって、犯罪の温床であるとか、それが理由で犯罪が増えているとか、そういった根拠であると述べるからには、当然それそうおうのデータや事例を挙げて、妥当な事なのか分析が必要だし、それこそただ件数や占める割合が多いなどというのは、時代や状況に左右されるので、韓流の禁止や音楽の禁止、YouTubeの禁止、Instagramの禁止、TikTokの禁止、Twitterの禁止、なんなら犯罪者の多くがスマホを所持していたのであれば、スマホも禁止すべきなどと、ありとあらゆるもの、その時代に一定の年齢層や属性に好まれているものをどんどん禁止するしかない。

 

当然、それにはなんの根拠もないので、禁止したところで効果は出ない上、Aを禁止したのであれば次はBを、Bを禁止したのであれば次はCをと連鎖的に続けるしかない。

 

なぜならば、ある事を解決するために、権利を奪うという決定をしているわけだから、効果がでない状況下で「やっぱり禁止やめますわ」という後退的な決定を行う事は基本的になく、この場合は、効果がでるまで次々と禁止を増やすしかない。

 

表現規制を短絡的にAが禁止されればそれで解決すると考えている人はちゃんと考えた方がいい。

 

法律なので、当然男性向けのものだけが禁止されるわけではない。

CMで色気を伴うようなものは一律禁止になる事も想定すべきだし、当然、若年層のアイドルという活動も禁止される可能性もあり、それは女性アイドルだけでなく、男性アイドルも同様で、衣装や発言含め、性的な表現を含むものは公共の電波では発してはならないとか、例えば、挑発するような発言(口説き文句も普通は含まれる)も公共の電波で禁止すべきという議論すらでてくる可能性もある。

 

いやいやそんな事おきるわけないでしょ、と思うだろうが、それこそ昭和の頃であれば今のこんな議論すら想像もされていないわけで、その想像していない可能性がどんどん具体化されているのが今なわけで。

 

当然禁止された側は、他の禁止されていない事に対して不平不満を持つことになり、結果としてお互いが全ての可能性を潰すまで続ける事になる。

 

ネットの小競り合いであれば、ただただ「気に食わない」で済む話しだが、一度これが法律として前に進めばもう後戻りはできない。

 

本気でそれが良い未来だと思うならやれば良いが、僕は、自分の権利も他人の権利も奪うという事を安易に選択すべきだとは思わないし、将来の子供にもそういった権利は自分達で取捨選択できる未来であって欲しいとは思っている。

 

世の中には良いものも悪いものもあるのが当たり前で、好むもの、好まないものもある、誰かが「これは正しいものです」と定義するのではなく、その時代を生きる若者だったりが「良い」と思えば生かせばいい、例えば「うっせえわ」とかがまさにそれで、聞くべきではないとか、教育によくないとか、いや、そんなのほっとけよと。若者には若者の価値観があるし、それを外野が「これが正しい」「これは正しく無い」と勝手に決めつけて、選択肢を奪う事が正しい未来だとは僕は思わない。

 

誰かの権利を奪うという事を、少なくとも根拠もないまま、定義も曖昧のまま、さも自分達の正義が絶対的なもので、それ以外は常に悪とするような人の作る未来が、次の世代の人達にとって、僕は良い未来だとは全く思わない。