何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

タイヤ戦略が全てを分けた、文字通りワールドチャンピオンの行方すら

大惨事。

それ以上の言葉が無いくらいのレース結果となったハンガリーGP。

 

私はレッドブルを応援していたものの、流石にこの結果を見ると今までも感じていたが、それ以上にルクレールには同情するしかない。

 

そもそもミディアム・ミディアム・ハードの2ストップ戦略には価値が全くない。

終わった後で考えても、意味がわからないし、リアルタイムの視聴中も意味がわからなかった、今記事を書いていても意味がわからない。

その程度にはなんの価値もない戦略で、本当に謎。

 

まず、トラックコンディションは最悪で、雨の影響でラバーは剥がれており、路面温度も極めて低い。

それこそハンガリーGPの歴史で見ても極めて稀な程度には寒く、例年であれば暑さ対策が必要であり、メルセデスレッドブルでは熱の影響でレース結果が傾く程度にはコンディションに影響を及ぼす気候が、明らかに今年は異なり、レース関係者も服を一枚追加で羽織る程度には寒かったわけで、こんな状況で固いコンパウンド、それも今年は一段階固めのセットに変更されている状況下で、ハードタイヤが機能するわけがない。

 

また、何よりセカンドスティントのミディアムの選択が無意味で、仮にどうしてもハードを履きたいならセカンドスティントにハードを履いておくべきで、理由は雨の予報への対策で、確率が上がるならロングスティントとすればいいし、もしもタイヤが寒さで機能しなくても吐き捨ててミディアムに切り替えてミディアムでのロングスティントにすればいいし、仮に運良く機能したらそのまま可能な限りロングスティントして、必要なら最後にソフト(又はミディアム)に履き替えればいいわけで。

 

セカンドスティントをミディアムにした結果、タイヤ交換義務の消化ができなかったので、この時点でサードスティントはハード又はソフトの選択となるわけだが、これ自体はまだ許容できるとしても、なぜかセカンドスティントも短く、そのままハードへスイッチ。

 

わからん。まったくわからん。

 

そもそもレッドブルはソフトスタートだったわけだが、セカンドスティントの時点でほぼタイヤライフは同じ状況になっており、もはやファーストスティントのタイヤの利が皆無になっている状況で、その上、フリー走行での結果からミディアムタイヤ、状況によってはソフトタイヤすらデグラデーションはマイナスという可能性がある程度には、今回はタイヤの性能としてはソフトよりの方がメリットが高い事が明らかだった。

 

実際、レッドブルはハードスタートを想定していたが、直前のレコノサンスラップでフェルスタッペンの判断(意見)により、スタートタイヤを中古のソフトに変えており、結果としてそれが功を奏した。

というのも、風の影響もあったが、ソフトタイヤですらコースオフやスライドしてしまう車が多く、あの状況で固めのタイヤは厳しい事は多くのドライバーが理解していた。

で、雨予報がある中であれば、仮に小雨でも路面温度は上がりにくく、その上雨の影響で滑りやすくなるわけだから、ハードの利用は博打以外の何物でも無い。

 

まだレッドブルがそれを検討した意味はわかる。

エンジントラブルにより10位スタートなので、可能な限り順位を上げる為には何かしら異なった戦略が必要で、少なくともミディアムスタートでは上位スタートのフェラーリに追いつく事も難しい可能性がある。

だからこそ、ファーストタイヤにハードを検討し、雨も予想した上で柔軟に対応できるような選択を検討したわけだが、それですら、フェルスタッペンの直前の意見により、結果的にはソフトスタートへ切り替える程度には、選択する事が難しい。

にも関わらず、なぜか上位スタートで、且つ、シリーズチャンピオンの行方を考えても、別にメルセデスなんて意識する必要はなく、単純にフェルスタッペンだけをカバーすればいいはずのフェラーリルクレールがわざわざリスクのあるハードを戦略に入れる必要は無かったし、ましてや繰り返すが雨の確率もあったわけで、なぜ上位スタートから博打をうつ必要があったのかと。

 

それも、フリー走行の状況を見れば、レッドブルのマシンは明らかにフェラーリよりもコンマ数秒程度は遅く、特にコーナーでの安定性は明らかにフェラーリに有利に働いていたこともあり、普通に走れば全くもって負ける要素はゼロで、コース上で抜かれる可能性なんて全くなかった。

つまり、最悪でもフェルスタッペンの前でゴール、それこそ例え優勝をルクレールが取れなくても、シリーズの行方だけを考えれば、フェルスタッペンよりも前でフィニッシュすれば全く問題はなかったわけで。

 

結局、レッドブルがソフトスタートだった事を見た上で、セカンドスティントをソフトにしなかった時点でフェラーリの戦略はほぼ破綻していた。

そこでソフトをチョイスしていれば、別にサードスティントはミディアムでも良いし、ソフトの感触が良ければ、再度ソフトでも良かった。タイヤ交換義務も果たしており、さらには雨にも柔軟に対応でき、そしてフェルスタッペンをキッチリカバーできていたので、まず間違い無く負けはなかっただろう。

 

結果としてルクレールとフェルスタッペンの差は80ポイントとなった。

仮に二人の関係だけで言えば、全てルクレールが1位でフェルスタッペンが2位、ファステストポイントも全てルクレールが取ったと仮定しても逆転は厳しい。

 

残りは9戦。うち1戦はスプリントフォーマットが含まれる。

通常のレースでは最大で8ポイントの差を詰める事ができ、スプリントフォーマットでは9ポイントの差を詰める事ができる。

つまり、順当に進むと73ポイントしか差を詰める事ができず、ルクレールには地力での逆転優勝はできない事となった。

今後は、フェルスタッペンが2位以下の順位を何回とるのか、その時ルクレールは何位でフィニッシュできるのかという事になる。

結果的には皮肉にもサインツの働きであったり、ハミルトン、ラッセルというルクレール以外のドライバーの結果が彼を助けるかもしれないが、全ては運次第としかいえない。

 

その上、エンジンペナルティも考えれば、今の所ルクレールに良い影響をあたえる要素は皆無で、なぜあれほどのポテンシャルを持っているマシン、ドライバーを持ってしてもフェラーリは勝てないのか、本当に呪われているのではないかとすら思える程度には絶望感が漂う。

 

なお、日本GPまで全てフェルスタッペンが1位だった場合、最大で32ポイントの差をさらに広げる事となり、結果として日本GP開始時点で112ポイントの差がつく。

日本GP以降には通常フォーマットのレースが3戦、スプリントフォーマットのレースが1戦行われる為、最大で獲得できるポイントは112ポイント(26ポイント×3+34ポイント)となる。

 

つまり、その時点でどの程度の差が開いているかわからないとしても、日本GPの結果を含め、フェルスタッペンとルクレールのポイント差が112ポイント以上開いた場合、その時点で結果が確定するという事になる。

 

もしかすると日本GPあたりでワールドチャンピオンの決定が起きる可能性は非常に高く、チケットを購入した方はなかなか面白い状況で当日を迎えるかもしれない。

 

なお、私はV2が取れず今年の現地観戦は断念した為、自宅から見守る予定です。