何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

自己中心的な解釈と主張で社会的な活動を論じるとただのマイナスにしかならない

 

始条 明 on Twitter: "女性主役のライダーや戦隊が「売れないから」ダメだと言うなら じゃあそれを売れるようにするのが製作側の仕事では?と思うんですよね 女が主人公なんてライダーじゃない、認めない!なんて 次の世代の子供たちに言ってほしくないじゃないですか"

例えば男性向け化粧品なんてものがメジャーになったのはここ数年で、それは単純に需要がなかったから。企業である以上、あえて売れないものを売るよりも、売れるものが存在するならそちらを優先するのは普通の事では

 

この話については、そもそも女性が主役として活躍したり、恋愛もの以外で女性自身がより様々な価値観を示すという事への取り組みという意味では、アニメ界隈や漫画界隈は、少なくともドラマや映画よりも非常に積極的だと思う。

 

冷静に考えて、女性視聴者向けのドラマで近年恋愛ものや恋愛リアリティものの占める割を少しは考えて発言しているのだろうか。

 

アニメの世界で言えば、そもそもその世界をどう描くかというコンセプトと誰にそれを届けるのかという方針の2軸はあらかじめ決まっている。

例えば、極々単純な話で言えば、アニメを見るとのは男児と女児でどちらが多いのか、または派生商品への影響、グッズ、ゲーム、映画等などそういった事まで含めてどういった戦略で進めるべきなのかという判断がある。

 

なお、ライダーあたりで言えば、そもそも近年は男児云々は半分の割合であり、ある程度その親の世代からも影響を受けていると思う。

昔はより男性好みの戦う男的な主役が多かったが、最近ではイケメンや優男が実は戦うのよね、という不自然なギャップを狙った配役も多く、恐らくそのあたりは男児云々には関係なく(男児は変身機構や変身後の方が興味があったり、場合によっては敵に興味を持ったりするので)、単純に大人の女性視聴者層の取り込みを意識しているのだろうとは思うが。

 

例えば以下の発言。

 仮面ライダーの話とプリキュアの話において、プリキュアに男性を主役として登場させるのはコンセプトとしておかしいと主張しているわけだが、それを言ってしまえば、仮面ライダーにだってコンセプトや戦略はあるわけで。

結局、相手の主張は咎めたい/否定したいが、でも自分の主張は否定されたくないと言っているだけに過ぎない。

 

コンセプトや背景があるわけだから、というならどんな作品にだってある。

それこそ、元の主張を生かすならば、別に男性向けと思われている作品でそういった事が行われなかったとしても、女性向けの作品ではより積極的にそういった取り組みを行う事としてどんどんそういった手法を取り入れればいい。

実際、プリキュアでは既に男の子としてのプリキュアは登場しており、その時は賛否両論あったし、私はそれはそうだろうと思う。

 

作品を作る側の思いと、作品を受け取る側の思いは必ずしも一致しないし、それは当然で、ある程度バイアスがかかった意見もあれば、ただただ単純に、違和感として受け取った人もいるだろう。当然、面白い取り組みとして楽しめた人もいれば、何も気にせずただただ当然の事として受け入れた人もいると思う。

 

昔からアニメはとか漫画はというかなりバイアスのかかった意見を見かけるのだが、結果としてそれらは人気になったからターゲットにされているに過ぎない。

で、人気になる過程には、そのコンセプトや戦略が絡んでおり、女児に人気の出る作品を作る事も、男児に人気の出る作品を作る事も、どちらもそう単純ではない。

で、アニメや漫画全体を見れば、ドラマや映画よりも圧倒的に女性主役や女性によりアグレッシブな役割を担わせている作品も多数あるわけで、私からすれば、女性の役割について議論したいなら、まずは、恋愛偏向の実写向け作品で議論すべきではないかと思うが。

 

結局、女児がどんな作品を視聴したところで、小学生、中学生と年齢を重ねるにつれ、どんどん女性の好むものは恋愛系の作品ですよね、という強いメッセージを社会が発信していたり、そういった事を当たり前の世の中としている限りは、女性はそういった作品を好む集団として合意形成が図られてしまうわけで。

 

逆を言えば、アニメや漫画は読み手、つまりファンがきっちりつけば、どんな作品だって売れる可能性を秘めている。

ドラマや映画と異なり、出版に漕ぎつけるまでで言えば、圧倒的にバイアスは掛かりづらく、ドラマや映画のような改変前提のような傾向もない。

 

売れた作品や売れているシリーズを変えろというのは商業的にも異常は注文で、それが本当に必要な事であれば、それをより広い世代で求め、そういった主張をしている作品に焦点を当てる、そういった取り組みでそういった作品を市場に送り出すべきだと思うが。

売れた作品をよくよく見れば、ファンは画一的な視点では作品を負っていない事は比較的明らかだと思う。

推しのキャラも違うし、好きなシリーズ/シーズンも違う、エピソード事の解釈も違うし、時には対立すらするわけで。

そういった様々な解釈や価値観とそれぞれ向き合った上で、結果として一つの人気を勝ち取ったわけで、それを「社会的意義の為に土台からコンセプトを変えるのは当然の事だ」というのは、流石に異常な要求だと私は思う。

 

男性向け・女性向け、それこそ恋愛ドラマや恋愛リアリティ番組ですら、それを求める視聴者がいるわけで、そこを周囲が破壊する事、その理由を「社会的意義」としてこぶしを振りかざすというのは、私は女性ですら受け入れないと思いますが。